メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『劔岳 点の記』(2009)

2010-08-22 20:56:14 | 映画
『劔岳 点の記』(2009)
監督・撮影:木村大作 原作:新田次郎
出演:浅野忠信、香川照之、松田龍平、仲村トオル、宮崎あおい、井川比佐志、夏八木勲、役所広司 ほか

trailer

「これは撮影ではなく『行』である」と監督がゆった通り、チラっと映ったメイキングを見ても、
そうとう過酷な撮影の連続だったことがうかがえる。


story
明治39年。日露戦争で勝利した日本だが、今後ますます他国からの守りを固めるためには、
正確な地図が必要であり、唯一残された空白地域、誰も登頂成功したことがない剣岳の測量が絶対必要となり、陸軍から測量手・柴崎に命令が下る。
かつて登頂を試みて断念した元測量士・古田を訪ね、山の案内人として宇治長次郎を紹介される。
前年の春、柴崎は長次郎とともに周囲の山を登って、登山ルートを探しあぐねるが登れる場所は見つからない。
雪の山中で修行を続ける行者に会い、「雪を背負って登り、雪を背負って降りよ」と助言を受ける。
マスコミは、ヨーロッパ製の登山装備を使って初登頂を試みる日本山岳会と測量隊のどちらが先になるかを書き立てる。

そして翌年の春。測量隊は周囲の山から測量をはじめる。小島をリーダーとした山岳会は遅れて出発しルートを探る。
雪崩、猛吹雪、豪雨、落石などなど、幾多の危険をくぐり抜け、測量隊は行者の言った雪原からのルートからついに登りはじめる・・・


父も根っからの山男で、よく小さい頃に山登りに連れていかれた。立山も家族で登ったんじゃないかなあ。
朝4時、何の前触れもなく叩き起こされて、西穂高など大人でも困難な山々をいくつも登った。
雨や霧で前方が見えない状態で崖や鎖場を通らなきゃいけなかったりして、本気で死ぬんじゃないかって思ったけど、
それを越えたところにある登頂の達成感、澄んだ冷たい空気、美味しい水やおにぎりの味などは
何にも代えがたい感覚で、今でも機会があれば山に行きたいなあって思いがどこかにいつもくすぶっている。


「どうして、こんなにまでして地図を作らなければならないのか」と柴崎さんは改めて自分に問うて、
「みんな誰しも自分が生まれた場所が世界のどのようなところに位置しているのか知りたいと思う。
それは、自分を知ることにつながるから」と答えを出す。

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すみだストリートJAZZフェスティバル@錦糸町 その1

2010-08-21 23:55:55 | アート&イベント
すみだストリートJAZZフェスティバル@錦糸町

サケ友に誘われて、今回が第1回目のジャズフェスに行ってきたv
一度ジャズフェスって行ってみたかったから楽しみだったけど、結果から先に言うとジャズは1つも見なかった

12時からスタートってことで、錦糸町駅で待ち合わせて、とりあえず本部が設置されている錦糸公園へ。
パンフレットをもらって、日陰で涼みながら、サケ友がにぎってくれたおにぎりをほおばるv
毎回このおにぎりが楽しみだったりして 美味しいおにぎりありがとうううううう!!!

メインステージでは、開会式挨拶の後、正則学園高校ビッグバンドの演奏が始まった。
あれは♪It Don't Mean A Thing (If I Ain't Got That Swing) だっけな。
こんな広々とした気持ちのいい場所で、ジェントルフォレストも聴いてみたいなあ!

イベントステージでは、氷彫刻世界大会優勝者・井上仁さんによる「氷の彫刻」実演が始まっていた。
数時間後に寄ったら、見事な人魚の姿が出来上がってた/驚
でも、この猛暑で溶けるスピードがハンパないっ!
みるみる雫が垂れて、下がビショビショになってたし

あてもなく歩いて「リトルインディア」さんの前では14:00~始まるバンドの宣伝に店長さん?自らが出てきて、
「ポテトサービスするから絶対来てね~♪」と、なぜかちょっとお姉風に誘われたけど、
結局行けなくってごめんなさいいいい!!!謝


駅前までフラフラ着いたら、そこでSAX、ギター、ベース、ドラムって編成のバンドが
フュージョンぽい演奏をしていたからだらだら見てたら、近くのバーガーキングで1杯90円でフロートが飲めるって
チラシをおねいさんが配っていたからまんまとつられる
涼しい店内生き返る~!!!て、ついつい四方山話に時間が過ぎてしまった


それから、昨日長野の友だちが絶賛してた「下町バームクーヘン」に行ってみたv
ちょい迷って、地元の美人さんに道を聞いて着いたら、工場とは言え、ちっさな店先に長机を置いてるだけのカワイイお店。
悩んだ末にスタンダードなバニラと、キャラメルを購入v
ほかにも、オレンジココア、ヨーグルト、蜂蜜、メープル、あずきなどなどたくさん種類があって全部食べたい!
よく見かける売ってるのと違って3cm幅に切ってない、筒状態のままなのね/驚
公園に戻って早速つまみ食いしたら、キャラメルのほうがしっとり甘くて美味しかったあ~♪♪♪



メインに戻ると、なぜか「KAGURA TAP with SARO」というタップダンスのショーをやってた。
若いストリート系の男女7~8人が交互に披露して、この暑さの中滝汗で見せてくれてすごーい!
体動かすの大好きサケ友もずっと「楽しそう~♪」と連呼してたv

レゲエブースの美人女子2人が「これからレゲエバンドあるのでぜひ見てください♪」とゆうので、
時間まで今年初かき氷を食すv カシスソースは血のような色で見た目怖いけど、ビタミンとれそうで◎。

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すみだストリートJAZZフェスティバル@錦糸町 その2

2010-08-21 23:55:54 | アート&イベント
Majestic Band 16:20~
やっぱレゲエはいいなあ!レゲエのリズムなら24時間踊っていられる自信があるv
ステージ前に置かれたパイプイスには思い切り日差しが当たってて死にそうだったから、
裏の日陰から見たら、意外に音が正面と同じように聴こえて、気持ちよく揺れてしまった。
ドラムはいかにもジャマイカン的風貌で、キーボードの方は英語教室もやってるのかな?日本語も上手!
時々「すみだく~」って呼びかけてるのが笑える
♪You've got a friend のレゲエver.や、ボブ・マーリーの♪ONE LOVE など一緒に歌ったv


MACKA RUFFIN
神さまかと思うようなハンパない長いドレッドを震わせて歌うハイテンションなボーカルがインパクト大!
「すみだ~!」が「志村~」に聞こえた(ドリフ?
♪上を向いて歩こう を日本語で歌ってくれたし。
普段、ライブハウスじゃ絶対見かけないおじいちゃん、おばあちゃん、おじさん、おばさん、
外国人も、地元民も、ちっちゃな子どもたちまで、みんな笑顔で踊ってたのがハッピーでじぃーんと感動

両方ともアンコールをやってから、本日のメインステージはこれにて終了。
夕方には満月近い月も出ていて、そばに3つの惑星を探したけど、結局見えなかった。

最後くらいジャズを見ようと、けっこう歩いて「すみだパークスタジオ」にやっと着いたら、
本日満席にてこれ以上入れないとのこと。うぅ・・・残念


ラーメン風び
昭和カフェも見当たらず(昼間は2、3あったけど閉まるの早いし)、
olinas モール内のラーメン屋で「もやしラーメン」を注文v
もやしとネギがてんこ盛り、麺はベビースターラーメン並に細い。とんこつ系スープで○。


閉店までおしゃべりして、今日1日も充実して楽しかった~♪
また、遊ぼうね~!!!
その他の写真は「フォトチャンネル一覧」でどうぞ。
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『猫の事務所』 宮沢賢治

2010-08-21 09:23:43 | 
宮沢賢治の絵本も他館にまだあるようなので予約して借りてみた。
全集より、やっぱり童話は絵本にしたほうが子どもたちが手にしやすいし、
賢治が伝えたかったエッセンスがより豊かに伝わる気がする。
それぞれのイラストレーターの描き方、風合いの違いも重要な楽しみ方のひとつ。


猫の事務所 宮沢賢治/作 黒井健/絵 偕成社

猫の歴史と地理を調べる「猫の第六事務所」には4人の職員がいて、欠員が出るとみなが入りたがる名誉ある役職だ。
その中にかま猫(寒いのが苦手でいつも竈で寝るため、煤で黒い)がいて、優秀だがみなから蔑まれ、意地悪をされている。
ある日、かま猫はひどい風邪をひいて1日休んだ。翌日出勤すると、自分の原簿は別の人が使っていて、
仕事を奪われてしまっただけでなく、みなから無視されて居た堪れなくなって泣いてしまう。
そこに獅子が現れて、そんなことをしてるくらいならやめてしまえと、解散を申し付けるというお話。

これがニンゲン社会なら本当に陰険で大人気ないイジメだけれども、猫のためどこかほのぼのとしてしまうw
お弁当やペンを机から落ちて拾うのも、手が短いためにイスから浮いてしまったりして
動物の姿を借りて、世の中の不条理を描き出す賢治の優しいココロがひしひしと伝わってくる。


虔十公園林 宮沢賢治/作 伊藤亘/絵 偕成社

虔十はいつも樹を見てははあはあと笑ってばかりいたので、近所の子どもにまでバカにされていた。
ある日、突然「杉苗700本買って呉ろ」と親に頼む。これまで一度きりのお願いだからと親は買ってあげる。
虔十は喜んで庭に植え、「そんな土では成長しない」とか「ウチに日陰を作るな」とか言われても、これだけは譲らない。
杉は並木のようになり、子どもたちが夢中で遊ぶ校庭のようになる。
虔十がチフスであっけなく死んで、その後、村には鉄道が走り、開発され、すっかり見違えてしまっても、
残っていた杉林に、外国帰りの博士となった男は「ここはすっかり元の通りだ」と懐かしがる。
今や立派な杉林となったその場所に「虔十公園林」と名付け、いつまでも残すよう碑も建てた。

「全く、全く、この公園林の杉の黒い立派な緑、さわやかな匂い、夏のすずしい陰、
 月光色の芝生が、これから何千人の人たちに、本当のさいわいが何だかを教えるか、数えられませんでした」

素朴な地方訛り、豊かな擬音の使い方は、まさに賢治の童話の最大の魅力。
虔十の見る楽園のような景色に思わずじぃーんと胸が熱くなる。

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はまの屋パーラー@有楽町

2010-08-20 23:55:55 | 町歩き
はまの屋パーラー@新有楽町ビル

長野から親友が遊びに来ていたので、一緒にお茶した。
食べログで調べたこちらは、こないだここらを歩いてた時にも気になってたお店。
たまごサンドを注文したら、パンを焼くかどうか、セットのアイスコーヒーの甘さを聞かれた。
焼くほうを選んだら、よく見るサンドイッチと違って、厚い玉子焼きが入ってる!驚×300
卵何個使ってるんだろうって気になるくらい、けっこうな厚みだから、半分食べて休んでいたら、
すかさぐ「包みましょうか?」と気遣ってくれた。

テイクアウトも出来るとのことで、友だちは帰りの車中での夕食用に包んでもらい、
わたしのも丁寧に包んでくれて「早めにお召し上がりくださいね、卵なので」と言われた。


ドラマ
「うぬぼれ~」はついにキョンキョン登場!こうゆうトレンドは絶対外さないねv
「熱海~」。ん?2人は関係してたのか?声がデカい鑑識課?の刑事は、ツインピークスにもいたな
「モテキ」。リリーさんがハンパなくエロい ついにハマケン来週登場かっ!!!



図書館で借りたCDコーナー。
ツイッターで田島さんのつぶやきを聞いてたら、アルバムを全部聴いてみたくなった♪
オフィのディスコグラフィーを確認しながら、なるべく1stアルバムから順番に聴きたいと思ったが、ないのもある

LOVE! LOVE! & LOVE!

結晶

ELEVEN GRAFFITI
レトロな冷蔵庫に入ってる面白いジャケ。こんなシーンなにかの映画で観たな?
♪サーディンの缶詰め も、梨木香歩さんの『この庭に 黒いミンクの話』をちょっと思い出させた。

ビッグクランチ
「サイコ」っぽいスタート。2枚組のはずが1枚しか入ってなかった。DISC 2 はDVDかなにか???

踊る太陽
スカパラホーンズが参加した♪恋の彗星 ほか、ゲストミュージシャンがたくさん絡んでる。


オリラブの音楽は、洗練された、都会的、熱風のようなラテンのエネルギーを感じる。
田島さんは死ぬほど頑張って詩を書いてるってゆってたけど、わたしはいつもメロディを聴いてしまうんだな/謝
短く区切ったような独特な歌い方は、クセなのかな?

ラブソングが多い(バンド名にもなってるくらいだからねぇ
それも、大人な恋愛。デートは海沿いドライブとか、夜はバーでカクテルみたいなイメージ
狙ってる女性も小柄な日本女性とゆうより、ジャケにあるような濃厚な金髪美人て感じ(実際の好みは真逆だったりして?
とにかく、日本語でロック歌詞を書いてる人はすべからくスゴイと思う(尊敬×5000
英語と違って韻だって踏みづらいと思うし。日本語ってロックのメロディに乗せるのが難しい言語じゃないかって気がするし。
母国語で訴えかけるメッセージはなににも勝る。

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赤いクモ

2010-08-20 13:18:10 | 日記
昨日、母からわたしが熱中症で死んでないかどうか確認の電話がきた
そんなニュースをテレビで見るたびに父が心配してわたしに電話しろ、しろとうるさかったらしい。
「電気代ケチって冷房をつけないでいたら寝たまま死んじゃうぞ!」って、わたしはどんだけ貧しいと思われてるのか???

で、さっき今年第2弾のが到着v 毎回、その日の朝もぎたての箱詰めを送ってくれるから新鮮!
冷やして楽しんで食べようっと♪

ところで、つい2~3日前まで、連続3日間「赤い蜘蛛」の夢を見た。
今でも夢か現実か区別がつかないくらいリアルで、寝ている間に天井から拳大の真っ赤な蜘蛛が
顔寸前まで糸を垂らして降りてきて、目が覚めて飛び起きるともういない
明かりをつけて、カーテン裏とかも見たけど、3度ともいなかったことからすると、やっぱり夢だったのかも。
思わずモバイルで検索したけど、背に赤い斑点のある猛毒のクモは実在するみたいだけど、それとは違うし。
てか、そんなタランチュラみたいのが、こんな町中の家にいたらそれこそ大問題だっ!(恐怖×∞


それと同時上映でよく見るのが、家族の夢。
もうええっちゅうくらいに見る。お盆にお墓参り行かなきゃと思いつつも行けてない良心の呵責から来てるのか?
でも、今に限らず頻繁に見るんだな。それもシチュエーションがいつも似てる。
家族でどこかに旅行に出てるか、これから出る準備をしている夢。
どちらも、なにか深層心理と関係があるのかとても気になる。



図書館で借りたCDコーナー。今回は、ブラサキ・Shujiさんのプロフより検索してみたv

ソニー・スティット・プレイズ+2
サックスの音が前面に出てて、流麗で華やかな音。夜にピッタリv

1947...WHEN JAZZ GOT RHYTHM
ジャケ写はこちら。なんだか大物がたくさん入った盛りだくさんアルバムっぽい。

Verve Jazz Masters 22/Billy Eckstine
突然、ものすごい高音のペットがつんざいて、肉厚な男性ボーカルがイイ声v

Birth of the Cool/Miles Davis
邦題は「クールの誕生」。sax吹きの藤枝さんがよくマイルスのことをつぶやいたりしてるので、
そいえばちゃんと聴いたことなかったなと、改めて借りてみた。
詳しいことは分からないけど、とっつきづらい天才肌系プレーヤーかと思っていたらけっこう聴きやすい。
ライナーノートには、「ジャズ・レコード史上、最重要アルバムのひとつとされている」とある。


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『きけ、わだつみの声 Last Friends』(1995)

2010-08-20 12:39:30 | 映画
『きけ、わだつみの声 Last Friends』(1995)
監督:出目昌伸 音楽:ギル・ゴールドスタイン
出演:織田裕二、風間トオル、的場浩司、緒方直人、仲村トオル、鶴田真由、河原崎建三、もたいまさこ、遠藤憲一、井川比佐志 ほか

「わたつみ(わだつみ)」は海神を意味する日本の古語である。現在「わだつみ」は戦没学生をあらわす普通名詞のように使われる。

trailer

同タイトルの原作は1950年に映画化され、本作はそのリメイクとなる。戦後50年記念作品。
現代のラグビー場から始まり、最後の授業には与謝野晶子の詩「君死にたまふことなかれ」が引用されている。
雨の中執り行われた学徒出陣ほか、実際の映像も所々交えている。

story
ラグビーの試合中、鶴谷勇介は50年前選手だったという3人の若者の幻を見る。
時をトリップして1943年10月21日雨の神宮外苑。今まさに学徒出陣の壮大な壮行会で行進していた。
陸軍少尉に任官された勝村はフィリピン戦線に赴き、負傷した選手仲間の相原と共に野戦病院で足止めとなる。
十字を掲げているにも関わらず病院も攻撃され、歩けない者たちは手榴弾による自爆を強いられる。
一般市民も殺されて食料を奪われ、女性は犯され、洞窟に逃げ込むと、そこには腿が切り取られた死体が転がっている。
「何のための戦いなんだ!誰が始めたんだ!」と叫ぶ勝村。

鶴谷は召集令状を破って逃げたため、家族は非国民として差別される。
町民と憲兵に追い詰められ、「逃げろ」「生きろ」と書いた紙を撒き、「この戦争は負けるんだ」と叫ぶ鶴谷。

航空隊に入隊した芥川は、特攻隊員に志願し、1日だけ休暇をもらい家族に会いに行く。
大声で「さようなら!」と叫ぶ様子を見て、母と妹はもう二度と会えないことを予感する。。



洗脳のごとく軍事教育を刷り込まれていた子どもたちと比べて、彼らは一個人としての考えを持っていたことで
「戦争とは何か」「何のために死ぬのか」ということを手記や手紙として、その心情の発露となって遺されたのだろう。

ある者は一等兵として、ある者は少佐として、ある者は衛生看護婦として、
ある者は赤紙を拒否し逃げることによって、ある者は従軍慰安婦として、
ある者は特攻隊員として、さまざまな形で否応なく狂気に巻き込まれ、
戦って死んでいった若者たち。

この間、町歩きで訪れた「わだつみのこえ記念館」にあった写真の兵士もほぼ20代の若さで戦死していて、
家族に宛てた手紙等の中で葛藤する生の声が綴られていた。


▼DVD特典
フォトギャラリー、劇場予告編


短大の英語ゼミの先生が夏のセミナーで、自分がかつて特攻隊の一員で、
出陣を待つ間に終戦を迎えたため、自分だけ生き残ったことで、
戦友に対して未だに申し訳なさで苦しんでいると同時に、
平和になった世の中に戦争の悲惨さを語り継いでゆく責任を負っているのだと語ってくれたことを思い出す。


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『ジャガーノート』(1974)

2010-08-19 20:06:30 | 映画
『ジャガーノート』Juggernaut(1974)
監督:リチャード・レスター
出演:リチャード・ハリス、オマー・シャリフ、デヴィッド・ヘミングス、アンソニー・ホプキンス、フレディ・ジョーンズ、イアン・ホルム、シャーリー・ナイト、ロイ・キニア ほか

trailer

TSUTAYAで昔のよい映画を再発掘するコーナーが設けられていて、わたしの好きな'70年代パニックや、
サスペンスもけっこう取り上げられていた。田島さんがおススメしてた『コーマ』もあったから、TSUTAYAに行ったのかもv
パニック映画は大体観たと思っていたけど、こんな秀作を見逃していたのね。
いまやベテラン大御所の俳優がみんな若いっ!船が爆発してパニックになるって展開かと思いきや、
主に爆発物処理班の活躍を描いたものだった。
最後に残ったのコード、どっちを切れば爆発しないのか?!って設定は、『ベタ辞典』にも載ってたなw


story
豪華客船ブリタニック号が処女航海に出て数日後、「ジャガーノート」と名乗る男から電話があり、
「ドラム缶に爆薬を詰めて船に設置し、自動でスイッチを入れ、明け方に爆発する。止めたければ50万ポンド用意しろ」と脅す。
オーナーは即刻、お金を用意させるが、「テロに屈してはならない」と政府&軍事から圧力がかかる。
爆発物処理のチャンピオンと自称するファロンは、仲間と共に船に乗り込み、時間と闘いながら、
その仕組みの解明に急ぐが・・・


天候が荒れて、救命ボートでは半数が海に落ちて溺れてしまうっていう設定がミソ。
爆発物処理班が船に移ろうとするのも必死で、飛行機からパラシュートで海に降りるも、
船から垂らしたはしごを登るだけでもハラハラさせられる。

大柄でお茶目な宴会部長がイイ人なんだよねえ!
いつ爆弾が爆発して沈没するか分からない状況で乗客がもうダメだって顔してるのに、
そんな時だからこそと仮装パーティを決行して、ジョークは滑るし、
冷たい視線にさらされながらもパーティを盛り上げようとしてて、
もし絶体絶命な状況で時を待たなきゃならないなら、ああゆう捨て身のユーモアのある人の側にいたいなあ。



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『冷血』(1967)

2010-08-18 14:08:39 | 映画
『冷血』In Cold Blood(1967)
原作:トルーマン・カポーティ 監督・脚本:リチャード・ブルックス 音楽:クインシー・ジョーンズ
出演:ロバート・ブレイク、スコット・ウィルソン、ジョン・フォーサイス、ポール・スチュワート、ジェフ・コーリイ、ジェームズ・フラヴィン、ジェラルド・S・オローリン ほか

trailer

「1959年に実際に発生した殺人事件をもとにカポーティが徹底的に取材して書いたため、
彼は本作を「ノンフィクション・ノベル」と呼んだ。1965年に発表。
本作は、作者にさらなる富と名声をもたらしたが、以後、作者は作品を1つも完成出来なかった。(ウィキ参照

story
仮出所中のペリーは、ディックと落ち合い強盗殺人の計画を立てる。
それはディックが刑務所仲間から聞いた話で、ある豪農の家に1000万ドルを貯めた金庫があるという情報から始まった。
午前2時、2人は鍵もかけない田舎町の一軒家に忍び込むが、金庫はなく、奪ったのはたったの40ドル。
翌朝、様子がおかしいとやって来た友人は、一家がむごたらしく惨殺されているのを発見。
たちまちマスコミが寄ってきて事件を報道。カンザスの住民は恐怖に震える。
一方、2人組は、奪った小切手で詐欺を繰り返しながら逃走。
ディックのムショ仲間の情報から2人が容疑者として手配され、盗難車のナンバーからあっけなく逮捕されるが。。。


2人にずっと密着取材をしている記者がカポーティとかぶる。
彼のセリフに「無差別殺人犯には共通点がある。現実と幻想の区別がつかないこと。
性的または肉体的に障害があったり、幼児期に虐待を受けたり、片親もしくは別の誰かに育てられた経歴であること」

ペリーとディックも貧しい家の出であり、複雑な幼児期を送っている。
「世の中には2種類の法がある。1つは金持ち用、もう1つは貧乏人用だ」

単なるバイオレンス・アクションと違っているのは、犯人の死刑執行まで描かれていること。
「コーナー」と呼ばれる倉庫に絞首刑の場所があり、その近くに死刑囚ばかりが収容されている独房がある。
上訴が続くと時には1~2年も執行が延びるケースがあるという。
緊迫したラストシーンには、同情心とまではいかずとも、何かしら疑問を持たずにはいられなくなる。
無差別殺人も人殺しなら、死刑もまた殺人。
ほんとうの罪滅ぼしとはなにかを考えさせられる1本。


特典として入っていた予告編集の中には、カポーティも出演した『名探偵登場』(ピーター・セラーズも出てるv)や、
ジム・ハットン出演(ティモシー・ハットンのお父さん。似てる!)の『歩け走るな! 』って日本が舞台のラブコメ?w
ケイリー・グラントと一緒に日本でロケしたのかな???


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『アーチボルドのほっぺた』

2010-08-18 13:27:36 | 
『アーチボルドのほっぺた』
ビネッテ・シュレーダー/作 やがわ すみこ/訳 ほるぷ出版

ビネッテ・シュレーダーの絵本は大体チェックしたと思ってたけど、他館にはまだあったようで借りてみたv
この絵も以前、ポストカードかなにかで見たことはあったけど、話を読むのは初めて。
怠け者のアーチボルドは、毎日食べて、寝てを繰り返すだけだったけど、
冒険好きの、好奇心旺盛な右のほっぺたが、ある日コロコロと外に飛び出し、
それを追っかけて、山や、海、空と大冒険をする!
とうとう諦めて帰ろうとすると、ほっぺたは慌ててアーチボルドの元に戻って、
愛犬や愛馬に明日も今日と同じ冒険を楽しませてあげると約束するという結末。

モノクロの線画にちっちゃな赤い丸(ほっぺ)が描かれてて、風船に乗ったり、魚と泳いだりしてて可愛い!
そもそも、ほっぺたが冒険するなんて発想が斬新すぎっ!
カラフルな色づかい&どこか笑いを誘うシュールでオシャレなセンスが大好きv
最後にシュレーダーの若い頃の写真が載ってた/驚 初めて見た気がするけど、キレイな人だなあ。
1939年ドイツ・ハンブルグ生まれってことは、今年71歳かあ。まだ描いているのかしら???



満月の夜の伝説
ミヒャエル・エンデ/作 ビネッテ・シュレーダー/絵 佐藤真理子/訳 岩波書店

恋人に裏切られて失望した青年が山奥に篭って聖者のようになり、彼の周りではヘビとヒヨコも並んで座っていた。
そこにやって来たのは、これまで思いつく限りの悪行を重ねてきた男。
彼もまた隠者の前では心洗われたようになり、毎回来るたびに正しき教えを聞くが理解出来ず悪行を続けていた。
隠者は「満月の夜に来てはならない」ときつく禁じ、理由を聞くと、
満月の夜には自分の前に大天使ガブリエル様が降りてくるからだという。
どこかが変だと思った男は、満月の夜に現れた大天使を矢で射抜くと、そこには狢(むじな=タヌキ)の死体があった。
「どうして騙されていると分かったんだ?」と隠者。
「あなたがゆっていた通り、本当の大天使なら悪党のオレに見えるわけがないからだ」と男。
隠者は自分の思いあがりを恥じ、悪党から教えを請うたという道徳的なお話。

大型の本いっぱいに描かれた絵は油絵のように迫力があって、全身毛むくじゃらの隠者がユーモラス。

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