森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

バイカウツギの実

2015年03月25日 | 自然観察日記
バイカウツギです。新潟県内にも時々見られますが分布にムラがありこの種のたどってきた歴史みたいなものを把握しにくい感じです。しいて言えば阿賀野川沿いに多く自生している気がしますから、太平洋側とのつながりは阿賀野川が関係していると見ています。福島の大内宿は阿賀野川の水系。バイカウツギが普通に見られることといい具合に繋がります。バイカウツギという名称ですから、梅の花に似ているのですが、あいにく未だに実物の花を見たことがありません。写真では半開きのウツギとは異なり花弁が開出して確かに梅の花のようですが、ただ花弁が4枚なのですね。私が住む長岡当たりの浅い山にはバイカウツギを見ません。なかなか出会えない花になっています。

バイカウツギの葉

2015年03月25日 | 自然観察日記
葉はやや広めです。葉に毛のある種があるそうで、ケバイカウツギとして区別するそうですが比較的同じ場所に見られるとも言いますからあまり細かいことを気にしないことにします。

マメコバチの住処をつるす ①

2015年03月24日 | 自然観察日記
上三依湿性植物園にはまだ数々の興味のあるものが見られるのですが、外来性のものも多く良い写真が撮れないものもありましたから一先ず紹介を終わりにして、途中立ち寄った大内宿の話題にします。
久々の大内宿はずいぶん観光化されて大勢の人でにぎわっていました。それはそれとして私の興味は福島の山間地の里山の自然がどうなっているのかですから、集落の端にある高台の林を目指して進みました。途中のかやぶき屋根の家屋が林立する一角に見慣れないものが釣り下がっていました。解説版がありマメコバチの巣にするためにカヤの茎を束ねてつるしてあるのだそうです。

ヤマジノホトトギス

2015年03月23日 | 自然観察日記
ヤマジノホトトギスも特に意図的に展示されているものでもないようで普通に自生しているもののようです。この種はほぼ全国的に自生しているしゅのようですが、新潟県内に限って言えば決して均一には分布していません。私が見た範囲では魚沼の特に清津川沿いに限られています。阿賀野川沿いなどにも僅かな記録はあるのですが、決して普通にあるものではありません。

ヤマジノホトトギスの花

2015年03月23日 | 自然観察日記
よく庭などに植えられていますから見慣れている花かもしれません。しかし、ホトトギスの花のつくりは独特で興味深い造形をしています。もっとも特徴的なものは雌しべの柱頭が三分裂していてその外側に花弁同様の斑点があり花弁と間違えそうです。ヤマジノホトトギスは他のホトトギスに比べ花弁が開出するところも大きな違いです。

シデシャジンの花

2015年03月22日 | 自然観察日記
展示されているものではなくしぜんに生育しているというものでも興味深いものがたくさんあります。園の最奥の片隅に見慣れない花が一株。記憶のどこかにあったようですが、その場では出てきません。帰りの車の中で図鑑で見た記憶がよみがえりシデシャジンという名を思い出しました。この花は1ケ月後、再び信州の飯田地方で見ることになるのですが、実物はこの時が初めてでした。やや花が痛んいることやカメラのピントが合わないなどでまともな写真にならないのですが、見るに堪えない中から我慢できそうなものを載せました。キキョウの仲間は結構花弁は大き目でしっかりしているのですが、このシデシャジンの花弁がなぜ細く切れ込んぢておまけにねじれているのでしょうか?進化の方向が不可解なものが多々ありますが、そのうちの一つのようです。

タチフウロ

2015年03月21日 | 自然観察日記
やや高径性の草むらに生育するフウロウソウのようで、新潟では見られない種です。タチフウロという名板がありちょうど花も咲いていましたからしっかりと観察できました。もちろん初めての出会いです。太平洋側に東北南部あたりから自生している種のようです。個体数が減ってきているとの話で、場所にとっては絶滅危惧種になっているとか。庭先の雑草であるゲンノショウコから山地草原のタチフウロ、高山のハクサンフウロなどを並べてみるとフウロウソウの仲間を違った観点で捉えることができるかもしれません。

タチフウロの花

2015年03月21日 | 自然観察日記
ハクサンフウロと似ていて正直単体では区別がつきにくい感じです。幾分小型の花というくらいです。新潟県内の低山帯ではフウロウソウの仲間に出会いませんが、太平洋側には各地にいろいろな地方種があるようで分類には手こずるみたいですね。

ノカンゾウ

2015年03月20日 | 自然観察日記
同属で八重咲きのヤブカンゾウは各所で見かけますが、ノカンゾウを新潟県内で自生のものを確認したことがありません。自生はあるのでしょうか?ニッコウキスゲを植えたつもりがノカンゾウが出てきたという笑える話は知っていますが、私が活動してきた範囲では出会いの少ない種です。里や山で幾分湿った土手などにも見られるそうで、人の暮らしに近いところに自生する種のようです。上三依の植物園で見かけました。そういえば、佐渡にトビシマカンゾウという種が自生種として扱われています。ヤブカンゾウは大陸由来の三倍体とかいわれます。このグループをワスレグサ属というのですが身近で接しているものが多い割には知らないことが多いグループです。

バイカイカリソウ

2015年03月20日 | 自然観察日記
葉は確かにイカリソウの葉ですが、新潟で見るトキワイカリソウの葉と比べ歪みが著しく大きいイカリソウが一塊生育していました。ラベルにバイカイカリソウとありましたが、今まで花を見たことがない種です。図説で調べていろいろとイカリソウに比べ異なることを知り驚いています。距がないことやイカリソウに見えない花のつくりなど是非是非本物の花を見てみたいと思っています。西日本型の種のようですからそう簡単に思いが実現しそうにないのが残念ですね。

ベニコウホネ

2015年03月19日 | 自然観察日記
コウホネの栽培品種の位置づけでしょうか、がくが赤い珍しいコウホネが見られました。うっすらと赤味を指すものは野生でもときおりあるそうですが、ここまできれいに赤くなるのはないでしょうね。
自然界でコウホネを見る機会が本当に減りました。子供頃には家の近くの水路にさえあったものですが、今は公園とか保護区とか特殊な場所に行かないと見れません。自然な河川でコウホネが自生している場所がありそうですが、本気になって探していないこともあって、私の行動範囲内では掌握していません。「河骨」とはよく言ったもので、確かに泥中に走る地下茎は堀り上げてみると節もあって真っ白な骨のよう。太さもちょうどそんな太さ。子供のころ引き抜いて遊んだようなことがあった気がします。