3月24日(土)と3月25日(日)の二日間を利用して防災士講習を受講しました。
1日7時間にも及ぶ講義と最終日の試験にグッタリです。
会場は日吉駅や田町駅そばのグリーンパークという貸しビル内。
受講者は約100名。
性別構成は約80%が男性で、残りが女性でした。
年齢の幅は、若者から高齢者まで多彩。
しかし、いく分、中高年の男性が主体でした。
私のように身銭を切って自主的に参加している人もいれば、
市町村役場や郵便局からの派遣や見るからに消防士とわかる人など多彩でした。
受講した講義内容の中で印象に残っていることを2、3紹介したいと思います。
まずは救急・集中治療科の医師の話。
それは大都市での疾病者10人の事故と過疎地での疾病者10人の事故の違いです。
都内には約500台の救急車があるので、9分以内に現場に救急車が9台到着して病院に搬送可能です。
しかし、過疎地では救急車の数や総合病院の数も少ないのでキャパシティーを超える患者数に対しての対応も異なるとの話でした。
他に興味深かったのは練馬区の病床ベッド数は23区で最低という話でした。
それが23区平均の3分の1しかないという医療過疎地区であることを指摘されていました。
理由は、練馬区、北区、豊島区というブロック単位で平均して病床ベッド数が決まるのです。
その他の区に日大病院、帝京大病院など大学付属の大病院があるので練馬だけ少なくなっているとのこと。
なるほど。
しかし、しかし何か事故が発生した場合の危機管理は行政区単位で実施されるという矛盾。
行政区内の医師会、歯科医師会、薬剤士会、柔道整復師が協力して危機に対応するそうです。
でも、有事に歯科医師会は何をするの?を明確にしておかないといけない問題もあるそうです。
その他には、東大の総合防災センター教授の話。
復興と復旧についての話は興味深いものでした。
それは、東日本大震災で街を復興することを考える場合に、
山を削って高台に住宅を建てたり、
街全体の地盤を盛り土してかさ上げ、さらに津波対策に高い防波堤を作ったりしがちです。
でも、本当にそれでいいでしょうかという疑問の投げかけでした。
巨額の補助金をつぎ込んで街を復興しても、過疎地でも少子高齢化現象は止まらないという問題も残ります。
彼が言うのは、大規模に山を削るよりは町の中心にタワーマンションを建てる方が良いのではないかと言う意見です。
盛り土し、かさ上げし、山を削る支出よりは、はるかに少ない支出でマンションができるとのこと。
20メートルの防波堤を新たに築くよりもオーシャンビューの建物に皆が一緒に暮らした方が良いのではと言う指摘。
確かに、街を作り直すと言う発想には、昔のような街にすると言う復旧のイメージがありすぎるのかもしれません。