役所の近くに社会福祉協議会が管理する「スミレの湯」という共同浴場がある。温泉ではないが気軽に行ける施設としてときどき利用する。平日だとひとりで独占できるほど利用者が少ないのが残念だが、土日にはキャンプ場利用者もやってきてにぎやかになる。喫茶店とか軽食を利用できる店があると利用者も増えるのではないかと素人考えがめぐる。
そんなのぼせた湯上りでふと駐車場の上を見ると、カンザクラが咲いていた。
花が小さく色も薄いので目立たないところがいい。冬の枯れた風景のなかに強烈な色合いではないところが日本的だ。春の桜吹雪の舞う華やかさもいいが、こういうなにげない偶然性にハッとできる存在感がいい。桜も人間と同じく多様性があることを再認識する。
そういえば、某宗教新聞に「多様性」という言葉を多用するのに気がついた。異教徒に攻撃的だったこの宗派も少しは大人になったのかなと思うが、まだまだ感情的体質なのは払拭できていない。情報は偏っちゃぁいけないよ。そんなことを思いめぐらすカンザクラだった。