久しぶりに森町の農協に行く。その直売所が魅力的だからだ。というのは、野菜や花の苗が素朴だから。いかにも素人っぽい農家が栽培したもので、同じものでもそれぞれ個性があるし、安い。ほかの直売所は、スーパーと変わらないような品質の苗が華麗に並んでいる。しかし、生産者の思いが工場のラインのような等質なものを感じる。
森町の直売所の手書きの表示名を見ると、多くの農家に支えられているのが伝わってくる。きょうはそこでそろそろ晩期を迎えるトウモロコシを買う。
「幻のトウモロコシ」の「甘々娘(カンカンムスメ)」は当然入手できない。朝の6時には行列ができて売り切れになるほどなのだ。メロンに匹敵する糖度と栽培の難しさで市場には出まわらない。高いものは1本千円近くもする。
したがって、その弟と言われる「甘太郎」を買うことになる。5本で千円ほどだが皮が薄くしっかりした粒と糖度はしっかり保持している。さすがだ。
生で食べられるというが、やはり焼いて食べたい。「甘々娘」は5月末から6月末までの早生だが、「甘太郎」は晩生の7月まで。つまりそろそろ終盤ということになる。黄色と白とが3:1で混生している「バイカラー種」でもある。戦国時代、ポルトガルの宣教師が伝えたとされるトウモロコシはいまでは飼料用のものになっているらしく、われわれがふだん食べるトウモロコシは品種改良の努力のたまものだ。きょうの夕飯はこれで決まり!!