令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果によると登校できない生徒数が増加しています。
調査データによると登校できない生徒数が増加していることが明らかです。
2010年 2021年
小学校 22,462 → 53,350
中学校 97,428 →127,922
約10年間で小学校では30888名、中学校では30494名の不登校児の増加が見られます。
学年別不登校児童生徒数は学年があがるにつれて不登校数が増加する傾向も明らかです。
小1 小6 中3
2017年 1,692 10,894 41,500
2018年 2,296 14,061 45,213
2019年 2,744 16,594 48,271
原因の半数は「無気力」との調査結果が出ていますが、実際の原因は分からないというのが実情ではないかと思われます。
これはあくまで私見ですが学年が上がるにつれて、ストレスが増加するのかもしれません。
都道府県別の不登校生徒数順位は東京、大阪といった大都市です。
単純に大都市は生徒数が多いので不登校生徒も多いことは明白です。
1位 小学校:東京都5,318人、 中学校:東京都12,333人 、高等学校:大阪府 5,924人
しかしながら、都道府県別 1,000人当たりの不登校生徒数で見ると島根、宮城、沖縄が1位となってきます。
大都市、地方といった地域の問題ではなさそうです。
順位 小学校 中学校 高等学校
1位 島根県14.3人 宮城県51.0人 沖縄県27.3人
高校の場合の不登校数は多くはありません。
その理由は不登校になった時点で進路変更等を理由に通信制の高校に転学してしまうことが考えられます。
最近、不登校生徒が増えていることを実感しています。
大人にとってはたいした問題ではなくても、子どもにとっては大きな問題。
チョットしたことで学校に登校できなくなってしまう彼ら。
先生に厳しく叱られてという理由はほとんどなく、生徒間での問題に起因。
例えば、
・中学時代の友人に裏切られてそれを引きづって入学した生徒
・友人であると思っていたのにSNSに悪口を書かれていたことを発見して人間不信に陥り登校できない生徒
・クラスメイトの視線が気になって登校できなくなってしまう神経過敏な生徒
・彼女に振られてそのショックで登校できない生徒
仕事として時には家庭訪問をして彼らの言葉に耳を傾ける私たち。
その殆どが教員の手助けで解決できる問題ではありません。
我慢強さ、打たれ強さ<トレランス(tolerance)>が極端に弱い生徒たちに対してどのように対応するかは大きな課題です。