過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part12からのつづき。
■『ザ・テレフォン』(1988)
出演:ウーピー・ゴールドバーグ ほか
ほとんどウーピーの一人芸ともいえるパフォーマンスの雨嵐。
狭いアパートで隣人のわめき声にもめげずぶっ通し電話をかけまくるウーピーのコメディ・・・
と思いきや、実はずっと恐ろしい現代の孤独な都会人の実態というギャフンといわせる結末なのだ。
コワーーーイ
■『雨に唄えば』(1952)
出演:ジーン・ケリー、ドナルド・オコナー ほか
単なるロマンスものと思いきや、無声映画からトーキーへ移った大変革の中で
苦労して大スターになった俳優と親友、スターを夢見るショーガール、
声がまるで変な無声映画の大スター女優、これらの登場人物で映画の中の映画の話を
舞台裏話仕立てに何層にも重なり合っていて面白い。
現実と映画と幻想がミュージカルでつながっていて、どっちがどっちだか分からなくなる。
ジーン・ケリーの見事な二枚目半のエンターテイメントぶりがイイ。
ケリーの影で薄いが、親友役も信じ難いほどのドタバタぶりを披露している。
それにしても『ザッツ・エンタテイメント』の時にすでにアステアがあの歳だったから、
ケリーだって今はもうそうとうおじいさんのはずよね。
古き良き時代のMGM映画。
■『レディ・ホーク』(1985)
監督:リチャード・ドナー 出演:マシュー・ブロデリック、ルドガー・ハウアー、ミッシェル・ファイファー ほか
おとぎ話風で悪役たちもそう絶対的に強くないのがイイ。
マシューが物語りをずっと現代風にしていて、
昔話のような世界で彼の軽い喋りだけが都会っぽくて面白い。
■『オールウェイズ』(1989)
製作・監督:スティーヴン・スピルバーグ 出演:リチャード・ドレイファス、ホリー・ハンター、オードリー・ヘップバーン ほか
『ゴースト』で恋人の幽霊話が大々的にヒットしたかのようだが、
アメリカ映画ではけっこういろんなところで使われているアイデアだ。
山火事を消火する飛行士たちを題材にしたラブロマンスもので、
人は死ぬと誰かのインスピレーションとなるというアイデアも面白い。
スピルバーグお気に入りドレイファスの思いっ切り笑えて、思いっきり泣ける、いつも味のある演技が観れる。
2人の思い出の曲♪煙が目にしみる もそれっぽくてうまく使われているなって感じ。
■『クリスチーネ・F~麻薬と売春の日々』(1981)
音楽:デヴィッド・ボウイ
14歳の若さで麻薬中毒死してゆく友人たち。
興味本位で始めても命取りになり、止めようとするのも命がけ。
何グラムかを手に入れるためにゲイに体を売る男の子。
この悲惨な状況が実際に起こっている現在進行形の問題だとは信じ難い。
禁断症状の顔ときたら、まるで地獄から這い上がってきたかのようだ。
♪HEROES 、♪STATION TO STATION ほかたくさんのボウイのヒットナンバーがBGM。
当時のコンサート風景なんかをそのままに見れて、本当うらやましい限り。
でも、ボウイのコンサートってあんなにいかがわしい客ばっかりだったのかしら?
■『Sweet Murder』
幼児のころ、父親に性的いたずらをされたらしいという過去を少し匂わせてあるのだが、
どこにでもいそうな少女が死体を無表情で切り刻むシーンや、
井戸へ捨てるのはありそうで怖いし、これを観て誰か真似しそうで怖い。
ストーリーがそのまんまで工夫がなく、現実的すぎて吐き気がしてくる。
■『ペーパームーン』(1973)
監督:ピーター・ボグダノビッチ 出演:ライアン・オニール、テイタム・オニール ほか
両親を亡くしたませた女の子が、唯一の肉親である叔母の家までの愉快な旅を描いたロードムーヴィー。
2人が実の親子だけに息が合っている。
テイタム当時10歳。今作で史上最年少のオスカーをとったそうだが、
本当に男の子か女の子か分からないふくれっ面が生意気ぽくて可愛い。
彼女は子役で活躍し、結婚してからずっと活動していなかっただけに、1990からの再活躍が楽しみ。
■『クリスマス・キャロル』(1984)
監督:クライヴ・ドナー 出演:ジョージ・C・スコット ほか
ディケンズはクリスマスを休日にし、もっと楽しもうと唱えたが、
日本では祝日ではあっても休めない、グッズのよく売れる日だ
■『カラーパープル』(1985)
監督:スティーヴン・スピルバーグ 出演:ウーピー・ゴールドバーグ、ダニー・グローヴァー ほか
スピルバーグ作品だとは驚き。ウーピーがオスカーにノミネートされ、惜しくも逃した作品。
女は確かに男より体力的に弱いかもしれないけれども、
だからといって守られるためだけに生まれて来たわけじゃない。
なのに、なんて長い間それといった理由もなく、白人が黒人を、男が女を奴隷のようにしたがるのか、
真っ直ぐ訴えかけてくる映画だ。
悲惨な運命を神の支えによって受け入れてゆくウーピーの演技がじっくり堪能できる。
現在はコメディ方面で活躍しているが。
クリクリしたイタズラっぽい目で笑う表情が印象的。
南アメリカの荒っぽい土地も雰囲気をとらえている。
■『He said, She said』(1991)
監督:ケン・クワピス、マリサ・シリバー 出演:ケビン・ベーコン、エリザベス・パーキンス ほか
テレビ本番中にローリーがコーヒーカップをダンの頭に投げて見事命中!
その理由とは・・・?と最初の出逢いから回想して聞かせる2人のそれぞれの思い出話は、
あらかた同じでも細かい部分が男女の見方によって微妙に違う。
話にキレがなくてちょっと退屈だが、ケビンのファンなら彼のプレイボーイぶりが堪能できる。
なんやかや言っても結局うまくおさまったこの2人、続きは『結婚の条件』になるのかも
■『ターミネーター2』(1991)(劇場にて
監督:ジェームズ・キャメロン 出演:アーノルド・シュワルツネッガー、リンダ・ハミルトン ほか
ストーリーの丁寧な構成は第一級小説並み。
核戦争、コンピュータ社会と人間との対決。
時空間の複雑さもロマンスと親子愛を交えてなんのその。
機械と子どものやりとりのユーモアまでサービスして物凄いアクションSF映画に仕上がっている。
2、3ものはたいてい初作よりグンと質が落ちるのが定番だけど、
これを劇場で見逃した映画ファンにわたしは大いに同情したい。
とくに悪玉ターミネーターに追われるカーアクション
『マッドマックス』を劇場で観たらきっとこんなだろうって感じの
臨場感と迫力とスピードで観客は驚いたり、溜め息ついたり。
液体金属で出来ているというニューモデルの俳優も無機質でピッタリ。
転んでも信じられないスピードで走ってくるシーンは、思わず驚きの笑いがおこったくらい。
アイデアも凄ければ、特殊撮影もとうとうここまできたか!って感じ。
将来、重要なリーダーとなるジョン役の少年も、重大な運命を抱えながらも、
いかにも現代っ子ぽいところがあってイイ演技をしている。
リンダのすっかり鍛えられたボディも一見の価値があるし、
シュワちゃんのターミネーターが味方だったのは思い切り意表をつかれたし、
徐々に人間に近づき心まで持つようになるところも感動する。
さて、映画では核戦争の未来は消滅されたが、現実の未来はどうだろう?
ブランコで遊ぶ子どもたちまで黒焦げに吹き飛ばしてしまう姿を想像すれば、
あんなに恐ろしいものを作ることはできないだろうに。
“It's no dune.”
未来は運命によってではなく、われわれが創りあげるものだ。
■『ホット・ショット』(1991)(劇場にて
出演:チャーリー・シーン ほか
最初から最後まで細かい芸がちりばめてあって、とにかく料金分は笑って頂こうって感じ。
みな真面目な顔をして演じているところがイイ
チャーリーもやっとヒット作に巡り会えたのがコメディだったのが可笑しいね。
いろんな映画のパロディで成り立っているのが映画ファンには楽しい。
part12からのつづき。
■『ザ・テレフォン』(1988)
出演:ウーピー・ゴールドバーグ ほか
ほとんどウーピーの一人芸ともいえるパフォーマンスの雨嵐。
狭いアパートで隣人のわめき声にもめげずぶっ通し電話をかけまくるウーピーのコメディ・・・
と思いきや、実はずっと恐ろしい現代の孤独な都会人の実態というギャフンといわせる結末なのだ。
コワーーーイ
■『雨に唄えば』(1952)
出演:ジーン・ケリー、ドナルド・オコナー ほか
単なるロマンスものと思いきや、無声映画からトーキーへ移った大変革の中で
苦労して大スターになった俳優と親友、スターを夢見るショーガール、
声がまるで変な無声映画の大スター女優、これらの登場人物で映画の中の映画の話を
舞台裏話仕立てに何層にも重なり合っていて面白い。
現実と映画と幻想がミュージカルでつながっていて、どっちがどっちだか分からなくなる。
ジーン・ケリーの見事な二枚目半のエンターテイメントぶりがイイ。
ケリーの影で薄いが、親友役も信じ難いほどのドタバタぶりを披露している。
それにしても『ザッツ・エンタテイメント』の時にすでにアステアがあの歳だったから、
ケリーだって今はもうそうとうおじいさんのはずよね。
古き良き時代のMGM映画。
■『レディ・ホーク』(1985)
監督:リチャード・ドナー 出演:マシュー・ブロデリック、ルドガー・ハウアー、ミッシェル・ファイファー ほか
おとぎ話風で悪役たちもそう絶対的に強くないのがイイ。
マシューが物語りをずっと現代風にしていて、
昔話のような世界で彼の軽い喋りだけが都会っぽくて面白い。
■『オールウェイズ』(1989)
製作・監督:スティーヴン・スピルバーグ 出演:リチャード・ドレイファス、ホリー・ハンター、オードリー・ヘップバーン ほか
『ゴースト』で恋人の幽霊話が大々的にヒットしたかのようだが、
アメリカ映画ではけっこういろんなところで使われているアイデアだ。
山火事を消火する飛行士たちを題材にしたラブロマンスもので、
人は死ぬと誰かのインスピレーションとなるというアイデアも面白い。
スピルバーグお気に入りドレイファスの思いっ切り笑えて、思いっきり泣ける、いつも味のある演技が観れる。
2人の思い出の曲♪煙が目にしみる もそれっぽくてうまく使われているなって感じ。
■『クリスチーネ・F~麻薬と売春の日々』(1981)
音楽:デヴィッド・ボウイ
14歳の若さで麻薬中毒死してゆく友人たち。
興味本位で始めても命取りになり、止めようとするのも命がけ。
何グラムかを手に入れるためにゲイに体を売る男の子。
この悲惨な状況が実際に起こっている現在進行形の問題だとは信じ難い。
禁断症状の顔ときたら、まるで地獄から這い上がってきたかのようだ。
♪HEROES 、♪STATION TO STATION ほかたくさんのボウイのヒットナンバーがBGM。
当時のコンサート風景なんかをそのままに見れて、本当うらやましい限り。
でも、ボウイのコンサートってあんなにいかがわしい客ばっかりだったのかしら?
■『Sweet Murder』
幼児のころ、父親に性的いたずらをされたらしいという過去を少し匂わせてあるのだが、
どこにでもいそうな少女が死体を無表情で切り刻むシーンや、
井戸へ捨てるのはありそうで怖いし、これを観て誰か真似しそうで怖い。
ストーリーがそのまんまで工夫がなく、現実的すぎて吐き気がしてくる。
■『ペーパームーン』(1973)
監督:ピーター・ボグダノビッチ 出演:ライアン・オニール、テイタム・オニール ほか
両親を亡くしたませた女の子が、唯一の肉親である叔母の家までの愉快な旅を描いたロードムーヴィー。
2人が実の親子だけに息が合っている。
テイタム当時10歳。今作で史上最年少のオスカーをとったそうだが、
本当に男の子か女の子か分からないふくれっ面が生意気ぽくて可愛い。
彼女は子役で活躍し、結婚してからずっと活動していなかっただけに、1990からの再活躍が楽しみ。
■『クリスマス・キャロル』(1984)
監督:クライヴ・ドナー 出演:ジョージ・C・スコット ほか
ディケンズはクリスマスを休日にし、もっと楽しもうと唱えたが、
日本では祝日ではあっても休めない、グッズのよく売れる日だ
■『カラーパープル』(1985)
監督:スティーヴン・スピルバーグ 出演:ウーピー・ゴールドバーグ、ダニー・グローヴァー ほか
スピルバーグ作品だとは驚き。ウーピーがオスカーにノミネートされ、惜しくも逃した作品。
女は確かに男より体力的に弱いかもしれないけれども、
だからといって守られるためだけに生まれて来たわけじゃない。
なのに、なんて長い間それといった理由もなく、白人が黒人を、男が女を奴隷のようにしたがるのか、
真っ直ぐ訴えかけてくる映画だ。
悲惨な運命を神の支えによって受け入れてゆくウーピーの演技がじっくり堪能できる。
現在はコメディ方面で活躍しているが。
クリクリしたイタズラっぽい目で笑う表情が印象的。
南アメリカの荒っぽい土地も雰囲気をとらえている。
■『He said, She said』(1991)
監督:ケン・クワピス、マリサ・シリバー 出演:ケビン・ベーコン、エリザベス・パーキンス ほか
テレビ本番中にローリーがコーヒーカップをダンの頭に投げて見事命中!
その理由とは・・・?と最初の出逢いから回想して聞かせる2人のそれぞれの思い出話は、
あらかた同じでも細かい部分が男女の見方によって微妙に違う。
話にキレがなくてちょっと退屈だが、ケビンのファンなら彼のプレイボーイぶりが堪能できる。
なんやかや言っても結局うまくおさまったこの2人、続きは『結婚の条件』になるのかも
■『ターミネーター2』(1991)(劇場にて
監督:ジェームズ・キャメロン 出演:アーノルド・シュワルツネッガー、リンダ・ハミルトン ほか
ストーリーの丁寧な構成は第一級小説並み。
核戦争、コンピュータ社会と人間との対決。
時空間の複雑さもロマンスと親子愛を交えてなんのその。
機械と子どものやりとりのユーモアまでサービスして物凄いアクションSF映画に仕上がっている。
2、3ものはたいてい初作よりグンと質が落ちるのが定番だけど、
これを劇場で見逃した映画ファンにわたしは大いに同情したい。
とくに悪玉ターミネーターに追われるカーアクション
『マッドマックス』を劇場で観たらきっとこんなだろうって感じの
臨場感と迫力とスピードで観客は驚いたり、溜め息ついたり。
液体金属で出来ているというニューモデルの俳優も無機質でピッタリ。
転んでも信じられないスピードで走ってくるシーンは、思わず驚きの笑いがおこったくらい。
アイデアも凄ければ、特殊撮影もとうとうここまできたか!って感じ。
将来、重要なリーダーとなるジョン役の少年も、重大な運命を抱えながらも、
いかにも現代っ子ぽいところがあってイイ演技をしている。
リンダのすっかり鍛えられたボディも一見の価値があるし、
シュワちゃんのターミネーターが味方だったのは思い切り意表をつかれたし、
徐々に人間に近づき心まで持つようになるところも感動する。
さて、映画では核戦争の未来は消滅されたが、現実の未来はどうだろう?
ブランコで遊ぶ子どもたちまで黒焦げに吹き飛ばしてしまう姿を想像すれば、
あんなに恐ろしいものを作ることはできないだろうに。
“It's no dune.”
未来は運命によってではなく、われわれが創りあげるものだ。
■『ホット・ショット』(1991)(劇場にて
出演:チャーリー・シーン ほか
最初から最後まで細かい芸がちりばめてあって、とにかく料金分は笑って頂こうって感じ。
みな真面目な顔をして演じているところがイイ
チャーリーもやっとヒット作に巡り会えたのがコメディだったのが可笑しいね。
いろんな映画のパロディで成り立っているのが映画ファンには楽しい。