メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1991~ part1)

2012-10-24 13:05:58 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
スクラップブックから10作ずつのご紹介。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ナッツ』(1987)
監督:マーチン・リット 出演:バーブラ・ストライサンド、リチャード・ドレイファス ほか
いわゆる裁判ものでも、これは裁判を受けることが可能かどうかを判決するまでの話。
一時もジッとしていないで、怒りや暴言、暴力的行為で精神不安定、
なんらかの精神異常と診断された女。
愛しすぎること、一人の人間の権利、そして1つの真実。
裁判劇を通して本質的な事柄を訴えてくる。
バーブラの不思議な魅力とドレイファスとの味のあるやりとりがイイ。


『THE BEAR』(1988)
監督:ジャン=ジャック・アノー 出演:チェキー・カリョ ほか
最後に現れる“動物には一切危害を加えていない”というテロップ通りだとしたら、
一体どうやってこれだけのストーリー性をもてたのかまったく驚き。
また子熊が夢を見るシーンなどは新鮮で、斬新なアイデアだし、
一貫して動物の暮らしぶりにスポットを当てているのはイイ。


『PICNIC AT HANGING ROCK』(1975)



監督:ピーター・ウィアー 出演:レイチェル・ロバーツ ほか
やはり事実を正直に追っているだけに、ストーリー的には弱いけれど
オーストラリアの田舎の古き禁欲的で神秘的だった時代にありがちな神隠し的行方不明事件。
予知能力を持つ少女が本当の天使のようで、その魅力にとりつかれる青年貴族の気持ちも分かる。
結局ハッキリした理由は明らかではないが、どこかしら別次元の世界との
接点がありそうなSFっぽい雰囲気があった。


『コックと泥棒、その妻と愛人』
監督:ピーター・グリーナウェイ 出演:リシャール・ボーランジェ ほか
いやあ、キョーレツとしか言いようがない作品。ここまでグルメをつきつめた映画も珍しいよね。
時間は夜、場所はレストラン、場面は夕食時、出演者はタイトル通り。
特別な意味はないように思えるが、とにかく映像が凝っている!


『溝の中の月』(1982)
監督:ジャン=ジャック・ベネックス 出演:ジェラール・ドパルデュー、ナスターシャ・キンスキー ほか
確かに掴みどころのない作品だけれども、一貫して妖艶な青白い月のしたで展開させているところがとてもイイ。
ドパルデューは、淀川さんが「鼻が曲がってユニークな顔をしている役者」と言ってた人。
キンスキーは好んでこういった難解で幻想的な作品に出る。当時21歳。
大輪の花がまだ咲き始めたばかりの不思議な輝きがあった。


『トップガン』(1986)
監督:トニー・スコット 出演:トム・クルーズ、ケリー・マクギリス ほか
アメリカ映画らしく単純というか、分かりやすくていいんだけれども、
アクション映画もトム(彼の人気が一体どこから来ているのかサッパリ理解出来ない)も
あまり好きじゃないせいか、ずっと退屈してしまった。
ただ『目撃者』の時の堅めなイメージから少し発展したケリーの美しさはいつでも変わらない。


『FEVIATHAN』(1989)
監督:ジョージ・P・コスマトス 出演:ピーター・ウェラー、アマンダ・ペイズ ほか
海底密室ものは必ず当たるといわれているようだけど、限られたスペースと、限られた空気で、
必ず裏切り者がいて、汚いモンスターと一緒に閉じ込められてパニックとなる。
この作品の中に出てくるモンスターは、人の生き血を吸い取る映画ならではの生物でちょっと信じ難い。
地質学者に扮するウェラーがイイ。その彼女がモンスターに対するシーンは『エイリアン』のリプリーそのまんま。


『THE MORNING AFTER』(1986)
監督:シドニー・ルメット 出演:ジェーン・フォンダ、ジェフ・ブリッジス ほか
フォンダが売れない女優役でなんとも人生においてアンラッキーな女を演じる。
「僕も3つ数えると君を消せる魔法が使えるんだ。1つ君に会えてよかった。
 2つどうもありがとう。3つ元気で」「・・・効かなかったわ」
「いつも失敗するんだ」「じゃあ二度とかけないで。わたしにはあなたが必要なの」


『L'INNOCENTE』(1975)
監督:ルキノ・ヴィスコンティ 出演:ジャンカルロ・ジャンニーニ ほか
監督の熟練さがひしひしと伝わってきて、ひとつひとつコマを止めるたびに
写実画のような美しい画像が浮かび上がる。
主人公である男優の美しさとそのエゴからくる多弁さ、
ラウラ・アントネッリの神経質な表情と対照的な肉体美に気をとられすぎてストーリーがハッキリと伝ってこない。
謎の部分がたくさん残りはしたけれども、自分の妻を愛することが敗北だろうか?


『美しすぎて』(1989)
監督:ベルトラン・ブリエ 出演:ジェラール・ドパルデュー、ジョジアーヌ・バラスコ、キャロル・ブーケ ほか
ドパルデューもなかなかだけれど、この作品はバラスコのお陰でなりたっているのではなかろうか。
「美人というわけじゃないが、とても感じがいいんだ」
ブスでも心の美しさは負けないとしっかりしている愛人と、
美人だが傲慢にはなりきれず、ひたすら夫を愛し続ける妻は対照的。
最初は予告を観ているのかと思ったくらい展開の仕方、セリフ、
構成に独特なものがあり、不思議な、それでいて自然な空気を作っている。

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notes and movies(1991~ part2)

2012-10-24 13:05:57 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ロジャー・ラビット』(1988)
監督:ロバート・ゼメキス 出演:ボブ・ホスキンス、クリストファー・ロイド ほか
始まりから終わりまでポカーンと開いた口がふさがらないほど驚きっ通し
どうしてここまでアニメと現実とが共存できるのか映画の世界だといっても信じられない!
何にも増して信じ難いのは、それまで可笑しいほどハードに演じてきたホスキンスが
突然ハメを外してコメディアン(アニメ版)に変身するところ。
ここまでやるかっていうドタバタの極地まで披露してくれる。
一貫して悪役をやってるロイドも脇役に徹しててイイし、
外国のアニメは動のイメージが強いため、一瞬も息が抜けずに笑っちゃう。


『ボーイ・ミーツ・ガール』(1983)
監督:レオス・カラックス 出演:ドニ・ラヴァン ほか
どこかの雑誌で「男女が出会って、恋におち、別れるのはハリウッドの定番だが、
それを皮肉って単純に映画化しちゃった」と紹介してたけど、なかなか奥の深い凝った作品。
ラブストーリーというより若いがための倒錯、屈折、孤独なんかを描いた作品。


『シンデレラ・ボーイ』(1985)
監督:コリー・ユエン 出演:カート・マッキニー、ジャン=クロード・ヴァン・ダム ほか
出演者もなじみの薄い新人ばかりみたいだし、途中あちこちアレ変だな?と思うようなストーリーだけど、
まあ楽しい作品なので許せる。
スタッフが相当ブルース・リーやカンフー映画が好きなんだなっていうのがシーンごとに伝わってくる。
俳優もアメリカ人ながらなかなかカンフー姿が板についてて、
主人公の青年もふつーだけど、けっこう正統派っぽいハンサムなので、いろいろとそんな面でも気軽に楽しめる。
リーの亡霊役の俳優はちょっと似てなかったけど、明暗で少し誤魔化してある。


『カスパー・ハウザーの謎』(1975)
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク 出演:ブルーノ・S ほか
これは少し評価するのが難しい。ただフシギに私は無常感がなかった。
少なくともこの主人公は、物や動物以外に対して情を持つことはなかったからだ。

「生きることは、わたしの人生の中でたいしたことじゃない」

私たちもただ生きているにすぎないのに、
いつの間にやらその無意味さを感じることを忘れて、
すっかり慣れてしまったのに違いない。
彼のはじまりしかない物語。

全体が薄い青の色調で続いているところがイイ。
カスパー役の素人俳優は元精神異常者で、その後施設を転々としていたのを監督が抜擢し、
出演させたらしい。こんなピュアな人間が他にいただろうか!?
誰かが彼に愛することを教えていたら、少しは現実社会に執着を持ってくれただろうか?
こんな一癖も、二癖もある作品が大好きだ。


『ザ・フライ2』(1989)
監督:クリス・ウェイラス 出演:エリック・ストルツ ほか
とにかくグチャグチャしてて汚い。
『メンフィス・ベル』は特別観たいとは思わないけど、ストルツ(変な名前)はちょっと可愛い顔をしている。
蛹になって、とうとう訳の分かんないモンスターに変身するが、
マーティだけ元通りになるのは話がウマすぎる。
初作のジェフはビデオの中で出てくるだけ。
初監督作品にしちゃ持ち前のメイクアップ技術はすごくリアルなものがあるけど、
2を作る必要性はあまりなかった感じ。


『ジョニー・ハンサム』(1989)
監督:ウォルター・ヒル 出演:ミッキー・ローク、エレン・バーキン ほか
題材も面白いが、この役にこの人っていう味のある役者が勢ぞろいなのが嬉しい。
決まっておいしい役につくローク、いかにも性悪女っぽいけど逆らえない魅力を持つバーキン。
ますます演技に磨きがかかって、いつも目の離せない個性のある顔立ちのエリザベス・マクガバン、
ワル役がそろそろ板についてきたランス・ヘンリクセン。


『メロ』(1986)
監督:アラン・レネ 出演:サビーヌ・アゼマ ほか
フランス映画風に云えば、人生とは人を愛することを意味しているのかもしれない。
愛する喜びと悲しみ、すべての感情と行動が、人を生かし、死に至らしめるのだろうか。

夫と妻、夫の親友。登場人物は主として3人のみ。
シンプルな構成の中にじわじわと果てしなく広がる深い背景が浮かび上がり、
感動が心に染み渡ってゆく静かな幕切れ。
いかにもと思わせる話と、フランス映画の俳優の典型のような3人の中でも
デュソリエは完璧な二枚目。女泣かせっぽいのに実は恋多き孤独な男という役柄がイイ。
真実を語ることは時として大きな不幸をもたらすのかもしれない。
それでもなお永遠に続く男女の愛と男の友情の物語り。


『マスク』(1985)
監督:ピーター・ボクダノビッチ 出演:エリック・ストルツ、シェール、ローラ・ダーン ほか
『エレファントマン』と『ジョニー・ハンサム』を思い起こさせる。
『ケニー』と同じく病気とも真正面からぶつかって、明るく生きてゆくロッキー。
母親のシェール、ローラも素晴らしい。


『陽暉楼』(1983)
監督:五社英雄 出演:緒形拳、池上季実子、浅野温子 ほか
浅野温子の今まで最高の演技が観れる作品。
赤い帽子をかぶった生意気そうな目の少女。
気が強くて、池上扮する桃若を母のように慕い、
風間杜夫との落ち着いた夫婦ぶりもイイし、帰らぬ父をずーっと待ちぼうけして
駅員に「レールのうなったんか」というセリフもイイ。
まだ若くて役に体当たりしているのがひしひしと感じられる。


『フィラデルフィア・エクスペリメント』(1984)
監督:スチュワート・ラフィル 出演:マイケル・パレ、ナンシー・アレン ほか
パレ作品を初めて観た。元コックから俳優になったということで、顔は完璧だけど演技はイマイチ。
ナンシーと車の中で泣くシーンは20時台のアイドルドラマになっている。
でも、時空に穴が開いて、町と40年前の船が閉じ込められたままになっているとか、
みんな40年経って変わってしまった場所に主人公だけ若いままのアイデアはなんとなく面白い。
『首都消失』が頭に浮かんだけれども、主人公が40年前の自分の時代より、
現代を選んだ本当の理由は一体何だったんだろう?

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notes and movies(1991~ part3)

2012-10-24 13:05:56 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『隣りの女』(1981)
監督:フランソワ・トリュフォー 出演:ジェラール・ドパルデュー、ファニー・アルダン ほか
ラストの死に方はスキャンダラスだった。
運命のような糸で結ばれている自分の夫と隣りの人妻。平凡な妻役も楽じゃない。
「二人は結ばれても地獄、結ばれなくても地獄」
激しい恋は幸せだろうか、それとも不幸せだろうか?


『恋は魔術師』(1985)
監督:カルロス・サウラ 出演:アントニオ・ガデス ほか
なんていっても最初のはじまり方が粋。
親同士の勝手な婚約によって4人の長く暗い運命が巡りはじめた。
ストーリーを追うより、フラメンコという普段あまり馴染みのないダンスがじっくり見れて面白い。
霊となったホセを毎晩蘇らせる場面、ラストも神秘的。


『悪霊』(1987)
監督:アンジェイ・ワイダ 出演:イエジィ・ラジビオヴィッチ、イザベル・ユペール ほか
ロシア革命。「ネチャーエフ事件」という実話をモデルにしたドフトエフスキーの長編小説を映画化。
今までの古いしきたり、体制、世界のすべてを変えようとする急進派の若者が
議会の何であるかもしらない労働者を操り、運動の一端と見せかけて、
個人的に恨みのある男を暗黙のうちに葬り、その罪を着せるまで。
自殺志願者の「なぜみんな自殺をしたがらないのか分からない」というセリフは印象深い。
上のリーダーが美しい男爵を崇拝しているというのも面白い。
話はとても込み入っているが、革命家たちの活動の様子が克明に描れている。


『STAKEOUT 張りこみ』(1987)
監督:ジョン・バダム 出演:リチャード・ドレイファス、エミリオ・エステベス、マデリン・ストー ほか
またまたドレイファスが人情味あふれる役を演じている。
犯人とはちあわせになっても、脱獄囚だと思わせてしまうセンスがイイ。
命がけで相棒を救おうとする役をエステベスが好演している。


『ホテル・ニューハンプシャー』(1984)



原作:ジョン・アーヴィング 監督:トニー・リチャードソン
出演:ジョディ・フォスター、ロブ・ロウ、ボー・ブリッジス、ナスターシャ・キンスキー ほか
ジョディの微妙でいて、誰にもマネできない魅力は一体何なんだろうね。
キンスキーを隣りにしても少しもヒケをとらない(少し神経質そうな)存在感は本当にスゴイ。
それにロブのほかには、あれだけスケベたらしいマスクの持ち主はますいないだろうね
心に残る1本だった。

(マイベストの1本。これも何十回も観たなあ!
 You have to keep passing the open windows.
 開いている窓の前は、通り過ぎなければいけない


『NO MAN'S LAND』(1987)
監督:ピーター・ワーナー 出演:D・B・スウィニー、チャーリー・シーン ほか
潜入捜査をしながら刺激ある生活に若い刑事が魅せられてゆく。
容疑者の妹と愛し合い、あまり深く首をつっこんでしまう様子が面白い。
警官の中に巣食っているワイロと、シーン演じるポルシェ泥棒が悪になりきれていない微妙さがまたイイ。
ヒロインのスウィニーは面白い顔だが、舞台女優として演技派。
しかしラストのシーンは必要なかったな・・・


『DREAM SCAPE』(1984)
監督:ジョセフ・ルーベン 出演:デニス・クエイド、クリストファー・プラマー、マックス・フォン・シドー ほか
これまた設定が面白い。
悪夢ばかりを見る患者のその夢の中にテレキネシスが波長を合わせて入り込むという突拍子もない研究。
少年を苦しませるスネイクマン、テレキネシスが昔殺害した父親とのラストシーンは面白い。


『恋人ゲーム』(1984)
監督:ジェリー・シャッツバーグ 出演:ジョン・クライヤー、デミ・ムーア ほか
マシュー・ブロデリックのデビュー当時に似ているクライヤーのひ弱そうな魅力が
青春ものの波長によく似合っている。
単純明快な恋愛物語りだが、話がしっかりしてるし、写真少年とロックボーカリスト扮する
ムーアのデビュー作品らしい魅力がたっぷり味わえる。ラストも爽やかでイイ。


『レッド・スパイダー』(1984)
監督:ジェリー・ジェイムソン 出演:ジェイムズ・ファレンチノ ほか
途中半分もいかないうちに犯人が分かっちゃうのに、
「大どんでん返しの結末」とはわけが分からない。
使うならもっときれいな男優を使えばいいのに。
唯一娘役のスティールが好演を見せている。


『エルム街の悪夢 ドリームチャイルド』(1989)
監督:スティーブン・ホプキンス 出演:ロバート・イングランド ほか
ほとんどジェイソンと同じくらい続いているが、
「いつも別の監督が基本は忠実に守りながら、イメージを最大限ふくらませて」作るせいか、
それぞれ面白いアイデア作品に仕上がっている。

アリスの胎児の夢を利用して殺人を犯すという今回のアイデアも面白く、
母親と過去の全貌を明らかにしているところもイイ。
夢という無限の想像世界は映画に通じるものがあって、
これからもますます題材に取り上げられるだろうなあ。

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notes and movies(1991~ part4)

2012-10-24 13:05:55 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『シザーハンズ』
監督:ティム・バートン 出演:ジョニー・デップ、ウィノナ・ライダー ほか
クリスマスをハッピーに過ごしたい時に観れば最高
スピルバーグ作品にも通じるイノセントな主人公と人間とのふれあいが描かれて、カラフルだけど統一感がある。
噂話にしか興味がない主婦と、仕事でいない父親等々の一般的生活もシビアに描いている。
ウィノーナのブロンド美人ぶり、孫に昔話を話して聞かせる優しい老女演技は完璧キマっている。


『THE DANCER'S TOUCH』(1989)
監督:ウィリアム・A・フレイカー 出演:バート・レイノルズ ほか
異常レイプ殺人鬼にしては、ラストに出てきた犯人演じる俳優が平凡だったのでちょっとがっかり。
バートはちょっと出っ張ってきたお腹もさることながら、まだなかなか味がある。


『フォート・サガン』(1984)
監督:アラン・コルノー 出演:ジェラール・ドパルデュー、ソフィー・マルソー、カトリーヌ・ドヌーヴ ほか
砂漠シリーズで選んだものの1つ。仏映らしくロマンスも絡む。
英雄扱いされる男がドパルデューの上手さからか決して並外れた偉人ではなく
2人の女を同時に愛したただの男であるところがイイ。
頑強な容姿に繊細な心、フランスにはイイ俳優がいるなあと感じさせる。
砂漠にまみれる石碑。かつての英雄も一つの話となり、ついには誰も忘れてしまうのを待つのみ。
戦争をして一体だれが勝つというのか?
その無常さをサハラ砂漠の無の世界を舞台に語りかけてくる。


『ハリーの災難』(1955)
監督:アルフレッド・ヒッチコック 出演:ジョン・フォーサイス、シャーリー・マクレーン ほか
殺人事件を大げさに騒ぎたてず、それぞれの立場で冷静に判断していて、
ホームドラマのように穏やかな間抜けさが面白い。
マクレーンの眠たそうな目つきもキュート

「殺人は喜劇である」(A・ヒッチコック)


『TO DIE FOR』(1988)
監督:デュラン・サラフィアン 出演:ブレンダン・ヒューズ ほか
とにかくバンパイアものはステキな英国紳士風の吸血鬼が美女ばかりを狙う。
それも月の出ている夜に。映像がキレイ。
いろいろ魅力や魔力があるのに、「杭を刺される」「日光を浴びる」など
弱点があまりにも有名なはかないモンスターなのである。
ヒューズがいかにも陽の光に弱そうな繊細な線を持っていてイイ。


『宇宙戦艦ヤマト 新たな旅立ち』(1981)
総監修:松本零士 監督:田口勝彦
年季の入っているアニメだけに話が始まる前から感慨深いものを感じてしまうところはさすがだ。
他のアニメよりストーリー構成が現実的でしっかりしていて、おまけに人情臭いところがポイントかも。
え?伊武雅刀が声で出演してたの?分からなかった。


『ハードカバー 黒衣の使者』(1989)
監督:ティボー・タカクス 出演:ジェニー・ライト、クレイトン・レイナー ほか
面白いし、映像がアンティークでキレイ。
なんだかぽぉっとしている近視のヒロインは、あのバンパイアを演じたコなのよね。
ライトはちょっと目をつけておいたほうがいいかも。
恋人役のレイナーもセクシーな魅力を発揮してるし。
古本屋に古ぼけた恐怖小説、でもそれが現実と混ざってしまうというストーリーのアイデアもいいところついてる。


『THE BLOB ブロブ 宇宙からの不明物体』(1988)
監督:チャック・ラッセル 出演:ショウニー・スミス ほか
イカの臓物のかたまりみたいのが人間の体をエサにしてみるみるふくれあがり町中を襲う。
あんまりビックリ仰天のラストじゃないけど、SFXの苦労は認める。


『ルパン三世 ナポレオンの辞書を奪え』
原作:モンキー・パンチ 監修:出崎統
ニュールパンとでもいおうか、元から離して観れば軽く楽しめる。
時代を超えてルパン三世一味の世界もすっかり様変わり。
でも、しっかりと先を行ってる彼らはすごい。


『THE SERPENT AND THE RAINBOW』(1988)
監督:ウェス・クレイヴン 出演:ビル・プルマン ほか
ゾンビ映画にありがちなスプラッタの枠を見事に破り、心底からゾゾゾと恐怖心をかきたてる。
最も恐ろしいものは、自分自身の造り出す妄想の他の何者でもないだろう。
呪術によって支配されている国は実在し、映画以上の奇跡が行われている。
生きながら埋葬される。考えるのも恐ろしい・・・

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notes and movies(1991~ part5)

2012-10-24 13:05:54 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part4からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『天地創造 THE BIBLE...IN THE BEGINNING』(1966)
監督・出演:ジョン・ヒューストン 出演:ジョージ・C・スコット、エヴァ・ガードナー ほか
地球の形成過程から始まり、アダムとイヴ、カインとアベル、ノアの方舟、エイブラハム、、、
聖書の物語が映像でよく分かる。


『太陽の七人』(1986)
監督:アラン・ジョンソン 出演:ジェイソン・パトリック ほか
近未来小説や映画はいろいろあって大体好きなのは、そのイマジネーションが突飛で面白いから。
これも砂漠化してしまった地球で、なぜかローラースケートがうまいグループが施設を抜け出し
フシギな物体ボダイを守るために戦う。
嘘っぽい話の割りに展開が面白くてしっかりしている。
E警察のリーダーはこの間観た『羊たちの沈黙』のレクター博士役の俳優に似ている。


『続・赤毛のアン アンの青春』(1988)
監督:ケヴィン・サリバン 出演:ミーガン・フォローズ ほか
正統派のミリオンセラーの映画化だけに久々心から温かな涙を誘う作品に仕上がっている。
アン役のミーガンはアンとはまたちょっと違った魅力があって、主役をキッチリとまとめている。
とくにギルバートへの愛を初めて知るところが素直に感動できる。
久しぶりに家にある原作(1巻目)を読んだ。
思い切り笑ったり泣いたりできる本は、世界中に一体何冊あるだろうか?


『プリック・アップ』(1987)

 

監督:スティーヴン・フリアーズ 出演:ゲイリー・オールドマン、アルフレッド・モリーナ ほか
久々好みに合った最高な映画を観て満足した感じ。実話を元にしているのが、また嬉しい。
それにしても『シド&ナンシー』のシド役を演じたゲイリーはこの頃からすごくセクシーだったなあ。
夜のシーンが多いし、題材も暗いのに、全然後味の悪さを感じさせない、
少し気の利いたユーモアもあるポップな作品。

(もう一度観たいと思う1本。
 ビートルズ映画の脚本を書いた劇作家ジョー・オートンと、ゲイの愛人ケネス・ハリウェルの葛藤を描いた。


『白い炎の女』(1987)

 

監督:マイケル・ラドフォード 出演:グレタ・スカッキチャールズ・ダンスジョン・ハート ほか
イギリス女性のインドものはだいたい好きだが、それを『熱砂の日』に続いてスカッキが演じているとなるとなおさらだ。
『1984』のラドフォードが特異な役柄に再びハートを器用しているのも嬉しい。
とにかくスカッキの完璧な美を堪能できるこの1本。

(これこそマイベスト中のマイベスト 3人の大好きな俳優が一度に共演していて、
 テープが擦り切れるほど観た。観た後は、心臓にポッカリ穴が開いたよう。


『グッドモーニング・バビロン!』(1987)
監督:パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ 出演:ヴィンセント・スパーノ、グレタ・スカッキ ほか
イタリアの夜からアメリカの朝へ。
態度はデカイが筋の通った監督役にチャールズ・ダンス、そしてスカッキが好演を見せている。
世紀の芸術品を造り出す腕を持っていながら、それを生かす場がないままに戦死してしまうのは惜しい。


『リップスティック』(1976)
監督:ラモント・ジョンソン 出演:マーゴ・ヘミングウェイ、アン・バンクロフト ほか
以前にも言ったが基本的に裁判ものは大体好きだから自然にこの1本も面白く観た。
しかし、いかにも真面目そうな奴が・・・ていうパターンはあると思ったけど、
いかにも人の良い先生がっていう設定は恐ろしくてとてもショックだった。
それにこのクリス・サランドンは異常な役柄の中にも不気味に人を惹きつけるところがあるから不思議。
かなりの問題作じゃないかしら?
この姉妹、似ていると思っていたら、本当の姉妹なのね。
マリエルが田舎娘丸出しみたく若くて面白い。


『ボクが病気になった理由』(1990)
第1話「マイ・スウィート・リトル・キャンサー」
監督:鴻上尚史 出演:鷲尾いさ子、地井武男 ほか

第2話「ランゲルハンス・コネクション」
監督:大森一樹 出演:名取裕子 ほか

第3話「ハイパーテンション・ロード」
監督:渡邊孝好 出演:中川安奈 ほか

オムニバスブームといおうか、気軽に楽しめるのがイイ。
面白い配役でそれぞれ病気をテーマにコミカルなシーンがある。
第1話のラストはなぜだか理由はサッパリ分からないけど、涙がボロボロ出た。
真ん中の話は友だちと電話をしていてよく観れなかった。面白ろそうだったけど。
3話目の女優は烏丸えつ子を思い出させるハツラツとした魅力があった。
大竹まことも純粋なやもめ役を好演していた。

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