蒸し暑い夏だった。しかも、梅雨のような雨足が続いた。そんなとき、和宮様がひょいと出していただいた「シソおにぎり」と冷たいドリンクがシンプルな清涼剤ともなった。ご飯は玄米と雑穀からなるおにぎりだった。いかにもヘルシーでシンプルだった。
そのおにぎりは、塩もみした自前のキュウリと焼きサケが基本だった。そこに、高菜や沢庵などを刻んだ漬物が混ざっていた。夏バテ気味になったとき、このおにぎりはお代りを止めるのが大変だった。程よい塩気が効いているのだろう。
さらには、海苔巻きの代わりに野生化して勝手に生えているシソを巻いて頬張るのだ。葉の大きさがまちまちだから大も小も交えて巻いていく。シソのシンプルな匂いが充満する。シソが足らなくなれば庭に採りに行けばよいというわけだ。高価な海苔の消費を心配しなくてもいいのが安心だ。食べ過ぎないようにするだけでいい。
そしてときに、栗原はるみさんのレシピだというミント入りの炭酸水がのどの渇きを癒してくれる。ミントは雑草化して庭に猛威を振るっているから、いくらでも供給可能だ。いつもは、「梅ジュース」をガブガブ飲んでいるが、ライム入りの炭酸水・「ノンアルコールモヒート」が爽やかを身体に届けてくれる。こういう配慮がうだる暑さ・蒸し暑さを押し返してくれる。
同じ空の下でも、ウクライナではロシア軍の残虐な殺戮や破壊が繰り返されている。人類はまだそうした行為を止めるには至っていない。さらには、地球温暖化対策さえ遅々たるものだ。こういう時代だからこそ、ひとり一人は何から始めるべきかが問われている。何に向かって生きていけばよいのか。今は、その方向が見えなくなった時代なのだろうか。右手にドリンク、左手におにぎりを持つ幸せに感謝しながら、空を睨む。