和宮様が好物だというインゲンはすでに定植している。そこで、「モロッコインゲン」という種を試しに入手する。種はふつうのインゲンよりジャンボだった。また、成長も早くまもなく芽を出したので、さっそく畑に定植していく。
モロッコインゲンは、「平さやインゲン」の仲間で、タキイ種苗が登録した品種。莢を写真で見るとふつうのインゲンより平べったくて長く大きい。筋がなく、味は見た目より柔らかいという。原産地は中南米というが、「モロッコ」という名前がついているのが謎だった。
そんなことを思いながら、近所から支柱にする細い竹を貰ってくる。ついでに新ジャガもいただいた。
この「モロッコインゲン」が登場したのは戦時体制華やかな昭和初期。じつはそのころはやっていたのはモロッコを舞台にした映画「カサブランカ」が一世を風靡していて、「モロッコ」ブームがあった。それでこの名前を付けたらしい。
映画としては反ナチスの背景だったが、主人公役のボガードとバーグマンの苦渋のラブロマンスが戦時体制に疲れ気味の日本の民衆の心に響いたのだろう。ネーミングのセンスに今更ながら感心する。