2014年5月8日から10日にかけて、高校○年は被災地(南三陸・石巻)へ赴き震災学習を中心とする研修旅行を実施しました。東日本大震災が発生したのは2011年3月11日です。震災後、被災地では観光客が激減していました。被災されたうえに、現地で立ち上がろうとされている多くの観光業に携わっている方々にもこのような更なる災難が降りかかっている実態を耳にしました。私たちが東北の被災地に行く事で喜ばれ、生徒も今だからこそ学べることがあるはずという考えのもと、○○では被災地への研修旅行を震災の半年後に計画し2012年5月に高校□年生の約400名からなる学年団としての第一回目の旅行を実施いたしました。当時は、「行くことに意味があった」と思います。南三陸の20メートル以上の高さのビル屋上には自動車が乗り上げたままに放置されていました。震災後の独特な匂いもその悲惨さを物語っていました。街には何もなく、粉々になった小さなガラス片が地面で輝いていた光景は今まで見たこともないような異様な光景でもありました。
2014年5月、本校としては3回目の被災地訪問の旅を実施しました。今回の研修旅行を計画するにあたって考えたのは「東日本大震災を風化させない」ことです。テレビや新聞報道を通じて、頭に描いている被災地の姿(擬似環境)ではなく、直接被災地に行って被災地の今を見ることや災害を直接体験した方々からお話を聞くことで各自が感じることがあるはず。さらに、復興なかばの被災地現場において、少しでも役に立てるようなボランティア体験をすることで現地の方々と交流し、現地の方々とつながること、そして自分の事として震災をとらえることを研修旅行目的の一つとしました。
生徒の皆さんから提出された感想をみると研修旅行目的は達成されたようにも思われます。ぜひとも、この研修旅行経験を通じて感じたことを一過性のものにしないで欲しいと思います。
(中省略)
思い返せば2011年の秋、今回の旅行にも同行された○▽校長の許可がおりなければ、この東北研修旅行は実施できませんでした。この書面をおかりして校長の英断に改めて感謝いたします。
参加者の生徒のみなさんにとって、この研修旅行が意味ある旅であり、有意義な研修旅行になったのであれば、我々引率教員一同にとっても幸せです。