最近「愛」そのものについて、こんなに、濃密に、考えさせられる時間を持つことはなかった。3話の話なんだが、場所以外でそれらは交錯することもなく、きっちり2時間でまとめあげ、1本で3本以上の感銘を持たせる、それは見事という一言に尽きる。
何か感覚は僕の大好きなキェシロフスキの「デカローグ」に似ている。物理的なシチュエーション、人間の本源的な捉え方、それらはこの作品と共通する何かを持っている。
主話 . . . 本文を読む
7年ぶりの書き下ろし作品。法月ぐらいになると手抜きのようなモノは出せないし、そもそも遅筆の方だからあっと気づくと7年になっていたのかなあ。そしてこの作品は評判が高く、彼をずっと読んで来たファンとしてもすこぶる興味ある作品であった。
倒叙物から始まりその内いつもの法月親子の掛け合いになる。交換殺人に気づくも4重であることに辿る過程は面白い。けれど、けれども、9割読んでもスゴイと思わせるものがないん . . . 本文を読む