さすがシュレンドルフだ。映画的な映像を構築しているが、もともとは二人の密室劇なのだろう、8割方将軍部屋での交渉劇である。
冒頭にワルシャワの街が焼け野原になってしまう映像が挿入される。だいたい話の内容を分かっている観客はパリももしかしてこうなっていたのか、と熱いため息を漏らす。
もう狂人としか思いようのないヒットラーからパリ爆破計画を命ぜられる将軍の話である。そういう時でもよく理性が保たれてい . . . 本文を読む
いつもおなじみ、すれ違い、勘違いが巻き起こす人情劇、と言えばそれっきりだが、岡部の作品にはどこか昭和を想うノスタルジーが感じられます。向田邦子が昭和を思う気持ちにもダブってくる。それははっこきなべだったり、家族への並々ならぬ思いだったり、そして小道具の段ボール箱に至るまで満載であります。
特にみんながいつも思っているのにふと忘れている家族のつながりを強烈に感じてしまうのが岡部の人情劇の特徴である . . . 本文を読む