湿地環境を作っている一角に白い花の一群がありました。ナガボノシロワレモコウというワレモコウ属の一種。久しぶりに見る種です。北日本の草地や湿地に自生する高径の多年生草本。7~8cmもあろうかという長い穂状の花穂をもつ種ですが、高山の岩場などに見られるトウウチソウの仲間と一時混同していました。この種は北方系ではあっても基本は山地帯の湿地環境を好む種で高山には自生していないようです。ワレモコウの仲間もいろいろ変異があって興味深いのですが、ナガボノアカワレモコウという赤花の種もあるのだそうです。ワレモコウを観察していると、花穂が短いのやら結構長いものもであり、色も暗赤色からかなり薄めのものまであります。そういう変異のなかで穂が長く花が白い形質で安定したグループがこの種なのかななどと勝手に考えています。
ワレモコウノ属の葉はみんな奇数羽状複葉。ナガボノシロワレモコウは15対くらいあるそうです。
古い資料を調べてみると、10月下旬にまだ花穂の色が白く輝いているナガボノシロワレモコウをたきがしら湿原(新潟県阿賀町)で見ています。周囲の草木がそろそろ枯れ色をしているのにこの種だけが瑞々しいのです。さすがに葉はなく花が咲いているというような状態では無いのですが、果実が実っても花穂の色があせないという性質があるようです。
古い資料を調べてみると、10月下旬にまだ花穂の色が白く輝いているナガボノシロワレモコウをたきがしら湿原(新潟県阿賀町)で見ています。周囲の草木がそろそろ枯れ色をしているのにこの種だけが瑞々しいのです。さすがに葉はなく花が咲いているというような状態では無いのですが、果実が実っても花穂の色があせないという性質があるようです。