防獣柵に白い「X」字を発見した。このところ、害獣に破られてばかりの防獣ネットだったが、侵入禁止のサインという援軍なのだろうか。見事な「X」にしばらく見とれる。しかしこれは間違いなく蜘蛛の網には違いない。
X状の蜘蛛の網となると、コガネグモが有名だ。それは網だけでなく、手足2本ずつ束ねて体でX状のパフォーマンスも体で表現する。その理由は謎だ、Xだ。体の模様も黒字に黄色の横線が美しい。しかし、今回発見したクモは黒字に黄色の横線ではなかった。えっ、どういうこと??
そういえば、昨年の8月に撮ったコガネグモの雌のお尻をスクープしていた。お尻にある糸の発射管「糸いぼ」から糸を出している所を激写。レディには失礼だったがコガネグモのお尻側だ。つまり腹側の画像は図鑑に出ていないうえにネットでも極端に少ない。そのためコガネグモであることがわからなかった。
白いX状の網は、「隠れ帯(オビ)」とも言われ、自分の身を隠して獲物を待つ。この白い隠れ帯は紫外線を反射するので、昆虫の目にはそれが花のように見えるという。そこで昆虫が喜んで近寄ってしまうと餌食になってしまうというわけだ。白いX状の網はかなり入念に構築していた。まさか、害獣を獲ってくれるのか、もしくは侵入禁止サインを作ってくれたのかと、勝手な妄想で心強く思ったのだった。