数式の中には、完全で美しいものが多い。
球について考えてみよう。
球の表面積は、半径をr、円周率をπ(パイ)とすると
S=4πr2
で表される。
ところで円の面積はπr2であるから、球の表面積は、その中心を通る円の面積のちょうど4倍である。
曲面と平面、形状が全く異なる二つの面積の関係が、ちょうど4倍という所に美しさを感じる。
次に、球がぴたりと納まる円柱を考える。
円柱の上の円(下の円)の面積はπr2である。
円柱の側面は広げると長方形になるが、その面積を求める。
長方形の長辺は円周であるから2πrである。
短辺は円の直径であるから2rである。
従って長方形の面積は
2πr×2r=4πr2
となり、先ほどの球の表面積と同じである。
まとめると、球がぴたりと納まる円柱の
・球の表面積
・円柱の側面の面積
・円柱の上円と下円の合計面積の2倍
が同じであり、球の数式の美しさや神秘性を感じる。
そういえば天体は、小惑星などの一部を除き、地球にしろ太陽にしろ、球である。
宇宙が美しく神秘的なゆえんである。