フジTVのトークバラエティ「バイキング」が冴えている。従来フジ系番組は芸能情報が多くてニュースを知りたい者としては見向きもしなかった。しかし、最近の日大アメフト問題の取り上げ方の鋭さは他局の追随を許さない。とりわけ、坂上忍の鋭い視点の確かさがある。それはスポーツコメンテーターの曖昧な意見や関係者との慣れあいを暴く切れ味がある。
日大・加計学園・至学館大学に共通する上意下達のワンマン体質、教育を忘れた大学、物言えぬ組織的体質など、それは日本の従来的組織が蝕まれた姿でもある。他局ではそれなりに報道もされているが問題を継続的に掘り下げていく作業という点では「バイキング」に軍配。「もうこの問題はもういいよ」となりがちだが、一歩も引きさがらないのが素晴らしい。
ニュースコメンテイターとしては報道ステーションの「後藤謙治」さんが最も的確なコメントがあると思っているが、今の坂上忍さんの直視する真実にはブレがない。それもウイットとシニカルに富んでいて、TBS「ひるおび」の恵俊彰さんの絶妙のお笑いを突き抜けている。
坂上忍の誰かの顔色を伺わずにバシバシ攻めるトークは気持ちがいい