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硫黄島からの手紙 (2006/米)(クリント・イーストウッド)

2006-12-09 23:30:15 | 映画遍歴
アメリカ人による日本人観が底流に流れている硫黄島玉砕話はどういう観点から見ればいいのか迷っていたが、イーストウッドのフラットな見方に驚くとともに、あれだけ当時の日本というものを勉強していたのに舌を巻いた。

特に加瀬亮の人間的特高の描写と投降した後の無残さは世界の戦争映画でもその悲惨さを描いて白眉だろうと思う。

俳優も、主役以外はアメリカ在住の日本人を起用したのが新鮮で存在感がありよかった。

戦闘シーンもかなり時間を割いていたが、映画的にも見所が多い。何より、イーストウッドの全編を覆うヒューマニズムは抑えているからこそじわじわ効いて来る。

それにしても、この映画を見て硫黄島でこんな戦争があったことをいまさらながら思い知らされている日本人たるわれわれは、イーストウッドに感謝しなければならないだろうし反省もしている次第。

外国人による日本の戦争の意味を今年は「太陽」とこの作品で、偶然にも遭遇したことになる。この2作とも今年の重要作品であることも面白い。
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1 コメント

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コメントありがとうございました。 (アスカパパ)
2006-12-21 17:26:46
戦場にこそ行きませんでしたたが銃後に在った私は、太平洋戦争という20世紀最大の事件は次の世代に語り継がねばならぬと思う一人です。

私事で恐縮ですが当時父を亡くした私が、戦死した叔父と遣り取りした手紙を思い出します。
「これからは叔父さんを父と思って・・」
南方で戦っている叔父から、検閲済みの軍事郵便が届きました。
「今は皇国の礎になることを誇りに思っている。が、喜んで父の代わりになろう」

 栗林司令官以下硫黄島守備隊員が故国の家族と交わした手紙と、同じ手紙が各地の戦場と内地を結んでいました。
『硫黄島からの手紙』を世に問われたクリント・イーストウッド監督に心から感謝の意を表する一人です。
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