東京都の北区にある順天高校が北里大学の付属になるようです。
正直、驚きました。
というのも、順天高校は生徒募集には困っていません。
学力レベル的にも中堅以上、いや上位に位置する私立中高だからです。
しかし、冷静に考えると双方の学校にとってメリットがある合併です。
北里大学は医学部に加えて薬学、獣医、海洋生命科学、看護、理学、医療衛生、未来工学などを有している理科系の総合大学です。
学部の所在地も神奈川、東京、青森と広範囲に点在しています。
ということはたぶん不人気学部もあることが推測できます。
ある一定以上の学力レベルの生徒をある一定程度、毎年、恒常的に付属高校から入学させることはとても大学にとっては意味があります。
それは入学定員の確保に加えて、一般入試での合格者レベルを難化させるメリットがあるわけですから・・。
一般的に言って、医学部や獣医学部は開設されている学部数自体が少ないために入学するのに大変な学部です。
そのような学部を有している、付属の中学・高等学校であれば中学入試にチャレンジして入学したいと考える受験生徒も増加することは間違いありません。
たぶん、来年2月に行われる中学入試では大幅にその志願者の急増があるはずです。
さて、高大連携が高校側にとっても昨今のブームにもなっています。
A高校では午前中に授業が終わる日には、希望者対象でN大学の授業を受講して、試験が合格すれば、仮にN大学に入学した場合にはその科目の単位が卒業単位として認定されるそうです。
B女子高校ではC大学の教授に「探究」の授業をご担当いただいているそうです。
理工系大学に多くの女子生徒に進学してほしい大学側と、理系科目に興味がある生徒により興味深く、生徒に学ばせたい高校側のニーズが一致しているパターンです。
実際に、連携後は受験生が増えているそうです。
C高校では近隣にあるT大学の図書館を利用させていただいているそうです。
大学側としては受験生増加につながるオープンキャンパス参加者増に繋げたいはずです。
大学の施設設備を身近に感じてほしい大学側に対して、図書館や学習スペースが狭い高校側としては静かな環境で自習できるスペースを自校の高校生たちに無料で使用させていただくことはメリットがありそうです。
今後も、学校法人どうしが合併して大学が中学・高校を附属化する流れは続きそうです。