過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
スクラップブックから10作ずつのご紹介。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『ナッツ』(1987)
監督:マーチン・リット 出演:バーブラ・ストライサンド、リチャード・ドレイファス ほか
いわゆる裁判ものでも、これは裁判を受けることが可能かどうかを判決するまでの話。
一時もジッとしていないで、怒りや暴言、暴力的行為で精神不安定、
なんらかの精神異常と診断された女。
愛しすぎること、一人の人間の権利、そして1つの真実。
裁判劇を通して本質的な事柄を訴えてくる。
バーブラの不思議な魅力とドレイファスとの味のあるやりとりがイイ。
■『THE BEAR』(1988)
監督:ジャン=ジャック・アノー 出演:チェキー・カリョ ほか
最後に現れる“動物には一切危害を加えていない”というテロップ通りだとしたら、
一体どうやってこれだけのストーリー性をもてたのかまったく驚き。
また子熊が夢を見るシーンなどは新鮮で、斬新なアイデアだし、
一貫して動物の暮らしぶりにスポットを当てているのはイイ。
■『PICNIC AT HANGING ROCK』(1975)
監督:ピーター・ウィアー 出演:レイチェル・ロバーツ ほか
やはり事実を正直に追っているだけに、ストーリー的には弱いけれど
オーストラリアの田舎の古き禁欲的で神秘的だった時代にありがちな神隠し的行方不明事件。
予知能力を持つ少女が本当の天使のようで、その魅力にとりつかれる青年貴族の気持ちも分かる。
結局ハッキリした理由は明らかではないが、どこかしら別次元の世界との
接点がありそうなSFっぽい雰囲気があった。
■『コックと泥棒、その妻と愛人』
監督:ピーター・グリーナウェイ 出演:リシャール・ボーランジェ ほか
いやあ、キョーレツとしか言いようがない作品。ここまでグルメをつきつめた映画も珍しいよね。
時間は夜、場所はレストラン、場面は夕食時、出演者はタイトル通り。
特別な意味はないように思えるが、とにかく映像が凝っている!
■『溝の中の月』(1982)
監督:ジャン=ジャック・ベネックス 出演:ジェラール・ドパルデュー、ナスターシャ・キンスキー ほか
確かに掴みどころのない作品だけれども、一貫して妖艶な青白い月のしたで展開させているところがとてもイイ。
ドパルデューは、淀川さんが「鼻が曲がってユニークな顔をしている役者」と言ってた人。
キンスキーは好んでこういった難解で幻想的な作品に出る。当時21歳。
大輪の花がまだ咲き始めたばかりの不思議な輝きがあった。
■『トップガン』(1986)
監督:トニー・スコット 出演:トム・クルーズ、ケリー・マクギリス ほか
アメリカ映画らしく単純というか、分かりやすくていいんだけれども、
アクション映画もトム(彼の人気が一体どこから来ているのかサッパリ理解出来ない)も
あまり好きじゃないせいか、ずっと退屈してしまった。
ただ『目撃者』の時の堅めなイメージから少し発展したケリーの美しさはいつでも変わらない。
■『FEVIATHAN』(1989)
監督:ジョージ・P・コスマトス 出演:ピーター・ウェラー、アマンダ・ペイズ ほか
海底密室ものは必ず当たるといわれているようだけど、限られたスペースと、限られた空気で、
必ず裏切り者がいて、汚いモンスターと一緒に閉じ込められてパニックとなる。
この作品の中に出てくるモンスターは、人の生き血を吸い取る映画ならではの生物でちょっと信じ難い。
地質学者に扮するウェラーがイイ。その彼女がモンスターに対するシーンは『エイリアン』のリプリーそのまんま。
■『THE MORNING AFTER』(1986)
監督:シドニー・ルメット 出演:ジェーン・フォンダ、ジェフ・ブリッジス ほか
フォンダが売れない女優役でなんとも人生においてアンラッキーな女を演じる。
「僕も3つ数えると君を消せる魔法が使えるんだ。1つ君に会えてよかった。
2つどうもありがとう。3つ元気で」「・・・効かなかったわ」
「いつも失敗するんだ」「じゃあ二度とかけないで。わたしにはあなたが必要なの」
■『L'INNOCENTE』(1975)
監督:ルキノ・ヴィスコンティ 出演:ジャンカルロ・ジャンニーニ ほか
監督の熟練さがひしひしと伝わってきて、ひとつひとつコマを止めるたびに
写実画のような美しい画像が浮かび上がる。
主人公である男優の美しさとそのエゴからくる多弁さ、
ラウラ・アントネッリの神経質な表情と対照的な肉体美に気をとられすぎてストーリーがハッキリと伝ってこない。
謎の部分がたくさん残りはしたけれども、自分の妻を愛することが敗北だろうか?
■『美しすぎて』(1989)
監督:ベルトラン・ブリエ 出演:ジェラール・ドパルデュー、ジョジアーヌ・バラスコ、キャロル・ブーケ ほか
ドパルデューもなかなかだけれど、この作品はバラスコのお陰でなりたっているのではなかろうか。
「美人というわけじゃないが、とても感じがいいんだ」
ブスでも心の美しさは負けないとしっかりしている愛人と、
美人だが傲慢にはなりきれず、ひたすら夫を愛し続ける妻は対照的。
最初は予告を観ているのかと思ったくらい展開の仕方、セリフ、
構成に独特なものがあり、不思議な、それでいて自然な空気を作っている。
スクラップブックから10作ずつのご紹介。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『ナッツ』(1987)
監督:マーチン・リット 出演:バーブラ・ストライサンド、リチャード・ドレイファス ほか
いわゆる裁判ものでも、これは裁判を受けることが可能かどうかを判決するまでの話。
一時もジッとしていないで、怒りや暴言、暴力的行為で精神不安定、
なんらかの精神異常と診断された女。
愛しすぎること、一人の人間の権利、そして1つの真実。
裁判劇を通して本質的な事柄を訴えてくる。
バーブラの不思議な魅力とドレイファスとの味のあるやりとりがイイ。
■『THE BEAR』(1988)
監督:ジャン=ジャック・アノー 出演:チェキー・カリョ ほか
最後に現れる“動物には一切危害を加えていない”というテロップ通りだとしたら、
一体どうやってこれだけのストーリー性をもてたのかまったく驚き。
また子熊が夢を見るシーンなどは新鮮で、斬新なアイデアだし、
一貫して動物の暮らしぶりにスポットを当てているのはイイ。
■『PICNIC AT HANGING ROCK』(1975)
監督:ピーター・ウィアー 出演:レイチェル・ロバーツ ほか
やはり事実を正直に追っているだけに、ストーリー的には弱いけれど
オーストラリアの田舎の古き禁欲的で神秘的だった時代にありがちな神隠し的行方不明事件。
予知能力を持つ少女が本当の天使のようで、その魅力にとりつかれる青年貴族の気持ちも分かる。
結局ハッキリした理由は明らかではないが、どこかしら別次元の世界との
接点がありそうなSFっぽい雰囲気があった。
■『コックと泥棒、その妻と愛人』
監督:ピーター・グリーナウェイ 出演:リシャール・ボーランジェ ほか
いやあ、キョーレツとしか言いようがない作品。ここまでグルメをつきつめた映画も珍しいよね。
時間は夜、場所はレストラン、場面は夕食時、出演者はタイトル通り。
特別な意味はないように思えるが、とにかく映像が凝っている!
■『溝の中の月』(1982)
監督:ジャン=ジャック・ベネックス 出演:ジェラール・ドパルデュー、ナスターシャ・キンスキー ほか
確かに掴みどころのない作品だけれども、一貫して妖艶な青白い月のしたで展開させているところがとてもイイ。
ドパルデューは、淀川さんが「鼻が曲がってユニークな顔をしている役者」と言ってた人。
キンスキーは好んでこういった難解で幻想的な作品に出る。当時21歳。
大輪の花がまだ咲き始めたばかりの不思議な輝きがあった。
■『トップガン』(1986)
監督:トニー・スコット 出演:トム・クルーズ、ケリー・マクギリス ほか
アメリカ映画らしく単純というか、分かりやすくていいんだけれども、
アクション映画もトム(彼の人気が一体どこから来ているのかサッパリ理解出来ない)も
あまり好きじゃないせいか、ずっと退屈してしまった。
ただ『目撃者』の時の堅めなイメージから少し発展したケリーの美しさはいつでも変わらない。
■『FEVIATHAN』(1989)
監督:ジョージ・P・コスマトス 出演:ピーター・ウェラー、アマンダ・ペイズ ほか
海底密室ものは必ず当たるといわれているようだけど、限られたスペースと、限られた空気で、
必ず裏切り者がいて、汚いモンスターと一緒に閉じ込められてパニックとなる。
この作品の中に出てくるモンスターは、人の生き血を吸い取る映画ならではの生物でちょっと信じ難い。
地質学者に扮するウェラーがイイ。その彼女がモンスターに対するシーンは『エイリアン』のリプリーそのまんま。
■『THE MORNING AFTER』(1986)
監督:シドニー・ルメット 出演:ジェーン・フォンダ、ジェフ・ブリッジス ほか
フォンダが売れない女優役でなんとも人生においてアンラッキーな女を演じる。
「僕も3つ数えると君を消せる魔法が使えるんだ。1つ君に会えてよかった。
2つどうもありがとう。3つ元気で」「・・・効かなかったわ」
「いつも失敗するんだ」「じゃあ二度とかけないで。わたしにはあなたが必要なの」
■『L'INNOCENTE』(1975)
監督:ルキノ・ヴィスコンティ 出演:ジャンカルロ・ジャンニーニ ほか
監督の熟練さがひしひしと伝わってきて、ひとつひとつコマを止めるたびに
写実画のような美しい画像が浮かび上がる。
主人公である男優の美しさとそのエゴからくる多弁さ、
ラウラ・アントネッリの神経質な表情と対照的な肉体美に気をとられすぎてストーリーがハッキリと伝ってこない。
謎の部分がたくさん残りはしたけれども、自分の妻を愛することが敗北だろうか?
■『美しすぎて』(1989)
監督:ベルトラン・ブリエ 出演:ジェラール・ドパルデュー、ジョジアーヌ・バラスコ、キャロル・ブーケ ほか
ドパルデューもなかなかだけれど、この作品はバラスコのお陰でなりたっているのではなかろうか。
「美人というわけじゃないが、とても感じがいいんだ」
ブスでも心の美しさは負けないとしっかりしている愛人と、
美人だが傲慢にはなりきれず、ひたすら夫を愛し続ける妻は対照的。
最初は予告を観ているのかと思ったくらい展開の仕方、セリフ、
構成に独特なものがあり、不思議な、それでいて自然な空気を作っている。