一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

映画『 ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』……仲里依紗がメッチャ凄すぎる……

2010年06月01日 | 映画
6月は、見たい映画が目白押しである。
映画館に行く時間を作るのに苦労しそうなくらいに……
なるべく見た映画はすべてブログに書きたいと思うのだが、意欲を削ぐ作品も中にはある。
5月に見た『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』もそのひとつ。
1月に見た『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』はそこそこ良かった。
映画に点数はつけない主義だが、前編の方は100点満点で65点ほどの出来であった。
後編に期待を抱かせるもので、後編が70~80点の出来ならブログに書こうと思っていた。
だが、実際に後編を見てガックリ。
レビューを書く気にさえならなかった。
漫画の『のだめカンタービレ』は数年前に大人買いして読んでいるし、私の気持ち的には映画化を応援していたのだが……
期待が大きすぎたのかもしれない。
良いところがひとつでもあればレビューは書けるのだが、意欲を削がれてしまっては、アウトである。
まあ、そういうこともある。
見た映画がすべて感動作だったら苦労はない。
そうでない場合も多々あるのだから、人生は面白いのだ。
なるべく映画は貶したくない。
ブログ「一日の王」は、私の「幸せの記録」であるから、基本的に、私を幸せにしてくれた作品、満足させてくれた作品だけを載せるようにしている。
……ということで、本日『 ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』を見てきた。
ゼブラーマンにも、主演の哀川翔にも、脚本の宮藤官九郎にもまったく興味はない。
本来なら見に行かない作品である。
では何故見に行ったかといえば、それはひとえに「仲里依紗」である。
彼女が出演していたからだ。
『パンドラの匣』 『時をかける少女』と見てきて、仲里依紗の女優としての才能にすっかり魅せられてしまった。
だから、この『 ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』も見ないわけにはいかなかった。
いままさに旬である女優の最新作を見逃がす手はない。
この作品を見ておかないと、後年、仲里依紗を語ることはできないと思った。
作品の良し悪しは正直どうでもいい。
仲里依紗がどういう演技をしていたかを、しっかり記憶しておきたいと思った。
5月1日に封切られ、公開終了間近。
いつものように会社の帰りに映画館に駆けつけた。

で、見た感想はというと、仲里依紗が凄いことをやっていた。
やはり仲里依紗はタダモノではなかった。
今更ながらにそう思う。
この作品に仲里依紗が出演していなかったら、本作は散々な出来であったろう。
彼女が出ている場面だけがキラキラ輝いていたからだ。

記憶を失った市川新市(哀川翔)は、路上で目覚める。


そこは東京都知事の相原公蔵(ガダルカナル・タカ)が君臨する西暦2025年のゼブラシティだった。


朝夕の5分間にゼブラタイムが導入され、警察官は無条件で民間人を撃ち殺していいとされていた。


ゼブラシティの広告塔は、ヒットチャート40週連続NO.1のスーパーアイドル「ゼブラクイーン」(仲里依紗)。


相原都知事の娘でもあるゼブラクイーンは、ある陰謀を抱いていた。


市川新市は、その陰謀に巻き込まれていく……というストーリー。


映画が始まり、いきなり黒のボンデージ・ファッションに身を包んだ仲里依紗が歌い、踊りまくる。
これで一気にゼブラクイーンに惹きつけられる。
【♪ゼブラクイーンのテーマ】
ゼブラシティのスーパーアイドル・ゼブラクイーンは、とにかくカッコイイ!
このライブ映像の部分は、安室奈美恵のPV(プロモーション・ビデオ)を手がける久保茂昭が監督しているという。
どうりで凄いワケだ。
最近の凡庸なミュージシャンが束になってかかっても太刀打ちできないほどの出来。
この作品の非凡なところは、まさにこの冒頭の部分あると言えるだろう。
このゼブラクイーンのライブ映像を見せられたことで、その後の物語がすべてゼブラクイーンのPVの一部のように思えてしまうから不思議。
正直、物語の部分はつまらないのだが、仲里依紗のPVの一部だと考えれば、腹も立たないというワケだ。
【ゼブラクイーンの「NAMIDA~ココロアバイテ~」】
こんなことを言っては哀川翔に申し訳ない気がするが、今回の作品に限っては、主役は仲里依紗であった。


その輝き度は、ゼブラクイーンが、ゼブラーマンを、遥かに凌いでいた。
これは、私だけでなく、見た者すべてが抱く感慨だと思う。
監督の三池崇史も、その点は意識していたのではないだろうか?
演出にもカメラワークにもそれが感じられたからだ。
実際、仲里依紗が出ている場面と出ていない場面では、違う作品ではないかと思うほど、その落差が大きかった。

それにしても……
それにしてもだ。
『パンドラの匣』でキュートな看護婦を演じ、
『時をかける少女』で可憐な女子高生を演じた仲里依紗が……
なんとも凄まじい変貌だ。


仲里依紗の女優魂が半端ではないことを証明してみせた驚きの一作であった。
これからどんなものを見せてくれるのか、益々楽しみになってきた。
願わくは、沢尻エリカみたいにならないように……(爆)
どうやら、その心配だけはしなくていいようなので、ホッ。(笑)
【疲れてても「別に」と言わないように】

あっ、それから、いつの日か、ゼブラーマンのスピンオフとして、ゼブラクイーンが(名実共に)主役の作品が公開されますように……

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