これは、去る9月20日と9月26日にこのブログへ掲載した続きの碑陰記である。
文政三年(1829)から天保六年(1835)の時代に、この碑陰に見るような個人での新田開発は栃木県では寡聞にして知らない。しかも、開田した耕地に新規百姓10家族の家まで新築して提供し、農具も無償で与え、更に扶養料まで与えて呼び寄せるなど、その内容を詳細に知るに従って、ただ驚くだけである。そしてそれに要した総額は5千45両という莫大な金額である。加えて、その開拓した新田全てを水戸藩侯に献上してしまったというから、ただ驚くばかりである。それでもなお事業で得た利益を基に、更に天保十四年まで開発を続けたというから尚更である。その開田意欲は更に衰えることなくその後も続けたという内容に、その外池一族のなみならぬ済世救民の志に感嘆するばかりである。この時代に、これほどまでの大事業を個人資金で為した人がいたのだろうかと、只ただ敬服するばかりである。しかもその後も開田が成功するや水戸藩に献上してしまうのだから‥。今世紀に入り、世界的に大事業で財を成した今の日本人達のと何と小さい心かと! 今更ながらに、昔の人の偉大さを思い知らされた、今回の石碑との出会いだった。
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