一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

笹本稜平『その峰の彼方』 ……「なぜ山に登るのか」という永遠のテーマに挑む……

2014年04月16日 | 読書
この小説の舞台は、マッキンリー。 米連邦地名局による正式呼称は「マッキンリー」だが、 最近は、先住民が呼び習わしてきた「デナリ」が使われることが多い。 「デナリ」とは、「大いなる者」を意味する。 その名は、まさに、この山にふさわしい。 標高は六一九四メートルで、七、八○○○メートル級が目白押しのヒマラヤの峰々と比べれば見劣りするが、北極圏に近い高緯度と独立峰という特異な性格のため、気象条件の . . . 本文を読む