いやあ、面白いんだけどね、頭の整理がつかないままどんどん読まされているといった感じがして、石持氏ってとても頭脳明晰過ぎる人なんでしょうなあ、登場人物をしかとメモでもしておかないとこりゃあ読み切れんわあ、、。
ということでめちゃ面白いんだけど、これはとてもじゃないが現実感がありませんです。頭のなかで考えた頭脳ミステリーというべきか、常に地面から浮遊しておりました。
まあ、小説の中の出来事だから、 . . . 本文を読む
幕が開く。最近はこういう幕がない演劇も多いとふと考える。目の前にあるアパートの2室。シンメトリーの部屋だ。精緻だ。思わずため息がつきそうだ。観客に向かって縁側まで用意してある。これがタニノ演劇なんですね。もう目がきらきら光ります。
2組の部屋の住人の話である。どこにでもころがっているような、けれど真実の日常がとくとくと描かれる。みんなけなげに生きているが、ゆとりはない。普通の人々の日常に潜む喜び . . . 本文を読む