無気力系ドタバタ喜劇に、流行の多視的時間軸構成を加え、何ら脈略の無いエピソードが最後に繋がってくるという、よく言えば井坂幸太郎風でもあるが、悪いと、乗りの悪いサンドロヴィッチ風でもある。
まず成海璃子の変貌振りが面白い。ヒューマンもので優等生役が多かった彼女にとってこんなハチャメチャな役柄は初めてのはず。頑張っていたとは思うが、天然ボケタイプではないので、演技以前の何かが彼女には不足していた感あ . . . 本文を読む
映像の色合いが未だ好きになれないイーストウッドだが、でも結構慣れてきた。彼の作品はそんなことを言ってる場合じゃない、という僕を叱るような、琴の糸のように張り詰めたスピリチュアルなものを感じてしまう。
映像でぐいぐい観客を引き込んでいくその手腕はとてもじゃないが、他者を選ばせてくれず今や世界中の映画監督でもピカ一だろうと思う。その演出力の持続性はホント驚異的であります。その作品の形態からは、ふと思 . . . 本文を読む