成功した文学者が生まれ育った植民地を訪れるという自分探しの映画です。
幼くして戦死した父親の墓。ほとんどだれも訪れなかったかのような荒れ方。優しくほこりを取り除く男。出身大学の特別スピーチをするが、植民地政策の是非と国家とは何か、で逆に論争を呼ぶ羽目になる。
しつけの厳しかった祖母。生活のために学校も行かせてくれそうになかったが、特別に担任の助言で上級できたこと。母親に若い男の影を見、哀しむ子 . . . 本文を読む
アンジェイ・ワイダ。作品は今も発表しているが、かのみずみずしさはとうの昔にチブルスキーと共に彷徨い去った、と思っていた。ところが、まだまだ映画に対する愛が充満しているのをこの映画で知ることになる。キアロスタミと同じく、、。
何か分からないが、中年女性のモノローグが続く。見たことがあるようで分からない風貌。物語後半になって彼女が「大理石の男」「鉄の男」で機関銃のように弁舌けたたましくまくし立て、長 . . . 本文を読む
嫌いなのに相変わらずアレンの映画を見ている僕。もういい加減にしろ、と自分自身にのたまっている。この映画、冒頭に画面外の声が。「人生は剣幕ばかりの空騒ぎ。意味など何一つない。」
本来はこの格言を聞いたら即映画館を出なければならない。この映画の凝縮したエッセンスを知った後でこの映画を見る価値があるのか!
いやあ、それでも映画料金は回収しなければ、ね、という卑しい根性を持つ僕はこの映画を楽しく、シニ . . . 本文を読む
韓国も日本同様高齢化社会なのだろうか。こういう映画がヒットするということはそれ相当の需要があるということなのだろう。で、話はと言うと二組の老人の愛の物語である。
カップルのそれぞれが淡々と小さな希望の灯をともす過程を謳っている。彼らには死という終結が待っているが、人間という生き物は希望という前向きの何かがなければ生きてはいけないのだろう。
この映画ではっと思ったのは、まず、一人暮らしの老女に実 . . . 本文を読む
だいたいミュージカルは少々苦手で通常は見ない。しかし、予告編のアン・ハサウェイの絶唱ぶりが身震いするほどで、あの感動をいま一度という想いで即映画館へ、、。
なるほど、斬新なミュージカルであります。それぞれの歌唱が息使いまで感じられ、その想いが十分込められている。その内全面セリフが99%歌唱になっていることも気にならなくなる。(昔々「シェルブールの雨傘」が実にそれが100%だったので辟易したことか . . . 本文を読む