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敬愛なるベートーヴェン (2006/米=独)(アニェシュカ・ホランド)

2006-12-10 21:15:05 | 映画遍歴
ファーストシーンのベートーベンが死ぬ直前に見ている走馬灯のようなフラッシュ的実験的な映像がとても美しく強く印象に残る。
ほとんど二人だけの音楽芸術に終始している展開なのだが、天才と天才にあこがれる優秀音楽家とのやり取りは、愛というものにまではあ高まらなかったので、ひとつのエピソードにとどまっていたのは惜しい。
「クリムト」でもそうだが、芸術家の伝記的な作品は観客の思いがどこまで映画の世界に入りきれるか、というところに尽きるので、単なる芸術家の世界に踏みとどまってしまい、世界が広がることはよほどの作品でないと難しい。
この作品でも、ベーとーべンと彼を崇拝する女性との間はどうしようもない断絶があるままである。でもこれは仕方のないことなのであります。
エド・ハリスはまるで人が変わったかのようで、今までとは全く違った人物を造形し、好演。僕のお気に入りの一人ダイアン・クルーガー は美しい。相変わらずひときわ光るほど美しい。このままその美しさを保って欲しい。この映画はむしろ彼女のための映画でもあるかのようないいキャスティングだ。
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