期待し過ぎたせいだろうか、ミステリーとして面白いことは面白いが、観客にすべてのデータを正直に出すと言う本格ものではなく、徐々に出してきて観客はそれで右往左往するという、ちょっとした騙し映画でもある。
こういう作品は動機付けのようなものがきちんと時代性に合ったものであればあるほど秀作になるのだが、本作は通俗的なただの浮気である。何か、別にそう新しいものでもなく、どちらかというと使い古されたテーマで . . . 本文を読む
何と言ってよいのか、やはり人間が過去に戻ると言うタイムトンネルものはワクワクするものがほとばしる。本作は連続殺人事件の真相を知るために現場に戻ろうとする青年の苦悩を描いてはいるものの、主眼はミステリーであり、サスペンスである。
二転三転する展開に息もつけぬぐらいだが、何か話がこんがらがってきてうまく繫がっていない。ラストもあっと驚く打っちゃりを見せているが、これはやりすぎと言うもの . . . 本文を読む
音楽が地鳴りを感じるような荒々しさ。全編異様に鳴り響く。なかなか面白い音だ。映像で写される下北風景と融合して、人間の業というものを追求する。
しかし、演出としては言いたいことがあり過ぎたのだろうか、溺れ、いつもの切れがなかった感がする。
【豊田利晃】監督、この4年間で何かを奔出したいものがあったのだろう。それは分かるが、ちょっと独りよがりの映像が過ぎないかい?ずっとファンだっただけに少々残念。 . . . 本文を読む
冒頭に出てくる「ロメオとジュリエット」がこの二人を暗示しているのだろう、もはや現代においては人間はパンパイアとしか純愛を経験できないのではないか、と思われるほど展開されるのは徹底した究極の二人だけの愛の世界。
永遠の世界に彼女を連れて行こうとするのは簡単なんだけれど、それは彼女を愛してしまった男はなかなかできない。すなわち自分と同じ生存上の悩みを彼女に持たせてしまうからだ。彼女にはそういうことは . . . 本文を読む