何でもない明るい自由なドキュメンタリータッチの微笑ましい家族映画なんだと思いながら見てゆくと、いやあ、そこには人間に深淵のドラマが隠れていました。しかもそれをある意味ミステリーで描くとは、うーむ、参った! この作品、現代の秀作です。 . . . 本文を読む
ミステリー映画なんだけど、いわゆる犯人捜しなどでない。スターリン体制下での魑魅魍魎な社会現象を題材にした娯楽作品であります。
なんといってもねえ、共産主義体制には殺人事件は起こりえないという想念で、44件の男児殺人事件をすべて事故処理にしてしまう社会体制には、もう開いた口が塞がらないというか、それにずっと付き添っていた人たち(国民も含めて)がいることを思えば、まさに恐怖以外の何物でもない。
一 . . . 本文を読む