・池江璃花子選手白血病 “急性リンパ性”なら小児型治療で7割根治も
“2月12日、競泳女子の池江璃花子選手(18)が、自身のツイッターで白血病を公表した。”
■若い人がかかる癌の中で最も多いのは白血病
Q:白血病とはどんな病気ですか?
国立成育医療研究センター 松本 小児がんセンター長:
白血病は血液の癌と言われます
血液には、赤血球、白血球、血小板とありますが、それを作っているのが骨髄 血液の工場なんです
その工場が不良品を作るような状態が白血病
●白血病は主に急性と慢性に分かれる
急性の場合は症状で分かることがあるが、慢性は少ないという
松本:
急性白血病は、普通の風邪と変わらないような倦怠感、少し熱があったりとか
慢性の場合は、あまり症状が出ない
倦怠感はありますけれども、それほど症状が出ないことが多いと思います
●白血病はかつては「治らない病気」と言われていた
昭和60年には、女優の夏目雅子さん
平成12年には、格闘家のアンディ・フグさんが亡くなっています
しかしその後、医療が進歩して、今は違うと言います
Q:治らない病気というイメージがあったんですが、そうではないですか?
松本:
絶対違います
小児白血病の場合は8割~9割が治る時代です
急性白血病は6割~7割が治る時代です
このタイプには何が一番効くかが分かるようになってきたというのが一番大きいと思います
そして、慢性白血病の場合は、これまで「骨髄移植」でなければ
治らなかったようなケースでも、体への負担が少ない飲み薬の
抗がん剤で治ることも少なくないと言います
Q:すごい劇的ですね
松本:
私は医者になって30年以上ですが、なりたての頃は
慢性骨髄性白血病の方が来たら、4年以内に骨髄移植のドナーを見つけないと
命を落とすと言われていました
Q:薬で治る時代になってきたということですか?
松本:
そうなんです 素晴らしい進歩だと思います
(でも、髪が抜けたりする副作用はどうにかならないの???
■治療は実際どのようなものか
女優の友寄蓮さん(23)は、16歳の時に「急性リンパ性白血病」と診断された
Q:池江さんのニュースを聞いた時、どんな感情になりましたか?
18歳でそこまで公表したのも、周りの仲間たちの配慮だとか
心配してくださっている方へ、きちんと自分の言葉で伝えたいという
意思の表れだと思うので、本当に勇気のある行動だと思いました
●蓮さんは、1年4ヶ月間入院した後、白血病を克服
今は女優として舞台にも出演しています
病気との戦いは、辛いものだったと振り返ります
こちらは当時の写真
治療が始まった後、抗がん剤などの副作用で髪の毛が抜け、顔は丸く腫れたようになりました
蓮さん:
口中が口内炎でいっぱいになってしまった
もちろん食事をとることもできないし、横になった時に膿が喉に流れていってしまって
吐き出しながら起きてしまう
すごい苦しみだけが目の前にあって、ぼんやりと通り過ぎるのを
天井を眺めながら「早く終わらないかな」とだけ思っていました
●多くの人に支えられていることに気がついた
蓮さん:
100回以上の輸血をしてるんですね
ということは、私の体に流れているものは、100人以上の優しさや思いだったりするので
沢山の人に支えられているんだなと思うと、やっぱり頑張らなきゃなと思いました
●ノートに未来の自分をイメージして書く
そして1年ほど経った頃からは、未来の自分をイメージして
ノートに書き込むようになったと言います
蓮:
ノートに箇条書きで「お祭りに行きましたか」とか
「たこ焼き食べましたか」とか、ちょっとずつ未来の希望を書いておくと
未来の自分がきっと幸せに過ごしているから
今は安心してちゃんと苦しんでおこうと思いました
●退院して今年で6年
蓮さんは今、女優のほかに献血を呼びかける活動をしています
Q:今、楽しめていますか?
すごく楽しいです
Q:白血病と闘っている人に対しては?
時間が経てば解決してくれることも必ずあると信じて頑張って欲しいなと思います
■骨髄バンクへのドナー登録
献血に合わせて、骨髄バンクへのドナー登録も広がっていてとても大切です
骨髄バンクというのは、白血病の治療法の一つ
骨髄移植をするために白血球の型が合うかどうかを結びつけようと設けられたものですが
実際にどうやって登録するのか知らない方も多いと思いますので取材してきました
新宿東口駅前献血ルーム 日本赤十字社
こちらでは献血の他に「ドナー登録」をすることができます
●総合受付
まずもらったのが骨髄バンクについて説明された冊子
これまでに49万人を超える人が登録しています
移植を受けた方が「ドナーさんは神様以上の存在です」と書かれています
提供される骨髄などは、患者にとって大きな希望であると書かれています
また、入院を伴ったり、痛みが一時残ったりするリスクも説明されています
●採血
骨髄などの移植に必要な白血球の型を調べるためです
実際に提供するかどうかは、型が一致する患者が見つかった段階で改めて相談することになります
混み具合にもよりますが、登録手続きは15分程度で終わります
意外と簡単にできるんだなと思いました
献血のついでにという方が多いということです
今回 VTR ではご紹介できませんでしたが、こういう言葉をいただきました
「今、どんなに幸せに過ごしたとしても時間は巻き戻らない
過去を振り返った時に良かったと言えない」
アナ:
私は、大きな病気を克服したことで、大きな何かを得られたのではないか
病気をプラスに捉えているのではないか、という先入観で取材をしたんですけれども
過去を振り返った時に良かったとは言えない、という答えにハっとさせられました
<編集長のひと言>
私も冒頭の医師に取材させていただきました
その時におっしゃった言葉は、「みんなで治す」ものなのだ
本人が抱え込むのではなく、家族、友人、関係者と共に闘う
そこに私たちも静かにそっと見守る、心を寄せる、できることをする
応援の気持ちを持ち続けたいと思います
そして何より、たくさんの難病と闘っている患者さんが
今まさにこの時間も闘っていることに思いを馳せたいと思います
“2月12日、競泳女子の池江璃花子選手(18)が、自身のツイッターで白血病を公表した。”
■若い人がかかる癌の中で最も多いのは白血病
Q:白血病とはどんな病気ですか?
国立成育医療研究センター 松本 小児がんセンター長:
白血病は血液の癌と言われます
血液には、赤血球、白血球、血小板とありますが、それを作っているのが骨髄 血液の工場なんです
その工場が不良品を作るような状態が白血病
●白血病は主に急性と慢性に分かれる
急性の場合は症状で分かることがあるが、慢性は少ないという
松本:
急性白血病は、普通の風邪と変わらないような倦怠感、少し熱があったりとか
慢性の場合は、あまり症状が出ない
倦怠感はありますけれども、それほど症状が出ないことが多いと思います
●白血病はかつては「治らない病気」と言われていた
昭和60年には、女優の夏目雅子さん
平成12年には、格闘家のアンディ・フグさんが亡くなっています
しかしその後、医療が進歩して、今は違うと言います
Q:治らない病気というイメージがあったんですが、そうではないですか?
松本:
絶対違います
小児白血病の場合は8割~9割が治る時代です
急性白血病は6割~7割が治る時代です
このタイプには何が一番効くかが分かるようになってきたというのが一番大きいと思います
そして、慢性白血病の場合は、これまで「骨髄移植」でなければ
治らなかったようなケースでも、体への負担が少ない飲み薬の
抗がん剤で治ることも少なくないと言います
Q:すごい劇的ですね
松本:
私は医者になって30年以上ですが、なりたての頃は
慢性骨髄性白血病の方が来たら、4年以内に骨髄移植のドナーを見つけないと
命を落とすと言われていました
Q:薬で治る時代になってきたということですか?
松本:
そうなんです 素晴らしい進歩だと思います
(でも、髪が抜けたりする副作用はどうにかならないの???
■治療は実際どのようなものか
女優の友寄蓮さん(23)は、16歳の時に「急性リンパ性白血病」と診断された
Q:池江さんのニュースを聞いた時、どんな感情になりましたか?
18歳でそこまで公表したのも、周りの仲間たちの配慮だとか
心配してくださっている方へ、きちんと自分の言葉で伝えたいという
意思の表れだと思うので、本当に勇気のある行動だと思いました
●蓮さんは、1年4ヶ月間入院した後、白血病を克服
今は女優として舞台にも出演しています
病気との戦いは、辛いものだったと振り返ります
こちらは当時の写真
治療が始まった後、抗がん剤などの副作用で髪の毛が抜け、顔は丸く腫れたようになりました
蓮さん:
口中が口内炎でいっぱいになってしまった
もちろん食事をとることもできないし、横になった時に膿が喉に流れていってしまって
吐き出しながら起きてしまう
すごい苦しみだけが目の前にあって、ぼんやりと通り過ぎるのを
天井を眺めながら「早く終わらないかな」とだけ思っていました
●多くの人に支えられていることに気がついた
蓮さん:
100回以上の輸血をしてるんですね
ということは、私の体に流れているものは、100人以上の優しさや思いだったりするので
沢山の人に支えられているんだなと思うと、やっぱり頑張らなきゃなと思いました
●ノートに未来の自分をイメージして書く
そして1年ほど経った頃からは、未来の自分をイメージして
ノートに書き込むようになったと言います
蓮:
ノートに箇条書きで「お祭りに行きましたか」とか
「たこ焼き食べましたか」とか、ちょっとずつ未来の希望を書いておくと
未来の自分がきっと幸せに過ごしているから
今は安心してちゃんと苦しんでおこうと思いました
●退院して今年で6年
蓮さんは今、女優のほかに献血を呼びかける活動をしています
Q:今、楽しめていますか?
すごく楽しいです
Q:白血病と闘っている人に対しては?
時間が経てば解決してくれることも必ずあると信じて頑張って欲しいなと思います
■骨髄バンクへのドナー登録
献血に合わせて、骨髄バンクへのドナー登録も広がっていてとても大切です
骨髄バンクというのは、白血病の治療法の一つ
骨髄移植をするために白血球の型が合うかどうかを結びつけようと設けられたものですが
実際にどうやって登録するのか知らない方も多いと思いますので取材してきました
新宿東口駅前献血ルーム 日本赤十字社
こちらでは献血の他に「ドナー登録」をすることができます
●総合受付
まずもらったのが骨髄バンクについて説明された冊子
これまでに49万人を超える人が登録しています
移植を受けた方が「ドナーさんは神様以上の存在です」と書かれています
提供される骨髄などは、患者にとって大きな希望であると書かれています
また、入院を伴ったり、痛みが一時残ったりするリスクも説明されています
●採血
骨髄などの移植に必要な白血球の型を調べるためです
実際に提供するかどうかは、型が一致する患者が見つかった段階で改めて相談することになります
混み具合にもよりますが、登録手続きは15分程度で終わります
意外と簡単にできるんだなと思いました
献血のついでにという方が多いということです
今回 VTR ではご紹介できませんでしたが、こういう言葉をいただきました
「今、どんなに幸せに過ごしたとしても時間は巻き戻らない
過去を振り返った時に良かったと言えない」
アナ:
私は、大きな病気を克服したことで、大きな何かを得られたのではないか
病気をプラスに捉えているのではないか、という先入観で取材をしたんですけれども
過去を振り返った時に良かったとは言えない、という答えにハっとさせられました
<編集長のひと言>
私も冒頭の医師に取材させていただきました
その時におっしゃった言葉は、「みんなで治す」ものなのだ
本人が抱え込むのではなく、家族、友人、関係者と共に闘う
そこに私たちも静かにそっと見守る、心を寄せる、できることをする
応援の気持ちを持ち続けたいと思います
そして何より、たくさんの難病と闘っている患者さんが
今まさにこの時間も闘っていることに思いを馳せたいと思います