メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1990~ part1)

2012-10-21 13:12:43 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
スクラップブックから10作ずつのご紹介。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『La Ronde 輪舞』(1950)(既出
監督:マックス・オフュルス 出演:ジェラール・フィリップ ほか
輪舞は回ってゆく。男から女へ、女からまた男へ。
軽快に展開してゆくのはいいが、それぞれの関係がそれからどうなったのかは全く語られていない。
フィリップは相変わらずのちょっとウブな二枚目役だが、
物語りの一部としての目立たない役柄を演じている。


『The Untouchable』(1987)
監督:ブライアン・デ・パルマ 出演:ケビン・コスナー、ショーン・コネリー、ロバート・デ・ニーロ ほか
マフィアものの系統では、『ゴッド・ファーザー』を思い起こさせる。
極悪非道のアル・カポネを鬼となって追う反面、
妻と娘を必死に守ろうとする刑事の役をコスナーがスマートに演じている。
クライマックスの乳母車のノンストップシーンは時間のかけすぎな感じもしたが、
この作品の目玉はなんといってもデ・ニーロのカポネだろう。
新聞記者のキツイ質問に憎々しいブラックユーモアで答えるところでも
楽しんで演じているのがありありとうかがえる。
ちなみに、アンタッチャブルとは、手がつけられないの意。


『ベルリン・天使の詩』(1987)
監督:ヴィム・ヴェンダース 出演:ブルーノ・ガンツ ほか
地球の創世記から生きとし生けるものたちの歴史をずぅっと見続けてきた天使が
黒いコートの熟年男性2人だという設定はとても味がある。
今日一日何が起こったかをメモして互いに報告したり、
絶望の底であえぐ人々の心のつぶやきに耳を傾け続けてきた
天使の眼から見た風景と人間の眼とをカラーとモノクロで分けてあるのも楽しいし、
『刑事コロンボ』で有名なピーター・フォークも昔は天使だったなんて、本当に面白い。
この監督は常に「歩く」「動く」ということを重点に置いて
映像を撮っているということだった。

「人生?“自分の人生がないと寂しいだろ?”と将軍が娼婦に言い、娼婦が将軍に言った」

(今作も『ニュー・シネマ・パラダイス』などと同様、あまり映画通でない人たちが
 「いい映画」に挙げる1作ってゆうイメージになってしまった


『ベッドルーム・アイズ』(1984)
監督:ウィリアム・フルート 出演:ケネス・ギルマン ほか
デイル・ハッドンという女優はセクシーだが、雑誌の紹介文にあるとおり官能的な描写と言えるかどうかは怪しい。
不運にも偶然覗き見してしまったために、彼女に狙われるハリー役の俳優の顔は変わっている。
本当に腕のいい精神科医なら、精神のひどく不安定な患者に対して
ああは言わないだろうと思えるような、役に立ちそうもない診察シーンにはイライラした。
結局役に立ったかな?と思えるのは催眠術だけだったが、
これだけ忘れていることを鮮明に思い出すことが可能なら、
いい方向に利用すればかなり面白い成果が得られるのではないかと研究状況が楽しみ。


『A World Apart』(1987)
監督:クリス・メンゲス 出演:バーバラ・ハーシー ほか
この作品は映画と呼ぼうか、それより問題そのものを映像化しているように思える。
それにアパルトヘイト運動の実体、南アフリカの黒人問題の実体もよく知らないで感想を語るのはひどく失礼に思える。
だから単に母親と娘の結びつきという永遠のテーマだけを取り上げるだけであっても、
こんなに泣けた作品は久しぶりだ。
実話に基づいているだけあって、根底に流れる政府の圧力みたいなものが
見ているわたしの心まで脅かすようだ。
でもナレーションでも言っている通り、なんといっても、とりあげた家族は白人である。
監督が「黒人を主役とする映画は成り立たない」というのも残念ながら本音の話だと思う。


『TURK182 怒りの街ニューヨーク』(1985)
監督:ボブ・クラーク 出演:ティモシー・ハットン、キム・キャトラル ほか
邦題は本作品から全然かけ離れている気がするが、ハットンが体制の中の悪に思い切りぶつかってゆく、
彼が演じるしかない!という正義の青年の役をやっているのがイイ。
『ポーキーズ』シリーズは全然面白くないけど、まったく方向転換したクラーク監督作品。
チンピラのような格好で、これまでのいい坊ちゃんなイメージをぶち壊したハットンの
軽いが“今度はハンパじゃなく、最後までやってやるんだ、一人で!”といった
一本筋の通ってる役柄の演技が見もの。
ちなみに最新情報だと警察内部の悪をあばく勇敢な新米刑事の役だという。とても楽しみ。


『追いつめられて』(1987)
監督:ロジャー・ドナルドソン 出演:ケビン・コスナー、ジーン・ハックマン、ショーン・ヤング ほか
『砂の惑星』のヤングが複雑な役をセクシーに、メチャクチャ明るく演じている。
最後のどんでん返しは別に必要ないような、それまでの展開が面白いので、かすんで見える感がある。
『アンタッチャブル』に続くコスナーの2本目の作品公開で、映画誌での人気急上昇が目に見えるようだ。


『THE VERDICT』(1982)
監督:シドニー・ルメット 出演:ポール・ニューマン、シャーロット・ランプリング ほか
後半の裁判に入るまでの成り行きも、ニューマン自身もまったく冴えなくて、パッとしないが、裁判ものはいいね。
正義が勝つと分かっているけど、最初は苦しくて、どん底から新たな証人をつかむというパターンが
ほとんど似通っているにも関わらず、応援したくなるもんね。
でもせっかくランプリングが出ているのに最後までお人形さんのような役柄で、もっと活躍させてほしかった。

「今日は陪審員であるあなた方が法律なのです」


『BRENDA STARR』(1988)
監督:ロバート・エリス・ミラー 出演:ブルック・シールズ、ティモシー・ダルトン ほか
『プリティ・ベビー』以来のシールズをまとも使ったなという楽しくって、ステキな物語り。
コミックと現実がめちゃくちゃ混合しているからまた面白い。
シールズがとっかえひっかえのゴージャスな衣装でおいしい役だなあ。
ダルトンは『007』よりも、こういう意味のない二枚目役のほうがピッタリだし、
冴えない漫画家役の俳優はちょっとチェック。
アメリカ人の好きそうな展開の早いドタバタコメディ。


『ゴースト ニューヨークの幻』(劇場にて
監督:ジェリー・ザッカー 出演:パトリック・スウェイジ、デミ・ムーア、ウーピー・ゴールドバーグ ほか
「この世にまだこんなにステキな役者がいたのか!」と驚かされた。
この3人ならたとえこのストーリーでなくても大ヒットだったろう。
でも監督、脚本、撮影、音楽等々のスタッフの面々を知って2度ビックリした。
いずれも筋金入りのプロ。やはりプロが揃えば、それなりの作品が生まれるといういい例だ。

アメリカ映画=勧善懲悪という公式通り、善人には柔らかな白い光のお迎えが、
悪人には容赦ない真っ黒い地獄の化け物が、それぞれの死後の世界へと案内するというルールが怖い。
結局これはラヴストーリーというのが大前提なので、スウェイジとデミのダンスということになっている。
愛し合うには、こんなにも約束事がたくさんあるのかと思う。
シャツ一枚にしても、想いがあふれんばかりに染み付いているものなのか。
彼女を助けたはいいが、現世へ一人残していくことが幸福だろうか?
この出来事を胸に老いてゆかなければならないほど苦しいものはないのではと思った。

コメント

notes and movies(1990~ part2)

2012-10-21 13:12:42 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『エル・スール』(1983)
監督:ビクトル・エリセ 出演:オメロ・アントヌッティ ほか
少女の頃の理解できる部分と、出来ない部分、
小さな誤魔化しや駆け引き、なんとなく私たち自身の幼少の頃とダブってくる。


『トラブル・イン・マインド』(1986)
監督:アラン・ルドルフ 出演:クリス・クリストファーソン、キース・キャラダイン ほか
こんな話もあるかもしれない。だけど、どこか異次元的な印象を受けるのは、
アラン監督の映像だからか、それともレインシティという架空の街のせいだろうか?
それにしても、これがキースだろうかと眼を凝らしたくなるほど
メイクがどんどん派手なパンク化していく様子が可笑しい。
ローリー・シンガーは、若い母親役を熱演。ダリル・ハンナ似。マーク・シンガーの妹ってビックリ仰天
ワンダ役の女優が粋で、作品中では最も重要。
クリスからヒゲをとったら何が残るのかしら?


『バグダッド・カフェ』(1987)
監督:パーシー・アドロン 出演:マリアンネ・ゼーゲブレヒト ほか
主題歌♪Calling You も映像も、砂漠の絶望感、虚無感、暑い地独特のけだるさを醸し出している。
そこに現れた太った女性。
太った女性をこんなにセクシーに、神聖に、美しく撮れる監督は珍しいのではないだろうか。
『If Tomorrow Comes』の黒人女優もイイ。


『バイオレント・サタデー』(1983)
監督:サム・ペキンパー 出演:ルドガー・ハウアー、ジョン・ハート ほか
少々ストーリーが込み入っている。
久々のジョン・ハートの作品が観れたと思ったら珍しく人を欺く悪役か?!と思いきや、
やはり彼の一貫したイメージである“体制への疑問”を夫婦愛を通じて訴える役柄であり、
この役なら彼ほどの適役はいないだろうとファンを安心させてくれた。
主演のハウアーは、ウォーケンに似てる。
錚々たる顔ぶれも見応えがあるが、やはりこれはアクション映画。
老監督の作品とは思えない、突飛ではないにせよ迫力ある映像を楽しめる。


『女狐』(1950)
監督:マイケル・パウエル、エメリック・プレスバーガー 出演:ジェニファー・ジョーンズ ほか
伏線の張り方が杜撰。ラストは惨めっぽい。
「穴に入ったぞー」というセリフは印象的。
ほとんどヒロインのワンショットで映画全体を引っ張ってる感じ。
イノセンスが主題だったのだろうか?


『特攻野郎Aチーム 地獄島からの脱出』(1986)
監督:トニー・モルデンテ 出演:ジョージ・ペパード、ミスター・T ほか
今回もやってくれます。それぞれのエキスパートがいて、
絶体絶命の場合も安心して信頼のおけちゃうこのメンバも、
処刑寸前まできちゃって大変なピンチ!

主にモンキーが笑いをとっていて、フェイスマンの活躍が少なかったのが悔しいけど、
淀川さんのお気に入りはMr.Tだそうで、飛行機嫌いで、
ヘヴィメタも真っ青のジャラジャラしたアクセサリーをつけたマッチョマンなんて
すごいキャラクター設定で面白い。
TVシリーズが終わっちゃってちょっと残念だけど、いつ何時、
何度観ても飽きないのがこのAチーム。


『MASTERS OF THE UNIVERS』(1987)
監督:ゲイリー・ゴダード 出演:ドルフ・ラングレン ほか
ストーリーやキャラクターに一定のルールがあって、
宇宙のパワーを受け継いだ悪の化身はなぜか精神的に脆く、
本当にコミックをそのまま映画にしてみたって感じでSFとしては弱い。
ヒイ・マン役はどこか垢抜けしない俳優でファンタジックな雰囲気に臭い演技なしで溶け込んでいる。
流れてきちゃう星が、宇宙広しといえども地球に来てしまう展開は安易だ。


『サンセット大通り』(1950)

 

監督:ビリー・ワイルダー 出演:グロリア・スワンソン、ウィリアム・ホールデン ほか
サイレント映画時代の若き女王であった頃の自分をひとときも忘れまいとしながら、
激しい想いで再起をかける女優の姿は、若いということがどんなに安易で重要なものかを思い知らされる。
最後はどこかしらで憐れな女優を気遣っているところが魅力的だ。


『ターミネーター』(1984)
監督:ジェイムズ・キャメロン 出演:アーノルド・シュワルツネガー ほか
何度観てもひどい興奮状態とペシミスティックな感情を引き起こされる作品だが、
やっぱり何度考えても、現在・過去・未来の交じり合った時間の流れは理解しがたい。
とにかく今回はビデオ録画に成功したので、ゆっくり考える時間はありそうだ。
それぞれ適材適所、またとないキャストに、これ以上の完成度の高い作品は作れないだろう。


『ビッグ』(1988)
監督:ペニー・マーシャル 出演:トム・ハンクス、エリザベス・パーキンス ほか
ハンクスの名子役ならぬ、名大人役ぶりが楽しい。
「早く大人になりたい」という子どもの願い、「子どもに戻りたい」という大人の願いを
いっぺんに叶えてくれるのは、ミステリアスなゾルダーという名の映画のおかげ。
子どもの眼を持った大人の青年に目をつけたところが今作のミソ。
子どものくせに仕事に追われるうちにいつのまにやら「忙しいんだ」「時間がないんだ」と
怒り出すシーンはちょっと不気味な恐さを感じた。

コメント

notes and movies(1990~ part3)

2012-10-21 13:12:41 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『CRIMES OF PASSION』(1984)
監督:ケン・ラッセル 出演:キャスリーン・ターナー、アンソニー・パーキンス ほか
それぞれの俳優が持ち前の個性を生かして出来上がっている。
ラッセルは淀川さんも大好きな監督だというからほかの作品もいくつか観てみたい。
そうすれば一体どんな主張を持つ作品なのかがもっとハッキリするだろう。


『WEST SIDE STORY』(1961)
監督:ロバート・ワイズ、ジェローム・ロビンス 出演:ナタリー・ウッド、ジョージ・チャキリス ほか
ショーとしてのミュージカルというよりは、若者たちのあり余るエネルギーを
ストレートに歌や踊り、ケンカや愛にぶつけたという感じ。
アメリカのスラム街において様々な人種がグループを作って意味もなくいがみあう。
こんなにダンスの上手い不良グループばかりだったら、暗い夜道も少しは華やかになるのでは?
バーの主人ドクの抑えた演技はとても対照的で印象的。


『釣りバカ日誌2』(1989)
監督:栗山富夫 出演:西田敏行、石田えり、三國連太郎、原田美枝子、戸川純 ほか
久々美枝子さんが観れた!あの甘い声とは逆に知的な雰囲気のせいか
バリバリに働く秘書なんかの役はピッタリ。謎めいたところがあるのも彼女ならでは。
他にもOLにどっぷり浸かっちゃってる社員役に純ちゃんまで出演していて、
ストーリーは現代版寅さんなんだけれども、楽しくほのぼのとさせる作品。
浜ちゃんみたいな人が会社にいたら楽しいだろうし、
スーさんのように人間を見る目がハッキリしている人間的な社長がいたら安心だろうし、
美枝子さんみたっく完璧な秘書がいたら・・・ねぇ


『MAX, MON AMOUR』(1986)
監督:大島渚 出演:シャーロット・ランプリング ほか
妻の不倫相手はなんとチンパンジーだった
こんな異常な題材ではあるが、大島さんいわく「なんでも起こり得る街、パリにおいて、
夫婦間のスレ違うコミュニケーションの様を描こうとした。
ランプリングは家庭的で、この特殊なシナリオを見せた時、
“一体私以外の誰がこの妻の役を演じることができるだろう”と言った」そうだ。
外国人には珍しいあの一重の瞳でキリっと見られれば、
たとえチンパンジーとの愛でも成り立つんじゃないだろうかと思ってしまう
夫の浮気は遊びで、妻の浮気は本気という考え方は世界共通なのかもしれない。
日本人監督の映像らしくないタッチで描かれている。


『マリアの恋人』(1984)



監督:アンドレイ・コンチャロフスキー 出演:ナスターシャ・キンスキージョン・サベージ ほか
サベージは確か『ディア・ハンター』にも出演。
サングラスをして、妻への想いを必死に抑えるシーンはすごくセクシー
キンスキーは、輝く黒真珠のようにキレイで、
『テス』のようにひたすら夫を待ち続ける純愛の夫婦ドラマみたい。

(今作の2人は本当にステキで何十回も見返したマイベストな1作


『ワーキング・ガール』(1988)
監督:マイク・ニコルズ 出演:メラニー・グリフィス、ハリソン・フォード、シガニー・ウィーバー ほか
軽めの娯楽作品。
女重役でバリバリのキャリアウーマンでありながら、仕事仲間のジャックにめちゃめちゃほれ込んでて
結婚を迫ったりするシガニーのちょっとイジワルい役どころはキュート。


『ウォール街』(1987)
監督:オリバー・ストーン 出演:マイケル・ダグラス、チャーリー・シーン、マーティン・シーン ほか
チャーリーがやっと演技力を発揮できたんじゃないかと思う主演作。
ラストシーンからすぅーっとカメラが引いていって、ウォール街全体の景色で終わるところでも、
これはあくまで忙しく歩き回っている人間たちから無差別にピックアップした
1人のストーリーに過ぎないことを伝えている気がする。

キーは友人たち。その友人の一人をジェームズ・スペイダーが好演している。
「せいぜいクビになる前に楽しんでおかなきゃ」という連中から一人抜け出して、
スリリングでその日暮らしのビッグボーイズの仲間入りをしたはいいが、
彼らの味気ない、無意味な格闘の様子が描かれている。


『THE ADVENTURES OF BUCKAROO BANZAI バカルー・バンザイの8次元ギャラクシー』(1984)
監督:W・D・リクター 出演:ピーター・ウェラー ほか
タイトルだけで吹き出しちゃう。ストーリーはちゃっちいが出演者の顔ぶれがスゴイ。
最後までクールな天才バカルーにはピーター・ウェラー、
彼を中心にしてジェフ・ゴールドラム、クリストファー・ロイド、
おまけに『トワイライトゾーン』ほか変人の役しか最近こないのかジョン・リスゴーとか。
目が離れていてファニーフェイスのエレン・バーキンは、セクシーで頭のトロい役。
いろんな科学用語も実験もそれなりに聞こえてしまうところがイイ。
バカルードクターの腹心でバンドのメンバーでもある白っぽい金髪の俳優もゲイっぽくてよかった。


『サンタリア 魔界怨霊』(1987)
監督:ジョン・シュレンシンジャー 出演:マーティン・シーン ほか
相変わらず邪神教は恐怖映画に多くのアイデアを提供してくれる。
シーン家の父ちゃんのほうもまだまだイケるぜってところを見せている。
幸福と安息が訪れた家族にまたあの儀式の跡が・・・

“信仰はゆっくりと人に近付き、深く根を張る。”


『トム・クルーズの栄光の彼方に』(1983)
監督:マイケル・チャップマン 出演:トム・クルーズ、リー・トンプソン ほか
ここにも出演しているクレイグ・T・ネルソンなる俳優は、
最近なんやかやといろんな端役で登場しているが、リチャード・グレイファスを
ちょっと太らせたみたいで、まったく見分けがつかない。

“教師は神さまじゃないんだ。知ってたかい?”

アメリカの若者の生活や考えは大体こんな感じだっていうところをついていてヒットしたんじゃないかと思う。
運動しか出来ない生徒でも充分優遇されるという考え方は私たちにはあまりピンとこない。
トンプソンのピュアな魅力がたっぷり出ている。


『インドへの道』(1984)

 

監督:デビッド・リーン 出演:ジュディ・デイビス ほか
以前、イギリス女性の激しい半生をインドで描いた『熱砂の日』を紹介したが、
今度は逆に内向的で、自分のことさえよく分からず、
夫となる男を本当に愛しているかも気付こうとしなかった女性が
洞窟への遠出、不思議なこだまで現実にバッタリと出会う様を描いている。

作った平和の中でプライドを掲げて横暴する英国紳士、淑女たち。
そのほとんどに真実を見る目はなく、ラスト近くのアデラのバッサリ切った髪と表情は印象的。

「インドはいやおうなしに自分と面と向かうことを強制する」

英国人の生活や人々に憧れたばかりにとんでもない事件に巻き込まれる
人のいいインド人のアジズ役を演じたバーナジーも熱演。

(今作も『熱砂の日』同様マイベスト

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