
当時のキネ旬3位ということで、また古い映画を観にシネヌーヴォに行ってきました。最初の字幕で木暮実千代がトップだったので、え、佐久間じゃないのか、と不思議がる。
京の故郷に人生の原点を求める薄幸の幼馴染二人の話だが、前半は昭和最後の廓話でなかなか活気がある面白い展開で、丁寧な描写を見せる。佐久間は美しい。岩崎加根子も初々しい。でも、やはり字幕トップの木暮の、水を得た魚のような立ち位置、振る舞いが妙を得てる。映画的にも動く場面の連続だ。
けれど、河原崎が出始めてから画面が停滞する。彼らのあの説明だけではなぜ二人が死んでゆくのか皆目分からない。ここは、原作を放れて田坂編五番町を作成してもらいたかった。同じく、あれほど機敏だった木暮もどっちつかずの展開を見せて来て、説得力に欠ける。
とはいえ、懐かしい俳優陣を垣間見て、みんな若い時があり輝いている。古い映画を見る極意だ。
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