坂戸山の山野草の保護活動をしておられるMさん、この種は何かと問われました。ザゼンソウによく似ていますからそう答えたものの、花を見たことがないといわれヒメザゼンソウであることに気づきました。ザゼンソウは花が先に咲くため葉が伸びるころには花がしぼみますが花の残骸はあるはずです。ヒメザゼンソウは先に葉が出て葉がしおれるころに花が咲くという性質でなおかつ花が小さいのであまり人目に触れないという面があります。花が咲く6月から7月頃には周りの草も生い茂り小さな花はますます目に着かないという状態になります。そういえば私もヒメザゼンソウの花をしばらく見ていません。4月末の「葉のあるザゼンソウ」は花が終わったザゼンソウでなくこれから咲くヒメザゼンソウです。葉の形を比較することができないのですが、ヒメザゼンソウはやや長めの楕円形、ザゼンソウは円形に近い楕円形になるようです。葉の大きさも一回り小さいのがヒメザゼンソウになります。
ザゼンソウは湿地の植物というイメージで水はけの悪い場所に見られますが、坂戸山のヒメザゼンソウはスギの林から登山道の脇の斜面にかなりの量が自生していました。自生している場所は傾斜があってもかなり水持ちのよさそうな場所で乾燥するようなところではないので水分が多い場所が必要なようです。花の季節に再び訪れてみたいものと思います。