和宮さまが突然叫んだ。「 なんでそこにー!?」と、シンクにいた「サワガニ」を指さす。雨の日にサワガニが玄関に進入したことはあったが、台所のシンクにまで進出したのは初めてだった。どうやってそこまで侵入したのかがまったくわからない。今まで発見したのは地べたや床がほとんどで、1m以上の高さにまでどうやって登って行ったのかが謎だ。
わが家の貧しい家計を見かねて「食べてもいいよ」とでも言いにきたとしか思えない。だけど、以前「サワガニは悪い虫がいるから食べてはいけないよ」とジイヤから聞いているから、食べるのは勇気がいる。茹でて食べれば問題ないかー。ふつうは、雨模様のさなかにやって来るというのにきょうは晴れだよ。
そして、畑で耕運機で畝立てしようとしていたら、突然アブがやってきた。というのも、直前に肥料として安い鶏糞を撒いたためらしい。大きさからクマバチのように見えたが、「オオハナアブ」だった。鶏糞を撒いてから数分しかたっていないのに、このやってくる速さには舌をまいてしまう。
それも、数匹がやってきたから連絡を取り合っているのは間違いない。名前はアブとなっているが人間には刺さないハエの仲間だ。人間の嗅覚からでは到底できない昆虫の超能力だ。兵器を開発するより、これらの生物研究を支援する国のプロジェクトがもっと強力にあってほしいものだ。源氏物語が世界文学としていまだ評価が高い意味を考えると、文学をもっと応援すべきだ。また、アニメや漫画も中身のある作品を支援するべきだ。
ついでに、いつも焚き火をする庭にサツマイモが侵入してきたらしい。当局は全く覚えがないという。この場所は焚き火で草木灰を作るために雑草や枝をふだんから積んであるところなのだ。ひょっとすると、サツマイモの断片が捨てられたのかもしれない。ここで焚き火をすればそのまま焼き芋ができるという算段だ。神のなせる慈愛はやはりわが赤貧を慈しんでくれているのを感じ入る。
わが気ままな放任農法、「なぜそこに!?」もいよいよ本格的になってきた。