夏ごろからずっと咲いてきている花に感謝する。「ミゾソバ」(タデ科)の花は、鮮やかな桃色がコンペイトウみたいなので、「コンペイトウグサ」という別名がある。茎や葉を採って乾燥させたうえで煎じて飲むとリュウマチに良いという薬効もある。
また、葉の形が「牛の額」に似ていることから、それが別名になっている地域もある。一般的には、蕎麦の花や葉にも似ていることから、「ミゾソバ」の「蕎麦」がつく。「ミゾ」は字の通り田んぼや川の湿地帯に群生しているところから「ミゾ」がつく。実際、わが家の敷地内の水辺のそばに群生していて、そこに光が当たっているような鮮やかさがある。
近所から枝をいただいたアジサイの「墨田の花火」。それを挿し木していたものが昨年あたりから花を着けてくれた。それが11月になっても咲いているという長距離ランナーだ。中央の本当の花はやはり目立たないが、16個ほどもある周りの装飾花が魅力的だ。それも、花弁が八重になっているというサービスぶりだ。
花の茎が長いので、それが「花火」をたとえているらしい。「墨田」がなぜついたかはわからないが、ロマンある名前だ。12月くらいまでは咲いているので、アジサイの概念を変えてくれるヒーローでもある。
わが家のあちこちに雑草のように群落を形成している「ノハラアザミ」も長距離ランナーだ。背丈がどんどん高くなるので場所によっては雑草と一緒に草刈りしてしまうが、生かす方法はないかといつも思う。
春から咲く「ノアザミ」は和宮様お気に入りの花だ。「ノハラアザミ」と見分けがつかないが、和宮様はすぐわかる。花の大きさや色が全然違うと主張するが、オイラにはいま一つ分別つかない。一般的な見分け方には花の下にある「総苞」に粘りがあるのが「ノアザミ」で、粘りがないのが「ノハラアザミ」というが。
近所では秋の園芸植物が華やかに咲いているが、わが畑の周りにはススキと赤まんまの「イヌタデ」に侵食されている。そういう中で、このミゾソバ・ノハラアザミ・隅田の花火の三銃士には敢闘賞をあげたい、と珍しく当局は意欲的になっている。