メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

絵本で読む音楽の歴史『ロックの世紀』

2012-10-26 18:01:01 | 
絵本で読む音楽の歴史『ロックの世紀』(ヤマハミュージックメディア)
アンドレーア・ベルガミーニ/著

ロックの歴史だけでなく、当時の政治、文化を幅広くからめて紹介。
具体的なモデルをリアルなイラストで表している試みも分かりやすい。
音楽はそもそも人々の日常生活に密着しているものだものね。

こうして冷静にロックの歴史を振り返ると、常に大人の作った閉塞した世界に行き詰った若者たちの
反抗、叫び、孤独が反映しているということが分かる。
今もかなり閉塞感があるのに、ロックやパンクが生まれた時みたいな、
世の中をひっくり返すような創造はなかなか生まれてこない。
それは音楽だけじゃなく、産業などのあらゆることにも言える。
今の若い世代は、親世代が作った世界に甘んじておさまっている感じ。
そこから新しくてゾクゾク、ワクワクするものは、あまり見受けられない気がしてならない。

ちなみに著者のベルガミーニさんは哲学史家なんだって。


【本文抜粋メモ】
1950年のアメリカは、「自由で豊かな国」神話が信じられていた。
ビング・クロスビーや、ドリス・デイ、ペリーコモらの柔らかいメロディがレコード市場の9割を占めていた。

行き場を失った背反的な若者たちが、あたかも宗教のように仕事を大切にする傾向など親の価値観を批判しはじめる。
金銭的にも余裕があり、娯楽や現実逃避への欲求に埋没する。
ジェイムス・ディーンを真似て、革ジャン、ブルージーンズを履くファッション。
産業界は金を持った若者をターゲットに欲望を煽って宣伝広告が氾濫した。

『ライ麦畑でつかまえて』
義務に対しては怠慢、競争や成功には、愛情や利害関係を求めない弱者への寛大な心を対置させて抵抗した。

【リズム&ブルース】
1940年代、ダンス音楽だったジャズは洗練された鑑賞目的に変化し、
アフリカ系アメリカ人の間でアフロアメリカ音楽の動きが出る。
T・ボーン・ウォーカー、マディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフなど
白人の伝統的なカントリーミュージックと混ざり、ロックンロールが生まれる。
カントリー&ウエスタン、ビル・ヘイリー、チャック・ベリー、リトル・リチャード

アラン・フリードを代表とするローカルラジオ局のDJらが積極的にロックを流した(ロックンロールという表現を最初に用いた
若者はポータブルラジオやジュークボックスで禁じられた音楽を楽しんだ。
シュラック盤の78回転ビニール(合成樹脂)盤の45回転へ

メジャーズインディーズへ。通信販売が主な経営基盤。
例:チェス・レコード、サン・レコード(ロカビリー)
メジャーズはロックのカバーで対向(パット・ブーン)

エルヴィス:女性的なまなざし+男らしい長いもみあげでバイセクシュアルなアピール/驚
ジェリー・リー・ルイス:ゴスペルとカントリーの影響
リトル・リチャード:説教師のシャウティングの影響
バディ・ホリー

エルヴィスが兵役につき、ファンは失望したが、より幅広いファンを獲得し不動の人気に。
アメリカ当局は反逆的なヒーローに制裁をはじめる。
(チャックは未成年誘惑、フリードは賄賂疑惑、ルイスは14歳の従姉妹との結婚

ボブ・ディラン
1960年初頭、ロックが無害となり、妥協色が濃くないフォークに傾倒してゆく。
成功、金銭という価値観のアメリカ社会を批判した。
→エレキギターを通したフォーク・ロックに変化。

Shelter From The Storm/Bob Dylan


ビートルズ
リバプールの若者は、アメリカとの間を行き来する水夫からアメリカ音楽の情報を手に入れた
米から英はあっても、この逆はあり得ないというジンクスが破られた。
ゲリー&ザ・ペースメーカーズ、キンクス、サーチャーズ、ストーンズ

Please Please Me/The Beatles


デヴィッド・ベイリー(写真家)
スウィンギング(流行の先端をいく)・ロンドンを撮った

メアリー・クアント
ミニスカートなどのファッション改革をしたスタイリスト

第二次世界大戦後、アメリカのように経済成長しなかったイギリスだが
人口が爆発的に増加し、1960年、若い世代の失業という社会問題が起きる。

ローリング・ストーンズ
ミックのパフォーマンスには男っぽい態度+女装趣味が混在/驚

「モッズ族」(モダニストたち)はロッカーズとライバル関係にあった。
ザ・フー:モッズを代表するグループ。

ケネディ大統領就任。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師がアフリカ系アメリカ人の公民権獲得を求め非暴力闘争。
モータウン:史上初のアフリカ系アメリカ人のレコード会社。
ソウル・ミュージック、ファンク:ゴスペル、リズム&ブルースの融合
アレサ・フランクリン、オーティス・レディング、ジェームズ・ブラウン

Call Me/Aretha Franklin

【サイケデリック・ムーヴメント】
ドラッグの使用で自分をより深く知ることを説いた。
カリフォルニアを中心にアシッド・ロック(インプロヴィゼーション)が生まれる。
巨大なレコード業界のシステムや拝金主義を拒絶。
ヒッピー:オルタナティブな暮らしを目指して社会から孤立するインテリ層がサンフランシスコに集まった。
コミューンでの生活、フリーセックス、環境保護、東洋哲学など。
グレイトフル・デッド、ビーチ・ボーイズ

「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」
400時間もスタジオにこもって生まれた、初のコンセプトアルバム。

45回転のシングル盤33回転のアルバムへ。
EMIのヴァリスピード、ダンパー、2つの技術的発明。

ルー・リード
ビートニクス作家の影響。ビート・ジェネレーション(ケルアック、バローズ)
ウォーホルが舞台美術を担当したマルチメディアのステージで演奏。
フランク・ザッパ

Coney Island Baby/Lou Reed

【ウッドストック 1969.8.15-17】
最初予定された地が変更され農場のあるホワイトレイクに移された。
ロックフェスの起源は諸説ある。
トリップ・フェスティヴァル(1966)、ヒューマン・ビーイン(1967)、モンタレー・フェスティヴァル(1967)
ジャニス・ジョップリン、ドアーズ、ジェファーソン・エアプレイン

ヴェトナムへの軍事介入は、アメリカの権益確保にあるのでは、と反戦運動が高まる。
北ヴェトナム兵の犠牲者は60万人、民間人の犠牲者は数知れず、米兵の死者は5万6千人。
ストーンズのライヴ最中にファンの1人が殺される事件が起こる。
州立ケント大学では、警察が学生に発砲する事件が起こる。
マーティン・ルーサー・キング牧師の暗殺。
過激な抗議をしたマルコムX。

ジミ・ヘンドリックス
希望の時代が終わりつつある焦燥感をサウンドで表現した。

レオ・フェンダー
電気だけで音を出すギター、テレキャスター、ストラトキャスターを考案。
エコー、トーン、ディストーション
クリーム

【ハード・ロック、ヘヴィ・メタル】1960-1970
音の調和の原則への挑戦、暴力的で破壊的な行為を特徴とした(レッド・ツェッペリン、ブラック・サバス

デヴィッド・ボウイ:ジギー・スターダストというエイリアンを創造。
クイーン:女性っぽい衣装で登場。

'39/Queen

ロックは大金を生む商業と化したシンガーソングライターがフォーク&カントリーに立ちかえり、
個人の不安や恋愛問題などを語りかけ、社会や政治への言及を放棄した。

1970年の終わりには結婚した5組のうち3組が離婚する事態となる
もはや時代遅れとなった結婚に束縛される必要はないとシングルライフを選択するアメリカ人も増えた。
ジョニ・ミッチェル

ニクソンが「ウォーターゲート事件」で辞任。
ハリウッドでも美形にこだわらない演技派俳優が活躍し、社会問題をテーマとした映画が創られる。
ロバート・デ・ニーロ、ジャック・ニコルソン、メリル・ストリープ、ダスティン・ホフマンほか

ダンスミュージックから鑑賞音楽へ。
ピンク・フロイド
ライト・ショー、ミキサー(あらかじめ録音されたサウンド)が効果的に使われた。
ロック+クラシック、シンセサイザーが多用される。
ジェネシス、エマーソン、レイク&パーマー

コンセプト・アルバムが本当に流行したのは1970年代に入ってから。
プログレッシブ・ロック
カンタベリー派:ロックとジャズの融合をさぐった。ソフト・マシーン。

【パンク→ゴシック】
経済危機により失業の危機にあった若者が家族、国家、宗教、金銭的価値などすべてを否定した。
テクノロジーを駆使したショーの代わりに、基本のバンド編成で手狭なライブハウスで演奏。
レコード会社にとっては制作費を抑えることができ、パンクでひと息つけた
セックス・ピストルズ、パティ・スミス、ラモーンズ
ポリス:パンク+レゲエ

E.M.I./SEX PISTOLS

1973年 第一次オイルショック。
ロナルド・レーガン:保守的な価値と、放任主義(経済競争に一切の規制を設けない)で、
成功欲、金銭欲、自己実現欲などが幅をきかせる時代に。

1980年。ビデオクリップ出現。視覚は聴覚にまさるという知覚の原則。
クイーンが♪ボヘミアン・ラプソディに添える映像をBBCに送ったのが最初?
MTV:ロバート・ピットマンのアイデアで、24時間ビデオクリップばかりを流し続ける最初の放送局となった。
CD:デジタルの記憶媒体に膨大な情報を音声に変えることができ、寿命が長い利点を持つ。
マイケル・ジャクソン「スリラー」、マドンナ

【テクノ・ポップ】
踊れるリズムにのった電子サウンド音楽。(ヤズー、ペットショップ・ボーイズ
キーボード、シンセサイザー、サンプラーの導入により、他人の音楽の一部の無断利用に対する訴訟が多かった。
エレキギターの売り上げが1年間で37%減少、シンセの売り上げが急増した
ドラム・マシーンとシーケンサーがリズムセクションの代わり。
ブライアン・イーノ

ブルース・スプリングスティーン
レコーディングよりもライヴを重んじ、ロックの原点回帰、失業者や社会的弱者などアメリカ社会の問題も歌ったが、
アルコールも(?!)ドラッグもやらず、常軌を逸することはなかった。
U2、R.E.M.

【ライブ・エイド】
1985年。世界の飢餓撲滅のための基金を集める目的で行われ、
マドンナ、ディラン、ストーンズ、スティングなどが演奏。

【ラップ】
サンプリング(他人の音楽の断片を切り取る)にゲットーでの若者の非行、貧困、人種差別の告発などの叫びを表現。
ゲットーでは失業率の高さが非行グループを生み、麻薬の密売が蔓延。
ジャマイカのダブ(レゲエにのせたパター・トーク)をニューヨークに持ち込んだのがきっかけ。
クール・ハーク、グランドマスター・フラッシュ、アフリカ・バンバータ、
シュガーヒル・ギャング♪ラッパーズ・デライトが初のチャート上位に。
プリンス

【グランジ、スラッシュ・メタル】
挫折、極度の不安体験を語る。親もロック世代である新世代は、さらに過激で攻撃的な音楽に流れた。
サブ・ポップ・レコードが大きく貢献。
長髪、破れたジーンズ、コンバット・ブーツなどのグランジ・ファッションを生む。
ニルヴァーナ、パール・ジャム、ビョーク
デヴィッド・バーン、ピーター・ガブリエル:エスニックや世界の伝統音楽をミックス。

Smells Like Teen Spirit/Nirvana



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notes and movies(1992~1993 part1)

2012-10-26 17:28:31 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
スクラップブックから10作ずつのご紹介。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『バイオ・エイリアン 新種誕生』(1987)
監督:ウィリアム・フルエット 出演:スティーヴ・レイノルズバック ほか
まったくどこから買った植物なのか、どこから降って湧いた幼虫なのか、
ちょっと指を切っただけで病院隔離までの大騒ぎになるなんて。
ほとんど『エイリアン』のノリで卵をどんどん産むメスに、急成長する幼虫、
それに感情を持った巨大蟻みたいなモンスター。
データ夫(?)と妊婦との、本編とは全然関係ないくだりが面白い。


『軽蔑』(1963)
監督:ジャン=リュック・ゴダール 出演:ブリジット・バルドーミシェル・ピコリ ほか
ゴダール、ゴダール、全然分からない。
彼がどうしてここまで支持されているのか。
一風変わった手法は分かるけど、手法に凝り過ぎてて、
ストーリーは単純なのに、流れが全然見えてこない。
唯一の見どころは、フランス美人BBの裸体か。
ただ雌犬を追いかける雄犬との話に思える。

愛していないのはなぜ? 怒っているのはなぜ? いつもと違うのはなぜ?
軽蔑するのはなぜ? 態度がおかしいのはなぜ?
なぜってそうなったのは仕方ない。

作品中のラング監督があの摩訶不思議な映画『メトロポリタン』の監督本人だとは驚いた。
「映画と人生に必要不可欠なもの、それは詩だ」
それはうなづけるけど、セリフ一つ一つがいちいち哲学的だと
一体何の話をしてるんだか、さっぱりチンプンカンプン。
フランス人は、映画の中だけじゃなく、日常生活でもいちいちこんな難しい会話をしているのかしら?


『ダイ・ハード2』(1990)
監督:レニー・ハーリン 出演:ブルース・ウィリス ほか
どこが見どころかってすべてが見どころだらけで、2とは思えない、1を上回る面白さ
身一つ、頭脳、体力、悪運強さをフルに使って、またジョン・マクレーンが巻き込まれたのは大事件!
それもまたまたクリスマスイヴだというのに!
「どーして2度もこんな目に遭うんだ?!」て映画を面白くするためなのよ

わたしの好きなウィリアム・アザートンがマスコミ一筋のまぬけな役、
『私は人魚の歌を聞いた』の女優、『ターミネーター2』のロボット役の俳優など。
スタントを使わないブルースのアクションもエスカレート。
活躍もいいけど大怪我しないように気をつけなくちゃ


『ザ・コップ』(1987)
監督:ジェイムズ・B・ハリス 出演:ジェイムズ・ウッズ ほか
妙に頭の切れる24時間男の刑事ホプキンス(ウッズ)の独壇場って感じ。
死体を見るなり、飛びついて犯人探しをシャーロック・ホームズごっこで遊ぶ
ゲームのようにのめりこんでゆくバリバリの刑事。
血みどろの世界をこれほど楽しんでいる奴も珍しいけど、
やけにびしびし言い当てえるところはちょっとお話臭い。

奈保子さん(解説者)いわく、女性の心の中に必ず潜む王子様、
ロマンティックな夢物語と現実のギャップっていう視点から見れば確かに面白い。
淡々としている中で、2つの女性死体がショッキングな分、妙な映像美を感じさせる。
正当防衛を理由に片っ端から言い訳も聞かずに悪党退治をしてゆくホプキンスは、善い者か悪い者か。
話は違うけど、いまだにウッズとピーター・ウェラーの区別ができないで困る。似てるなあこの二人。


『おもひでぽろぽろ』(1991)
監督:高畑勲 声の出演:今井美樹、柳葉敏郎 ほか
誰にも必ずあるなぜかいつまでも忘れずにいる、今までひきずってきている子供時代の自分、
そして必ず誰にも巡ってくる人生の節目と選択の時期。
思いがけず、また従兄弟のトシオのところへ嫁に来ないか、と言われて
改めて自分が今までどう生きてきて、これからどうしたいのかを考えさせられるタエ子は
この作品を観ているすべての観客に課せられる大きな問題だ。

どこか素朴で郷愁誘う映像と、現在と過去が同時に描かれる手法など
リアリティにあふれていて共感としみじみした快い感動がある
トシオの声だけじゃなく、キャラもギバさんそのまんまって感じで、
農業にあえて挑戦しようとしている若い世代の男子が爽やかに温かく描かれていてイイ。


『バットマン』(1989)
監督:ティム・バートン 出演:マイケル・キートン、ジャック・ニコルソン、キム・ベイシンガー ほか
アメリカで人気のあるコミックは日本じゃ全然なじみがないけど、
『スーパーマン』ほか完全無敵の超人ヒーローものとしてはちょっと異色。
ヒーローが暗黒のコウモリで、悪玉は陽気でおどけたジョーカー。
どうして両親を殺された男の子がこうもり男になっちゃったのやら、
思い切り化学薬品を浴びたのに蘇ったジャックが、なぜすっかり芸術や
ロックに目覚めた陽気なジョーカーになっちゃうのか?なんて悩んでいてはいけない。

本当にコミックの世界に入り込んでしまった気分にさせるセットや小物、
それになんといっても見どころは、ニコルソンの“そこまでやるか”のなりきりぶり。
渋いギャングの頭からすっかりイメチェンして、けっこうインテリでかなり派手好き
どこかセクシーでとっても危ない暗黒外の帝王に。作品全体をのっとった演じ様。

コミカルで細かい芸の中にシュールな感覚いっぱいの映像で
超人というより人間味あるヒーローの設定も面白い。
さて、ニコルソンはいないけど新作『バットマンリターンズ』は
観客をガッカリさせない出来栄えに仕上がったのかしら?


『3-4×10月』(1990)
監督:北野武 出演:小野昌彦、石田ゆり子、ビートたけし ほか
出演名(俳優)としてビートたけし、監督名として北野武を使っているところに思わずニヤリとしてしまう。
ロマンスどころか感情表現が全くない演出で淡々と描かれてゆく。
夢を売る映画ではなく、現実ってのはこんな汚いものなんだってゆうシビアさを経験上から描いている感じ。

特に、女性は単に性と暴力の対象、ついてくるだけの存在に描かれているのは憎らしい。
ま、たけしさんにとって女は振るい払っても、なおまとわりついてくる存在には違いないだろうけど。
この作品中で妙にイイのが、渡嘉敷勝男さんの演技。
ボクシング界の裏もきっと似たようなものなんだろうってゆう経験?がいきてる。


『カンザス』(1988)
監督:デヴィッド・スティーヴンス 出演:マット・ディロン、アンドリュー・マッカーシー ほか
2人ともカンザスの大自然の中で思い切りのびのびしちゃってる。
かなり難しいシチュエーションなのに、寝泊り付きの働き口が
あんなに簡単に見つかるのは2人ともイケメンだから?!
それを演じる2人の人気若手俳優も対照的なキャラで面白いし、
撮った監督がアメリカ人じゃなくオーストラリア人なのも面白い。


『ベイビー・トーク』(1989)
監督:エイミー・ヘッカリング 出演:ジョン・トラヴォルタ ほか
最高に笑える。
純粋無垢でアブアブ喋りの赤ん坊が、まさかこんな事を考えたり、
喋っているとしたら・・・と考えるだけで面白い。
別撮りの表情と動きが合っているだけになおニクイ。
でも、肝心のウィルスの声は吹きかえられて残念(せめて『ブルームーン』の声優ならよかった

バリバリのキャリアウーマンが一転してバリバリの母親となって、
理想の父親像を求めていく過程。
トラヴォルタが一応得意のセクシーダンスも混ぜながら、
子どもめちゃ好きなタクシーの運ちゃんを爽やかに演じている。
ビックリしたのはジャニスの♪CRY なんかかかった時
やっぱりアメリカには今でもジャニスの魂が受け継がれているのねぇ・・・


『幕末純情伝』(1991)
監督:薬師寺光幸 出演:渡辺謙、牧瀬里穂 ほか
「時代劇」という日本独特のドラマを、よくぞここまでポップにしてくれたっていう
軽く楽しめる幕末、新撰組ストーリー。
侍言葉に現代語、土佐弁までまじえて、BGMにはロックまで流してしまう。
技術的にも演出的にも新しい息吹きが「時代劇」と「邦画」に吹いてきた予感を感じさせる。

三角関係のはちゃめちゃぶりに、今の世にはなかなかお目にかかれない真剣な純愛を
物語ったりして、単に歴史を追って再現するだけじゃ面白くないもんね。

また、出演者の顔ぶれがスゴイ。ドラマ等で活躍する顔が後から後から
ちょい役でもイイ役でも変態?!もあり。
アイドルの一人だと思っていた牧瀬も若いながら、名優に囲まれてなかなかイイ剣士ぶり。
人をよく斬る分だけ、自らが血を吐き、一途に土方に想いをぶつける総司を爽やかに演じている。
渡辺謙も貴重な俳優。これからももっと活躍してほしい。
杉本哲太もイイ俳優だね。「血の臭いのする女は嫌いじゃ」てセリフ、いい。
日本映画もこうゆうのなら観てもいい。第2のニューウェイブがまだ起こるかな?

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notes and movies(1992~1993 part2)

2012-10-26 17:28:30 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『息子』(1991)
監督:山田洋次 出演:三國連太郎、永瀬正敏、和久井映見、原田美枝子 ほか
人間としての幸せとは、単に健康管理された生活より、
もっと心の底から生まれるものだという気がする。
今じゃ到底実現しない家族の姿なんだろうか。
それぞれ若手と熟練がイイ味出している。
どうでもいいけど、哲夫が着ていたTシャツはボランだったよ


『アマゾネス・プリズン』(1991)
監督:レアンドロ・ルケッティ 出演:ピラー・オリーヴ ほか
紹介文の「アマゾネス軍団として立ち上がる」というか、
単にヒロインのイケイケ姉ちゃんと一夜で知り合ったパイロットが脱獄させてやっただけのことだけど。
かなり訳の分からんストーリーはともかく、お色気を楽しもうってゆうB級映画。
ヒロイン2人のほかはすっかりエキストラ扱いでロクなセリフもないのが妙。


『WHO'S THAT GIRL』(1987)
監督:ジェイムズ・フォーリー 出演:マドンナ ほか
マドンナがメチャクチャ若い こんな頃もあったのかあって感心するほど初々しくて、
フシギなほど髪をホワイトブロンドに染めていて、それが白い肌と真っ赤な口紅、
ブルーがかったキレイなグレーの瞳を際立たせている。
どこかでマドンナはマリリンを意識してるって読んだけど、
ちょっと足りないセクシーガールの役どころばかり出演しているあたり、
リヴァイヴァルの意識が覗いて、トラブルメイカーな女の子をなかなか好演している。

相手役のグリフィン・ダンがとても平均的なアメリカン風貌なのがミソ。
僕もいつかきっとマドンナみたいなコと仲良くできるってゆう夢が持てる作品
ニッキーが4年も服役しなきゃならなかったいきさつを、
ベティちゃんのようなキュートなアニメになっているところが面白い。
でも、女囚ものと違って、ニッキーには獄中生活も例のあっけらかんなノリで
お茶の子さいさいだったのかしら?


『愛と死の間で』(1991)
監督・主演:ケネス・ブラナー 出演:エマ・トンプソン、アンディ・ガルシア ほか
本当に年々スゴイ作品が次々と飛び出してきて、映画ファンには堪えられない喜びだが、
今作品も突如現れた天才監督兼俳優が、現代と過去を結ぶ壮絶なリインカネーションものを創り上げた
その若いエネルギーが1シーンごとに終わりまで貫き、
テンポが早いが緻密なストーリー展開によってすさまじい愛憎世界を描き上げている。
主演のケネスとエマは実際夫婦とあって、本当に息の合った深みのある演技を楽しめる。
でも、こんなに早々と輪廻したら、まったくとんだ騒ぎよね。
ここまで当事者たちがいっせいに会する輪廻も珍しい。


『ハリウッドの悪夢』(1989、1991)
【第1話】監督:ウォルター・ヒル
こんな職業じゃ友だちはいないだろうね。

【第2話】監督:ロバート・ゼメキス
自分に子どもができたら絶対に見せたくない話。
アメリカじゃイヴの夜は最も危険なのかも?

【第3話】監督:リチャード・ドナー
もしも8つもの命を授かったなら、
金儲けよりもっと人の役に立つことに使えばよかったのに。
1つだけだから大切にするんだってことよね。

【第4話】監督:スティーヴン・E・スーザ
さあ、待望のカイル・マクラクランが登場。

どの話も人を陥れようとしたり、悪事からまんまと逃げようとしても
そううまくはいかないよ、という警告のホラーばかり。


『THE AMBULANCE』(1990)
監督:ラリー・コーエン 出演:エリック・ロバーツ ほか
なかなか一風変わった作品。
絶対的な信頼をおいて、普通なら人命を救うため病院へ直行するのが当然の救急車が悪事に利用されたら・・・?
想像だにしないだけに本当に薄気味悪い。
でもマッドドクターの存在がいまいち不明だった。
人物それぞれ特有のキャラなのがまた面白い。
なにか示唆するテーマじゃなく、見知らぬ女をナンパするとこうなるってまとめているのもなんともフシギ。


『バットマン・リターンズ』(1992)
監督:ティム・バートン 出演:マイケル・キートン、ダニー・デヴィット、ミシェル・ファイファー、クリストファー・ウォーケン ほか
やっぱり土台のコミックが日本に馴染みがないから、特別な思い入れは感じないんだけど、
前作もなかなかだったし、今回はいろんなキャラが出ていて、その虚構っぷりが楽しい。
デヴィットの怪人ぶりもいいけど、ヴィッキーと何らかの理由で別れて
ブルースとセリーナが運命的な出会いをする、束の間のロマンスが主流といってもいいだろう。

コケティッシュなキャットウーマンのキャラはイイ。
キートンの相変わらず渋くてクールなヒーローぶりもイイけど、33年後でしょ?
歳をとっていないのはコウモリ人間だから?
それに、忘れてならないのはウォーケンの妖しげな実業家ぶり。
メイクでなんだか逆に魔力を得て、ずっと若く見えた。
あと気に入ったのはペンギン男の愛車のダック。
割と可愛い趣味してるじゃん。いっぺん乗ってみたい。
それに彼の部下の一人のサル。メモを渡してくれたり、なにかと便利でキュート。


『TWIN PEAKS FIRE WARK WITH ME ローラ・パーマー最期の7日間』(1992)(劇場にて

 

監督:デビット・リンチ 出演:カイル・マクラクラン、シェリル・リー、デビッド・ボウイ、キーファー・サザランド ほか
世界を話題の渦に巻き込んだ『ツイン・ピークス』はここに完結した。
いや、終わらせざるを得なかったと言えよう。
噂が噂を呼び、リンチならではの全く新しいスタイルのサスペンスストーリーは人気爆発し、
継続していくにつれて、かなり製作スタッフにトラブルやプレッシャーが起こったと聞く。

次第にローラ事件から離れ、別の話に移っていったTV版とは別に
今作ではスタート地点に戻って、ローラ・パーマーがどうして殺されたのか
殺人当夜の数日前に遡って、実体が語られてゆく。
それにしてもパーマー家の異常さときたら、理解できない。
いつからこうなのか、ローラは次第に歯止めのきかない悪の世界に墜ちてゆく。
(しかし、彼女のような女の子は必ずどこかにいるはず
ここでもボブの正体は分からずじまい。そしてブラック・ロッジとは一体

ボウイが1シーン出演しているが、ジェレミーが誰なのかも分からない。
シェリルの演技がやはり一番の見どころ。
TVでは見れなかった彼女の動いている姿が本当に美しい。
カイルは今作では象徴的な預言者でしかない。
やはり叶わぬ夢ながら、いつまでもこの迷宮の中で迷い続け、幻想を見続けていたかった。


『BUGSY MALONE ダウンタウン物語』(1976)



監督:アラン・パーカー 出演:ジョディ・フォスター ほか
バグジーは最近話題になった、あのラスベガスを作ったっていう人のことかしら?
禁酒法時代のギャング映画はいくつもあるけど、こんなに楽しい作品は初めて。
隠れた名作とはこのこと!

♪人の運なんて様々 それは自分次第 与えた愛はきっと返ってくるものなんだ

完璧大人向けの娯楽映画なのに、子どもたちにとってもためになるお話になっている。
なんといっても出演者全員が少年少女って
ギャングから踊り子、しがないタップダンサー志望の使用人、
床屋、洗濯屋、浮浪者、ゴロツキにいたるまでみんな子ども。
だから普通のセリフもいっちいち粋に聞こえてしまう。
ファット・サムが「分からないなら字幕を読めよ」なんてギャグを飛ばしたりして、
みんなそれっぽく言っているから思わずニヤけるシーンがいっぱい。

中でもジョディは、まったく天性の魅力かつ完璧な演技で、色っぽくバグジーに言い寄るところも
子どもとは思えない色気がある
セットから俳優まで本物をミニチュア化したような面白さ。
ステージダンサーたちの踊りっぷりも見事!
この出演陣の中にこのまま俳優になって成功した人は少ないかも。


『ダンス・ウィズ・ウルヴス』(1990)
監督・出演:ケヴィン・コスナー 出演:メアリー・マクドネル ほか
コスナーが監督・主演とあって、その時は「誰かの真似か?」と思っていたけど、
今のハリウッドで息絶えた西部劇にも通じる、果てしなく広がる大地を舞台にした
インディアンと軍人の出会いと交流、その上、愛と人間性を説いた限りなく素朴な作品。
単なる二枚目スターから脱し、年齢に伴った渋みが作品全体に感じられる。

タ・タンカ?の群れと狩りのシーンもイイけど、
野生のオオカミとのやりとりも、何度盗まれてもちゃんと戻ってくる忠実な馬
同じ大地に住む生き物同士「共存している」と実感できるシーンが胸に迫る。
そもそも人が追求し続け、今もなお発展させようと躍起になって探している理想の地とは
一体どんな形をなしているのだろうか?

便利な道具類(人命をたやすく奪うものも含めて)、文化教養、
言葉でのコミュニケーション等のキーワードは多い。
インディアンらの生活習慣の違い、ものの見方、考え方の違い、
それらの相違を補う笑顔と優しい良心が伝わってくる。
こうした白人勢力との絶えない血の争い、多くの犠牲の上に今日の私たちの
「文化的生活」が成り立っているとしたら・・・と考えると空しくなってくる。

劇場で観たらもっと広大な自然が目の前に広がって、よりリアルに観れただろうに。
一瞬、都市での生活を忘れさせてくれる作品。
まさか本当に動物たちが死んだのではないことは分かっているけれども、
やっぱりラストにことわりを読んでホッとした。

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『NOWHERE BOY』(2009)

2012-10-25 19:16:05 | 映画
『NOWHERE BOY』(2009)
監督:サム・テイラー=ウッド
出演:アーロン・ジョンソン、アンヌ=マリー・ダフ、クリスティン・スコット・トーマス ほか

trailer

ジョン・レノン生誕70年記念作品
女性の監督だからこそ2人の女性の心の機微が伝わり、
繊細なストーリーと、郷愁すら感じさせる映像に仕上がっている。
ちなみに、監督はのちに主演のアーロンと婚約しているとのこと。
特典には、「ヨーコも彼の演技に満足した」とある。
当時のリバプールが魅力的に撮られていて、徹底した現地ロケのおかげ。

▼story
叔父・叔母ミミの家で育ったジョン。ユーモアのあった大好きな叔父ジョージが急逝。
葬儀に来ていた実母ジュリアの家がすぐ近所にあったことを知った親友はジョンを連れてゆく。
明るく奔放な母に戸惑いながらも、その魅力に引きこまれてゆく。
彼女にはボビーという夫と、2人の娘がいた。

ジュリアの影響でエルヴィスにハマり、ロックンロールにのめりこむ。
母からバンジョーを習い、叔母に7ポンドでギターを買ってもらう。

I put a spell on you/Screamin Jay Hawkins

バンド「クオリーメン」を結成、ポールと会い、ギターを教えてもらう。

That'll Be The Day/Buddy Holly
(バディ・ホリーは、ジョンの影響でわたしも1枚ベストを持っている

ポールの母親もまた幼い頃に乳がんで亡くなっている。
ライブハウスで彼らの演奏を見て、ジョージも入る。

ジョンの17歳の誕生日パーティで、母から父のことを聞いたが答えてもらえず。
ミミに聞くと、父アルフは船員で、やり直そうと粘ったがジュリアが拒んだため、
当時5歳だったジョンに「どっちと暮らしたい?」と迫り、「パパ」と答えたという。
そのままではニュージーランドに連れていかれると思ったミミは、咄嗟にジョンを奪った。。



これまでジョンを1人の人間として描いた映画がなかったのが意外/驚
ジュリアとミミは全然違うタイプの姉妹だったんだな。
ジョンの心根の優しさを想うと胸が張り裂けそうになる。

歌声は吹き替えか?イギリス訛りも心地よい。
イギリス人特有のってのもあるけど、ジョンが皮肉屋なのは、
自分を守るための笑いって気がする。

最愛の人との別れを何度も経験して、自らも40歳で逝ってしまった。
これだけ波乱万丈な人生もまたとないだろう。


【特典の抜粋メモ】
「私はジョン・レノンの音楽のファンで、ビートルズの曲に親しんで育ったの。
 もちろん曲も全部知っている。でも私が作っている映画は、
 大人になろうとしている青年の物語で、彼はまさに通過地点にあって、感情の揺れる旅の途中。
 これは成長物語だということを決して忘れたくなかった」(サム・テイラー=ウッド)

「ビートルズのおかげで、リバプールは今や世界中の人々の巡礼地となった。
 だからこそ、その場所に出向きこの映画を撮影することが重要だったのだ」


Julia/John Lennon
(ocian child はヨーコのことだけどね


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フィギュアGPシリーズ開幕戦 日本男子が表彰台独占

2012-10-25 19:00:11 | フィギュアスケート
アメリカ大会

今年も上位独占が期待される日本選手含めて、新しいプログラムが一体どんなか気になるv
なぜか女子フリーから

【男子】
小塚、羽生、町田の3人が表彰台を独占/祝
羽生くんは95.07、ショートの世界歴代最高得点て、この映像は見せてはもらえないのかい・・・?
動画で見たらば、羽生くんのショートは、まるで昨シーズンの高橋を彷彿とさせるようなブルースナンバー。
ショートでは完璧に決まった4回転が、フリーでは2回とも転倒して、悔しい表情が残った。


【女子フリー】
▼レイチェル・フラット(アメリカ)
ステンドグラスみたいな衣装。昨シーズンと同じ「火の鳥」人気ある題材だね。
ステップシークエンスにスパイラルを入れるルールが追加?後半のステップは盛り上がった。
今回はアメリカ大会のみの出場?寂

▼アリーナ・レオノワ(ロシア)
目の覚めるような情熱の赤い衣装。♪海の詩人 3×3は両足着氷。手を着く場面もあり。
落ち着いた出だしからフラメンコギターでのステップシークエンス。
ジャンプの調子はいまいち。浮かない表情でのラスト。さすがのモロゾフコーチも彼女にはたじたじな感じ

今井遥
水色の清楚な衣装。♪ディヴェルティメント クラシックの音色に合わせてスピードに乗ってる。
ちょっとジャンプのバランスを崩してる。3つのコンビネーションはOK。スピンきれい。ほんと可愛いなあ
みんな疲労骨折って、ティーネイジャーにムリさせるスポーツだね

▼バレンティーナ・マルケイ(イタリア)
また濃い~選手が出てきたな。ハリウッド女優みたい。始終ビックリ顔なんだw
スケートがよく乗ってる。とにかく表情豊か。大柄な肢体を生かした演技。彼女も佐藤コーチ

▼マエ・ベレニス・メイテ(フランス)
エジプトの衣装で強烈な印象。「ルーヴルの怪人」1度転倒。
変わった振り付けも面白くて丁寧にこなしてる。スピンがちょっと流れた。

▼クリスティーナ・ガオ(アメリカ)
昨シーズンと同じ♪リベル・タンゴ 日本人でこうゆう顔した選手いなかったっけ?
棒のような細い体で正確なジャンプなどバランスのとれた堂々とした演技。
ショートに続きノーミスの出来栄えで笑顔でのステップ。ちょっとスピードが落ちたか?

▼アデリナ・ソトニコワ(ロシア)
どんどこ若い勢力が台頭してくる!「バーレスク」16歳でセクシーな題材選んだねえ
3×3を鮮やかに決めた。ブルーズィなジャズにのせて技術力も表現力もたしかな注目株。
1回転倒。アップテンポなステップ。体にバネが入っている感じ。唐突でカッコいいエンディング。

▼アシュリー・ワグナー(アメリカ)
21歳ですでにベテランの貫禄。鮮やかなオレンジ色の衣装。「サムソンとデリラ」
3連続でスタート。すごい集中力で次々ジャンプを成功。腕の筋肉とかすごい鍛えられた肉体
目力もききまくり。迫力あるオーケストラに合わせて、貫禄を見せつけた。


1位アシュリー初優勝、2位ガオ、3位ソトニコワ。
ショートプログラムも早く見てみたい。
次は、10月27日(土)カナダ大会。

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クリニック

2012-10-25 18:24:05 | 日記
3週間に1度のクリニックも行くのが面倒だ。
眩暈と吐き気が続く件をゆったら、またメイラックスの再開となった。
メイラックスは効き目が早く、持続性があるので、1日1錠。朝飲めば夕方まで効くから続けて飲まないこと。

わたしが言うことを逐一直され、認知療法にしてもどう自分の考え方を変えたらいいのかも分からないまま。

「まったく健康な人はいない」
それは分かってる。自分をコントロール出来ないから辛いんだ。

「治療とは言え、治すのは自分」
それも分かってる。でも、方法が分からない。
なんだか、勉強ができないと困っているのに、「バカ、もっと勉強しろ!」て言われてる子どもの気分。

先が見えないのと、意思疎通がままならない上、誤解されることばかりで、また号泣。
泣くまでガマンする。泣いてすまそうとする。
子どもの時から全然変わってないな、我ながら。

赤い眼のまま薬局に行っても情けない気持ちが治まらず、
いつも優しい薬剤師さんが「もっと食べてほしいなあ。今なら鍋とか美味しいですよ」って。
優しい気遣いにも泣きそうになって、早々と出てきてしまった。


こうしてブログに毎日のように色々と心中を書きなぐったところで、
1人の人間について、たった1人の他人にすら正しく伝えることはできないんだな。
その焦燥感と渇望が、またさらに書きなぐる欲求につながっているだけだ。
そこでまた「周囲と同調できたらどんなにラクか」というジレンマにぶち当たって
堂々巡りにハマるパターンの繰り返しから抜け出せずにいる。



その他のトピックス。

ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー
この上位の4人にして、ジョンの5位は素晴らしいなあ!

心理療法のあれこれ(ウィキで発見

▼オルゴール博物館が来年5月で閉館/驚
経営が難しいのかな?とっても残念。


「lyrics」もアップしました。




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イメージの森のなかへ『ブリューゲルの宴』

2012-10-25 18:24:04 | 
イメージの森のなかへ『ブリューゲルの宴』(二玄社)
利倉隆/構成・文

この美術本の特徴は、ある絵をいろんな角度から見せて、
1枚の絵でもさまざまな見方が出来て、楽しみ方が無限にあることを教えてくれている点だ。
細かく描かれたブリューゲルの絵も、ある部分を抜粋したり、拡大したり、
構図を説明することで、画家の隠れた工夫や意図も分かってくる。

「怠け者の天国」
これもとってもユニーク。
ブライってゆうプディングの一種がいろんなところにさり気なく描きこまれてるんだねw

「悪女フリート」
「強く恐ろしい妻には地獄も降参する」という諺があった。
こんな地獄絵のような世界にも、よーく見るとプッて笑ってしまうようなキャラがいたり。

「ネーデルラントの諺」
人間のすることがどれだけ愚かでも、絶望的であっても、
生きなければならないし、生きる価値がある。

諷刺画のその他の画家として、わたしも好きなボス、ゴヤ、ドーミエが挙げられていた。


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notes and movies(1991~ part1)

2012-10-24 13:05:58 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
スクラップブックから10作ずつのご紹介。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ナッツ』(1987)
監督:マーチン・リット 出演:バーブラ・ストライサンド、リチャード・ドレイファス ほか
いわゆる裁判ものでも、これは裁判を受けることが可能かどうかを判決するまでの話。
一時もジッとしていないで、怒りや暴言、暴力的行為で精神不安定、
なんらかの精神異常と診断された女。
愛しすぎること、一人の人間の権利、そして1つの真実。
裁判劇を通して本質的な事柄を訴えてくる。
バーブラの不思議な魅力とドレイファスとの味のあるやりとりがイイ。


『THE BEAR』(1988)
監督:ジャン=ジャック・アノー 出演:チェキー・カリョ ほか
最後に現れる“動物には一切危害を加えていない”というテロップ通りだとしたら、
一体どうやってこれだけのストーリー性をもてたのかまったく驚き。
また子熊が夢を見るシーンなどは新鮮で、斬新なアイデアだし、
一貫して動物の暮らしぶりにスポットを当てているのはイイ。


『PICNIC AT HANGING ROCK』(1975)



監督:ピーター・ウィアー 出演:レイチェル・ロバーツ ほか
やはり事実を正直に追っているだけに、ストーリー的には弱いけれど
オーストラリアの田舎の古き禁欲的で神秘的だった時代にありがちな神隠し的行方不明事件。
予知能力を持つ少女が本当の天使のようで、その魅力にとりつかれる青年貴族の気持ちも分かる。
結局ハッキリした理由は明らかではないが、どこかしら別次元の世界との
接点がありそうなSFっぽい雰囲気があった。


『コックと泥棒、その妻と愛人』
監督:ピーター・グリーナウェイ 出演:リシャール・ボーランジェ ほか
いやあ、キョーレツとしか言いようがない作品。ここまでグルメをつきつめた映画も珍しいよね。
時間は夜、場所はレストラン、場面は夕食時、出演者はタイトル通り。
特別な意味はないように思えるが、とにかく映像が凝っている!


『溝の中の月』(1982)
監督:ジャン=ジャック・ベネックス 出演:ジェラール・ドパルデュー、ナスターシャ・キンスキー ほか
確かに掴みどころのない作品だけれども、一貫して妖艶な青白い月のしたで展開させているところがとてもイイ。
ドパルデューは、淀川さんが「鼻が曲がってユニークな顔をしている役者」と言ってた人。
キンスキーは好んでこういった難解で幻想的な作品に出る。当時21歳。
大輪の花がまだ咲き始めたばかりの不思議な輝きがあった。


『トップガン』(1986)
監督:トニー・スコット 出演:トム・クルーズ、ケリー・マクギリス ほか
アメリカ映画らしく単純というか、分かりやすくていいんだけれども、
アクション映画もトム(彼の人気が一体どこから来ているのかサッパリ理解出来ない)も
あまり好きじゃないせいか、ずっと退屈してしまった。
ただ『目撃者』の時の堅めなイメージから少し発展したケリーの美しさはいつでも変わらない。


『FEVIATHAN』(1989)
監督:ジョージ・P・コスマトス 出演:ピーター・ウェラー、アマンダ・ペイズ ほか
海底密室ものは必ず当たるといわれているようだけど、限られたスペースと、限られた空気で、
必ず裏切り者がいて、汚いモンスターと一緒に閉じ込められてパニックとなる。
この作品の中に出てくるモンスターは、人の生き血を吸い取る映画ならではの生物でちょっと信じ難い。
地質学者に扮するウェラーがイイ。その彼女がモンスターに対するシーンは『エイリアン』のリプリーそのまんま。


『THE MORNING AFTER』(1986)
監督:シドニー・ルメット 出演:ジェーン・フォンダ、ジェフ・ブリッジス ほか
フォンダが売れない女優役でなんとも人生においてアンラッキーな女を演じる。
「僕も3つ数えると君を消せる魔法が使えるんだ。1つ君に会えてよかった。
 2つどうもありがとう。3つ元気で」「・・・効かなかったわ」
「いつも失敗するんだ」「じゃあ二度とかけないで。わたしにはあなたが必要なの」


『L'INNOCENTE』(1975)
監督:ルキノ・ヴィスコンティ 出演:ジャンカルロ・ジャンニーニ ほか
監督の熟練さがひしひしと伝わってきて、ひとつひとつコマを止めるたびに
写実画のような美しい画像が浮かび上がる。
主人公である男優の美しさとそのエゴからくる多弁さ、
ラウラ・アントネッリの神経質な表情と対照的な肉体美に気をとられすぎてストーリーがハッキリと伝ってこない。
謎の部分がたくさん残りはしたけれども、自分の妻を愛することが敗北だろうか?


『美しすぎて』(1989)
監督:ベルトラン・ブリエ 出演:ジェラール・ドパルデュー、ジョジアーヌ・バラスコ、キャロル・ブーケ ほか
ドパルデューもなかなかだけれど、この作品はバラスコのお陰でなりたっているのではなかろうか。
「美人というわけじゃないが、とても感じがいいんだ」
ブスでも心の美しさは負けないとしっかりしている愛人と、
美人だが傲慢にはなりきれず、ひたすら夫を愛し続ける妻は対照的。
最初は予告を観ているのかと思ったくらい展開の仕方、セリフ、
構成に独特なものがあり、不思議な、それでいて自然な空気を作っている。

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notes and movies(1991~ part2)

2012-10-24 13:05:57 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ロジャー・ラビット』(1988)
監督:ロバート・ゼメキス 出演:ボブ・ホスキンス、クリストファー・ロイド ほか
始まりから終わりまでポカーンと開いた口がふさがらないほど驚きっ通し
どうしてここまでアニメと現実とが共存できるのか映画の世界だといっても信じられない!
何にも増して信じ難いのは、それまで可笑しいほどハードに演じてきたホスキンスが
突然ハメを外してコメディアン(アニメ版)に変身するところ。
ここまでやるかっていうドタバタの極地まで披露してくれる。
一貫して悪役をやってるロイドも脇役に徹しててイイし、
外国のアニメは動のイメージが強いため、一瞬も息が抜けずに笑っちゃう。


『ボーイ・ミーツ・ガール』(1983)
監督:レオス・カラックス 出演:ドニ・ラヴァン ほか
どこかの雑誌で「男女が出会って、恋におち、別れるのはハリウッドの定番だが、
それを皮肉って単純に映画化しちゃった」と紹介してたけど、なかなか奥の深い凝った作品。
ラブストーリーというより若いがための倒錯、屈折、孤独なんかを描いた作品。


『シンデレラ・ボーイ』(1985)
監督:コリー・ユエン 出演:カート・マッキニー、ジャン=クロード・ヴァン・ダム ほか
出演者もなじみの薄い新人ばかりみたいだし、途中あちこちアレ変だな?と思うようなストーリーだけど、
まあ楽しい作品なので許せる。
スタッフが相当ブルース・リーやカンフー映画が好きなんだなっていうのがシーンごとに伝わってくる。
俳優もアメリカ人ながらなかなかカンフー姿が板についてて、
主人公の青年もふつーだけど、けっこう正統派っぽいハンサムなので、いろいろとそんな面でも気軽に楽しめる。
リーの亡霊役の俳優はちょっと似てなかったけど、明暗で少し誤魔化してある。


『カスパー・ハウザーの謎』(1975)
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク 出演:ブルーノ・S ほか
これは少し評価するのが難しい。ただフシギに私は無常感がなかった。
少なくともこの主人公は、物や動物以外に対して情を持つことはなかったからだ。

「生きることは、わたしの人生の中でたいしたことじゃない」

私たちもただ生きているにすぎないのに、
いつの間にやらその無意味さを感じることを忘れて、
すっかり慣れてしまったのに違いない。
彼のはじまりしかない物語。

全体が薄い青の色調で続いているところがイイ。
カスパー役の素人俳優は元精神異常者で、その後施設を転々としていたのを監督が抜擢し、
出演させたらしい。こんなピュアな人間が他にいただろうか!?
誰かが彼に愛することを教えていたら、少しは現実社会に執着を持ってくれただろうか?
こんな一癖も、二癖もある作品が大好きだ。


『ザ・フライ2』(1989)
監督:クリス・ウェイラス 出演:エリック・ストルツ ほか
とにかくグチャグチャしてて汚い。
『メンフィス・ベル』は特別観たいとは思わないけど、ストルツ(変な名前)はちょっと可愛い顔をしている。
蛹になって、とうとう訳の分かんないモンスターに変身するが、
マーティだけ元通りになるのは話がウマすぎる。
初作のジェフはビデオの中で出てくるだけ。
初監督作品にしちゃ持ち前のメイクアップ技術はすごくリアルなものがあるけど、
2を作る必要性はあまりなかった感じ。


『ジョニー・ハンサム』(1989)
監督:ウォルター・ヒル 出演:ミッキー・ローク、エレン・バーキン ほか
題材も面白いが、この役にこの人っていう味のある役者が勢ぞろいなのが嬉しい。
決まっておいしい役につくローク、いかにも性悪女っぽいけど逆らえない魅力を持つバーキン。
ますます演技に磨きがかかって、いつも目の離せない個性のある顔立ちのエリザベス・マクガバン、
ワル役がそろそろ板についてきたランス・ヘンリクセン。


『メロ』(1986)
監督:アラン・レネ 出演:サビーヌ・アゼマ ほか
フランス映画風に云えば、人生とは人を愛することを意味しているのかもしれない。
愛する喜びと悲しみ、すべての感情と行動が、人を生かし、死に至らしめるのだろうか。

夫と妻、夫の親友。登場人物は主として3人のみ。
シンプルな構成の中にじわじわと果てしなく広がる深い背景が浮かび上がり、
感動が心に染み渡ってゆく静かな幕切れ。
いかにもと思わせる話と、フランス映画の俳優の典型のような3人の中でも
デュソリエは完璧な二枚目。女泣かせっぽいのに実は恋多き孤独な男という役柄がイイ。
真実を語ることは時として大きな不幸をもたらすのかもしれない。
それでもなお永遠に続く男女の愛と男の友情の物語り。


『マスク』(1985)
監督:ピーター・ボクダノビッチ 出演:エリック・ストルツ、シェール、ローラ・ダーン ほか
『エレファントマン』と『ジョニー・ハンサム』を思い起こさせる。
『ケニー』と同じく病気とも真正面からぶつかって、明るく生きてゆくロッキー。
母親のシェール、ローラも素晴らしい。


『陽暉楼』(1983)
監督:五社英雄 出演:緒形拳、池上季実子、浅野温子 ほか
浅野温子の今まで最高の演技が観れる作品。
赤い帽子をかぶった生意気そうな目の少女。
気が強くて、池上扮する桃若を母のように慕い、
風間杜夫との落ち着いた夫婦ぶりもイイし、帰らぬ父をずーっと待ちぼうけして
駅員に「レールのうなったんか」というセリフもイイ。
まだ若くて役に体当たりしているのがひしひしと感じられる。


『フィラデルフィア・エクスペリメント』(1984)
監督:スチュワート・ラフィル 出演:マイケル・パレ、ナンシー・アレン ほか
パレ作品を初めて観た。元コックから俳優になったということで、顔は完璧だけど演技はイマイチ。
ナンシーと車の中で泣くシーンは20時台のアイドルドラマになっている。
でも、時空に穴が開いて、町と40年前の船が閉じ込められたままになっているとか、
みんな40年経って変わってしまった場所に主人公だけ若いままのアイデアはなんとなく面白い。
『首都消失』が頭に浮かんだけれども、主人公が40年前の自分の時代より、
現代を選んだ本当の理由は一体何だったんだろう?

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notes and movies(1991~ part3)

2012-10-24 13:05:56 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『隣りの女』(1981)
監督:フランソワ・トリュフォー 出演:ジェラール・ドパルデュー、ファニー・アルダン ほか
ラストの死に方はスキャンダラスだった。
運命のような糸で結ばれている自分の夫と隣りの人妻。平凡な妻役も楽じゃない。
「二人は結ばれても地獄、結ばれなくても地獄」
激しい恋は幸せだろうか、それとも不幸せだろうか?


『恋は魔術師』(1985)
監督:カルロス・サウラ 出演:アントニオ・ガデス ほか
なんていっても最初のはじまり方が粋。
親同士の勝手な婚約によって4人の長く暗い運命が巡りはじめた。
ストーリーを追うより、フラメンコという普段あまり馴染みのないダンスがじっくり見れて面白い。
霊となったホセを毎晩蘇らせる場面、ラストも神秘的。


『悪霊』(1987)
監督:アンジェイ・ワイダ 出演:イエジィ・ラジビオヴィッチ、イザベル・ユペール ほか
ロシア革命。「ネチャーエフ事件」という実話をモデルにしたドフトエフスキーの長編小説を映画化。
今までの古いしきたり、体制、世界のすべてを変えようとする急進派の若者が
議会の何であるかもしらない労働者を操り、運動の一端と見せかけて、
個人的に恨みのある男を暗黙のうちに葬り、その罪を着せるまで。
自殺志願者の「なぜみんな自殺をしたがらないのか分からない」というセリフは印象深い。
上のリーダーが美しい男爵を崇拝しているというのも面白い。
話はとても込み入っているが、革命家たちの活動の様子が克明に描れている。


『STAKEOUT 張りこみ』(1987)
監督:ジョン・バダム 出演:リチャード・ドレイファス、エミリオ・エステベス、マデリン・ストー ほか
またまたドレイファスが人情味あふれる役を演じている。
犯人とはちあわせになっても、脱獄囚だと思わせてしまうセンスがイイ。
命がけで相棒を救おうとする役をエステベスが好演している。


『ホテル・ニューハンプシャー』(1984)



原作:ジョン・アーヴィング 監督:トニー・リチャードソン
出演:ジョディ・フォスター、ロブ・ロウ、ボー・ブリッジス、ナスターシャ・キンスキー ほか
ジョディの微妙でいて、誰にもマネできない魅力は一体何なんだろうね。
キンスキーを隣りにしても少しもヒケをとらない(少し神経質そうな)存在感は本当にスゴイ。
それにロブのほかには、あれだけスケベたらしいマスクの持ち主はますいないだろうね
心に残る1本だった。

(マイベストの1本。これも何十回も観たなあ!
 You have to keep passing the open windows.
 開いている窓の前は、通り過ぎなければいけない


『NO MAN'S LAND』(1987)
監督:ピーター・ワーナー 出演:D・B・スウィニー、チャーリー・シーン ほか
潜入捜査をしながら刺激ある生活に若い刑事が魅せられてゆく。
容疑者の妹と愛し合い、あまり深く首をつっこんでしまう様子が面白い。
警官の中に巣食っているワイロと、シーン演じるポルシェ泥棒が悪になりきれていない微妙さがまたイイ。
ヒロインのスウィニーは面白い顔だが、舞台女優として演技派。
しかしラストのシーンは必要なかったな・・・


『DREAM SCAPE』(1984)
監督:ジョセフ・ルーベン 出演:デニス・クエイド、クリストファー・プラマー、マックス・フォン・シドー ほか
これまた設定が面白い。
悪夢ばかりを見る患者のその夢の中にテレキネシスが波長を合わせて入り込むという突拍子もない研究。
少年を苦しませるスネイクマン、テレキネシスが昔殺害した父親とのラストシーンは面白い。


『恋人ゲーム』(1984)
監督:ジェリー・シャッツバーグ 出演:ジョン・クライヤー、デミ・ムーア ほか
マシュー・ブロデリックのデビュー当時に似ているクライヤーのひ弱そうな魅力が
青春ものの波長によく似合っている。
単純明快な恋愛物語りだが、話がしっかりしてるし、写真少年とロックボーカリスト扮する
ムーアのデビュー作品らしい魅力がたっぷり味わえる。ラストも爽やかでイイ。


『レッド・スパイダー』(1984)
監督:ジェリー・ジェイムソン 出演:ジェイムズ・ファレンチノ ほか
途中半分もいかないうちに犯人が分かっちゃうのに、
「大どんでん返しの結末」とはわけが分からない。
使うならもっときれいな男優を使えばいいのに。
唯一娘役のスティールが好演を見せている。


『エルム街の悪夢 ドリームチャイルド』(1989)
監督:スティーブン・ホプキンス 出演:ロバート・イングランド ほか
ほとんどジェイソンと同じくらい続いているが、
「いつも別の監督が基本は忠実に守りながら、イメージを最大限ふくらませて」作るせいか、
それぞれ面白いアイデア作品に仕上がっている。

アリスの胎児の夢を利用して殺人を犯すという今回のアイデアも面白く、
母親と過去の全貌を明らかにしているところもイイ。
夢という無限の想像世界は映画に通じるものがあって、
これからもますます題材に取り上げられるだろうなあ。

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