約40年間同じ私立の中学・高校で働いています。
そんな私はかつての生徒たちと、現代の生徒たちとの違いを感じることがあります。
1980年代、携帯電話やインターネットが無い時代には、紙に秘密内容を書いて授業中に見つからないようにそれを友人に渡すスリルを楽しむ生徒。
秘密の日記を家においておくのは保護者に見られそうで不安。
通学カバンに日記帳を常に入れて校則違反内容を書きこんでいた生徒たち。
今と違って、持ち物検査は何のためらいもなく実施されていた時代でした。
それらのメモや日誌に書かれていた内容は、その殆どが異性に関するものでした。
具体的には「〇〇というラブホテルに行った」など。
2030年、今では、秘密を友人にエアドロップで送ったり、SNSに書き込んだりと携帯電話を手放すことはできません。
当時と比べれると、電子データを瞬時に秘密に送ることが可能となりました。
SNSでは24時間で書かれた内容が消える「ストーリーズ」や「フリート」が流行っています。
情報が消える前にスク写して残すこともしているようです。
今、まさに中学・高校生に流行っているのが、「BeReal(ビーリアル)」です。
それは1日に1回、ランダムな時間に通知が送られてくる写真投稿サイト。
通知が届いてから2分以内に自分や周囲の状況を撮影して投稿しなければなりません。
投稿しない場合には、ビーリアルに投稿された写真閲覧ができなくなるそうです。
よって、授業中であろうがなかろうが、隠し持っていた携帯電話で何かを撮影して直ぐに投稿する生徒たち。
授業中に隠し持っていた携帯電話の撮影ボタンを押す。
その行為が問題になっています。
秘密を友人に伝えることで仲間意識を高めたい生徒たち。
閉じられた場での写真共有は内輪の仲間であることの確認です。
自分の秘密を他人にバラしたい。
他人の悪口を言って、内輪でうけたいなどの現象。
それらをすることで結びつく友達との人間関係構築は何年たっても変わらない行為なのです。