カランとした林床にちょこんと立ち上がっているのがアオキです。樹高3m弱。葉は上部にかたまって付いていました。私にとってはとても面白い景観で、太平洋側と日本海側の違いを見事に表現している一場面と理解しました。日本海側にはヒメアオキという種が生育していますが樹高はせいぜい1mでほとんど地に這いつくばっていますから立ち上がることはありません。ユキツバキなどといっしょに生育しているため雪解け後の雑木林の林床は緑であふれています。雪の少ない地域の林床の低木は立ち上がり、雪の多い地域の低木は地に這う形状になるというある意味当然の形態になります。
ヒメアオキの葉はかなり変異があるのですが、それでもアオキほどの大きさにはならないと思います。概して日本海側の種の方が大きな葉、あるいは大きな花というケースが多いのですが、アオキに関しては日本海側の種の方が葉は小さめです。樹高も低いため「ヒメ」アオキとされる所以です。