一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

猟師山・合頭山 ……雨は花を宝石に変える……

2009年06月21日 | 山岳会時代の山行
からつ労山の今月2回目の月例山行は、くじゅうの猟師山と合頭山。
もちろん、森の貴婦人に逢いに……

前日までは晴れていたが、本日の天気は雨。
雨でも出発するのが、わが山岳会の素晴らしいところ。
普通、「生憎の雨」と言ったりするが、私は雨が嫌いではない。
むしろ「好き」と言っていい。
雨は植物の生命力をイキイキと蘇らせる。
晴れの日には見せないような艶めかしさを見せたりもする。
花を撮るには、晴れた日よりもむしろ曇りや雨の日が適していたりもする。
ことにオオヤマレンゲのような白い花は、晴れた日にはなかなかうまく撮れないものだ。
晴れた日にオオヤマレンゲを撮った人のHPやブログの写真を見ても、太陽の光が強すぎて「白」が飛んでしまっている。
「森の貴婦人」「天女花」といわれる花の優雅さが表現されていない。
今日は、案外、オオヤマレンゲを撮影するには絶好の日和かもしれない。

登山口は、九重森林公園スキー場。
シュールな風景にウットリ。


アカツメクサが咲いていた。
雨は花を宝石に変える。


オオヤマレンゲにはすぐに出逢えた。
このシルクのような花びらを表現するには、やはり雨の日が最適かもしれない。


雨の日のやわらかい光が、森の貴婦人を優しく包む。


雨は花を宝石に変える。


ベニバナニシキウツギの鮮やかな色が、山に彩りを添えている。
雨は花を宝石に変える。


登山道には、イブキトラノオがたくさん咲いていた。


雨によって展望は得られないが、背後を消し去ることによって、見るべきものがクッキリと浮かび上がる。
雨は花を宝石に変える。


シロドウダンも雨に濡れている。
妙に艶めかしい。


雨は花を宝石に変える。


猟師山山頂。


稜線には、シライトソウがたくさん咲いていた。


この白い花も、晴れた日よりも雨の日の方が美しく撮れる。


雨は花を宝石に変える。


合頭山山頂。


下山時、ミヤマキリシマに出逢った。
もうほとんどの花は終わっていたが、所々に咲き遅れたミヤマキリシマが待っていてくれて、嬉しかった。


前回の阿蘇中岳・高岳に参加できなくてミヤマキリシマを見ることができなかった彼女は、無関心に通り過ぎる登山者の中、ひとり嬉しそうに写真を撮っていた。
雨は花を宝石に変え、花は人の心に歓びを咲かせる。


薄いベールをかけられた風景は、神秘的ですらある。


リフトの柵内には、植栽されたものだろうが、キスゲがたくさん咲いていた。


雨は花を宝石に変える。


帰路、筋湯温泉で疲れを癒し、地獄巡りをした。
地面から湧き出る蒸気と、山から下りてくる靄とが一体となり、幽玄の世界を創り上げていた。


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