ヤマガシュウの隣にはマタタビも見られます。変哲もない山道脇の藪にも目を凝らせばいろいろなものが出てきて面白いもの。ここにある蔓には豊作とは言えないものの青い実がぽつぽつと見られ、熟した実を食べたら美味しいだろうなぁと思った次第。ところで、瓶詰にした青いマタタビを見ることがあっても、熟したマタタビを知らない人が意外に多いのに驚きです。熟した色も知らないようです。オレンジ色に熟し甘く何とも言えないコクもあります。サルナシが甘さだけを感じるのと少々異なります。そういう私もここ数年いい状態のマタタビの実を口にしていません。山歩きのタイミングが大切ですね。
いわゆる虫こぶ。タマバエの1種のマタタビミフクレフシが産卵した結果生じたものとされています。時にはほとんどの実が虫こぶになってしまったものもあるのですが、この蔓にはそれほど多くなくいくつかが散見される程度。薬効があるそうで結構珍重されます。そういえば、虫が関わった食材はそれほど日本にはありませんが、世界の食糧事情を考えると昆虫食をもっと考えるべきという発想のもと昆虫食の体験活動をされている方がおられます。個人的には気持ちの中には抵抗がある一人ですが、古くから日本人も昆虫を食材やそれに関するものに利用してきたという文化や歴史があるわけですから、ジビエが注目されてきたと同じ次元で考え方や行動を見直していく必要がありそうです。
この葉をマタタビと言える人はよほどの人でないといないのではないでしょうか。しかし、花の季節に葉が白くなるときはほとんどの人はマタタビとわかります。同じ葉でも季節季節で顔が異なることの面白さですね。たとえ植物であろうといろいろ工夫を凝らしていることがわかります。