畑周辺で刈り取ってきた雑草や古い支柱が目の高さまで積もってきたので、あわてて焚き火をしていく。久々に会いたかった「キネマ航空CEO」さんにも無理してきてもらった。風が強くないのでホッとしつつ慎重に火を燃やしていく。そしていつものように、うどんと卵だけの「ずりだし」のメインメニューで昼食とする。
さらに、「山猿」さんが持ってきてくれたドラム缶のバーベキューコンロで、サバ・焼き芋・牛肉・キクイモを焼いて胃の拡張を極限まで試みた。考えてみると、山猿さんは胃を全摘して間もない病み上がりの体だった。「若様」はそんな山猿さんのフォローをしてくれた。たわいのない会話ではあったが、みんなで火を囲み口を動かし山に囲まれた静謐のひと時を共有したのだった。
かなりの雑草や支柱といただいてきた材木の端材がすっかり燃え切ったころ散会となる。平日で急遽決まった焚き火会だったので参加したかった人は少なくない。たかがたわいのない野外活動だが、それぞれの所作のなかにはそれぞれの人生と生き方が現れており、自然との関係性も隠し切れない。火の炎や暖かさをみんなで共有することは、癒しやつながりを再生・深化することでもある。死線から甦った痩せた山猿さんにお目にかかれたことがうれしい。
積もった灰は畑にブレンドされる。冬の進行をすすめる巻雲が蒼い空を闊歩していた。