
石井裕也監督作品『舟を編む』を見たのは、
昨年(2013年)の4月であった。
すぐに、このブログで、
「松田龍平の演技が素晴らしい今年前半NO.1の傑作」
と題し、レビューを書いた。
今年これまで見た邦画では、間違いなくNO.1の傑作である。
今年はまだ4月の中旬なので(今後どんな傑作・秀作が現れるやも知れないので)、
「今年のNO.1」とは、まだ言えないが、
少なくとも「今年前半のNO.1」とは断言してもイイのではないかと思っている。
とレビューの冒頭で宣言したのだが、
結局、この『舟を編む』が、
第37回日本アカデミー賞の
最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞、
最優秀脚本賞、最優秀録音賞、最優秀編集賞
の計6部門を制覇。
その他、数々の映画賞を受賞し、
アカデミー外国語映画賞日本代表作品にも選出され、
昨年(2013年)上映された邦画のNO.1の栄誉を勝ち得たのである。
その『舟を編む』の監督・石井裕也が、
次に手がけたのが、今日紹介する『ぼくたちの家族』なのである。
主要都市では5月24日に公開された作品であるが、
佐賀では、イオンシネマ佐賀大和で、
6月21日~6月27日までの一週間だけの上映が決まり、
先日、慌てて見に行ってきた。
ある日突然、
母・玲子(原田美枝子)が脳腫瘍と診断され、
余命一週間と宣告される。

身重の妻を持つ長男・浩介(妻夫木聡)と、
大学生の次男・俊平(池松壮亮)、
父親・克明(長塚京三)は激しく動揺する。

昨日まで元気だった母に突然訪れた事件。
それは、やがて、“普通の家族”に潜んでいた秘密、本音を表面化させていく。

借金だらけなのに、強がりばかりで全く頼りにならない父。
(その所為で、母もサラ金漬け)

引きこもりの過去をもつ、生真面目な長男。

親のすねかじりで、冷たいことばかり言う次男。

欠点だらけで不器用な男三人であったが、
「母が余命一週間」という家族の最大の危機を乗り越えるために、
彼らは初めて団結せざるを得なくなる。
そして、さまざまな問題と向き合いながら、
最後の「悪あがき」を決意する……

見た感想はというと、
『舟を編む』と同様、
劇的な展開は起こらないし、
格好いいヒーローも登場しないのだが、
細部を丁寧に積み上げて、
家族がもつ“業”をリアルに描き出していた。
2011年の東日本大震災以降、
家族の絆が重要視されるようになり、
家族をテーマにした映画が目立って多くなってきたような気がする。
(タイトルをクリックするとレビューが読めます)
『エンディングノート』(2011年)
『ヒミズ』(2012年)
『しあわせのパン』(2012年)
『わが母の記』(2012年)
『あなたへ』(2012年)
『東京家族』(2013年)
『そして父になる』(2013年)
『ペコロスの母に会いに行く』(2013年)
『四十九日のレシピ』(2013年)
『青天の霹靂』(2014年)
などであるが、
『ぼくたちの家族』も、
これら優れた“家族映画”群に連なる、
「家族映画の秀作」と呼んでいいと思う。

出演陣では、
何といっても妻夫木聡が良かった。
引きこもりの過去がある長男の役であったが、
波風をたてないことを信条にしているような生真面目で気弱そうな男が、
家族の危機に遭遇し、
長男としての役割を果たそうとして、
次第に頼りがいのある男に変貌していく過程の演技が素晴らしかった。

それにしても、
ここ数年の彼の充実ぶりは、目をみはるほどである。
(タイトルをクリックするとレビューが読めます)
『悪人』(2010年)
『マイ・バック・ページ』(2011年)
『スマグラー おまえの未来を運べ』(2011年)
『東京家族』(2013年)
『ジャッジ!』(2014年)
『小さいおうち』(2014年)
など、挙げたらキリがないほど。
今年は、今後も、
『渇き。』(2014年6月27日公開予定)
『舞妓はレディ』(2014年9月13日公開予定)
『バンクーバーの朝日』(2014年12月公開予定)
が控えており、2014年は妻夫木聡の年になりそうな気配。
これからも妻夫木聡から目が離せない。

大学生の次男を演じた池松壮亮も良かった。

1990年7月9日、福岡県福岡市生まれ。
2001年、10歳の時にミュージカル『ライオン・キング』のヤングシンバ役でデビュー。
2003年、ハリウッド映画『ラストサムライ』で、主人公・オールグレン(トム・クルーズ)と心を通わす少年の役で映画初出演。
2005年、映画『鉄人28号』で主人公・金田正太郎役を演じ、映画初主演。
2007年、大河ドラマ『風林火山』では武田勝千代(信玄の少年期)及び、その息子である武田勝頼の二役を演じた。
2009年3月に、福岡県内の高校を卒業して、大学進学を機に東京へ移る。
大学時代は映画学科で監督コースを専攻していたが、
2013年3月に大学を卒業してからは役者の道一本で、
意欲的に多彩なジャンルの作品に出演している。
映画では、私が過去に見た
(タイトルをクリックするとレビューが読めます)
『半分の月がのぼる空』(2010年)
『信さん・炭坑町のセレナーデ』(2010年)
『横道世之介』(2013年)
などに出演していたが、
6月14日から公開されている映画『春を背負って』にも出演していたし、
同じく6月14日から公開されている榮倉奈々主演の『わたしのハワイの歩きかた』にも出演している。
つい最近では、
TBSのTVドラマ『MOZU』(2014年4月10日~6月12日)での、
百舌と名乗るプロの殺し屋の役が秀逸であった。
池松壮亮という男は、
演技が飛躍的に上手くなっている気がする。
『ぼくたちの家族』のおいても、彼の存在感は抜群であった。
今年は、今後も、
『海を感じる時』(2014年9月13日公開予定)
『紙の月』(2014年11月公開予定)
『バンクーバーの朝日』(2014年12月公開予定)
と出演作が控えており、楽しみ。

ちなみに、
妻夫木聡、池松壮亮ともに出演する、
今年(2014年)12月公開予定の映画『バンクーバーの朝日』は、
戦前のカナダ・バンクーバーに実在した日系人野球チーム「バンクーバー朝日」を描いた作品。
『ぼくたちの家族』同様、石井裕也が監督し、主演は妻夫木聡。
亀梨和也、勝地涼、上地雄輔、池松壮亮など、
実際に野球経験のある俳優を起用する他、
女優では、高畑充希、宮あおい、貫地谷しほりも出演する。
この映画は、今から心待ちにしている作品で、必ず見に行くつもり。
原田美枝子も素晴らしかった。

ある日突然、脳腫瘍と診断される母・玲子の役であったが、
脳腫瘍の兆候が出て、記憶障害を起こしている冒頭のシーンから、
脳腫瘍を宣告されて絶叫するシーン、
入院中の家族との可笑しな会話など、
難しい役どころであったにもかかわらず、
実に上手く演技していた。
ここ数年、(タイトルをクリックするとレビューが読めます)
『ヘルタースケルター』(2012年)
『あなたへ』(2012年)
『奇跡のリンゴ』(2013年)
などでの好演が記憶に残っているが、
本作での演技が特に素晴らしかったと思う。

若菜家の父・克明役の長塚京三。

バブル期に購入した一軒家のローン、
早期退職をして独立した会社の借金などで借金まみれなのに、
強がりばかり言って、まったく頼りない父親を、好演していた。
映画『あなたへ』でも原田美枝子と夫婦役を演じていたが、
彼女とのコンビネーションも良かった。
1945年7月6日生まれだから、もう68歳。(2014年6月25日現在)
TVドラマ主体で、映画への出演は少ないが、
個人的には、『恋と花火と観覧車』(1997年)が好きだった。
男やもめの中年男(長塚京三)と、年下の女性(松嶋菜々子)の恋愛模様を描いたロマンティック・コメディであったが、
男盛りでモテ期だった長塚京三と、
最も美しかった頃の松嶋菜々子が、
実に好い演技をしている。
若く見える男優であるし、まだ枯れる年でもないので、
これからはもっと映画にも出演してもらいたいと思う。

この他、
長男・浩介(妻夫木聡)の妻を演じた黒川芽以、

医師を演じた板谷由夏と、

鶴見辰吾が、実に好い演技をしていた。

原作は、早見和真の小説『ぼくたちの家族』で、
作者自身の母親が平成20年に突然脳腫瘍を発症し、
5年にわたる闘病生活を支えた実体験を踏まえたもの。
実話から生まれた、希望と感動の物語。
あなたも、ぜひ……
福岡「ユナイテッド・シネマキャナルシティ」上映中~6/27迄
福岡「イオンシネマ大野城」上映中~7/3迄
佐賀「イオンシネマ佐賀大和」上映中~6/27迄
長崎「ユナイテッド・シネマ長崎」6/28より
熊本「シネプレックス熊本」6/28より
大分「TOHOシネマズ大分わさだ」7/12より
大分「日田シネマテーク・リベルテ」7/19より
宮崎「宮崎キネマ館」8月予定
鹿児島「TOHOシネマズ与次郎」7/12より
沖縄「桜坂劇場」上映中~6/27迄
昨年(2013年)の4月であった。
すぐに、このブログで、
「松田龍平の演技が素晴らしい今年前半NO.1の傑作」
と題し、レビューを書いた。
今年これまで見た邦画では、間違いなくNO.1の傑作である。
今年はまだ4月の中旬なので(今後どんな傑作・秀作が現れるやも知れないので)、
「今年のNO.1」とは、まだ言えないが、
少なくとも「今年前半のNO.1」とは断言してもイイのではないかと思っている。
とレビューの冒頭で宣言したのだが、
結局、この『舟を編む』が、
第37回日本アカデミー賞の
最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞、
最優秀脚本賞、最優秀録音賞、最優秀編集賞
の計6部門を制覇。
その他、数々の映画賞を受賞し、
アカデミー外国語映画賞日本代表作品にも選出され、
昨年(2013年)上映された邦画のNO.1の栄誉を勝ち得たのである。
その『舟を編む』の監督・石井裕也が、
次に手がけたのが、今日紹介する『ぼくたちの家族』なのである。
主要都市では5月24日に公開された作品であるが、
佐賀では、イオンシネマ佐賀大和で、
6月21日~6月27日までの一週間だけの上映が決まり、
先日、慌てて見に行ってきた。
ある日突然、
母・玲子(原田美枝子)が脳腫瘍と診断され、
余命一週間と宣告される。

身重の妻を持つ長男・浩介(妻夫木聡)と、
大学生の次男・俊平(池松壮亮)、
父親・克明(長塚京三)は激しく動揺する。

昨日まで元気だった母に突然訪れた事件。
それは、やがて、“普通の家族”に潜んでいた秘密、本音を表面化させていく。

借金だらけなのに、強がりばかりで全く頼りにならない父。
(その所為で、母もサラ金漬け)

引きこもりの過去をもつ、生真面目な長男。

親のすねかじりで、冷たいことばかり言う次男。

欠点だらけで不器用な男三人であったが、
「母が余命一週間」という家族の最大の危機を乗り越えるために、
彼らは初めて団結せざるを得なくなる。
そして、さまざまな問題と向き合いながら、
最後の「悪あがき」を決意する……

見た感想はというと、
『舟を編む』と同様、
劇的な展開は起こらないし、
格好いいヒーローも登場しないのだが、
細部を丁寧に積み上げて、
家族がもつ“業”をリアルに描き出していた。
2011年の東日本大震災以降、
家族の絆が重要視されるようになり、
家族をテーマにした映画が目立って多くなってきたような気がする。
(タイトルをクリックするとレビューが読めます)
『エンディングノート』(2011年)
『ヒミズ』(2012年)
『しあわせのパン』(2012年)
『わが母の記』(2012年)
『あなたへ』(2012年)
『東京家族』(2013年)
『そして父になる』(2013年)
『ペコロスの母に会いに行く』(2013年)
『四十九日のレシピ』(2013年)
『青天の霹靂』(2014年)
などであるが、
『ぼくたちの家族』も、
これら優れた“家族映画”群に連なる、
「家族映画の秀作」と呼んでいいと思う。

出演陣では、
何といっても妻夫木聡が良かった。
引きこもりの過去がある長男の役であったが、
波風をたてないことを信条にしているような生真面目で気弱そうな男が、
家族の危機に遭遇し、
長男としての役割を果たそうとして、
次第に頼りがいのある男に変貌していく過程の演技が素晴らしかった。

それにしても、
ここ数年の彼の充実ぶりは、目をみはるほどである。
(タイトルをクリックするとレビューが読めます)
『悪人』(2010年)
『マイ・バック・ページ』(2011年)
『スマグラー おまえの未来を運べ』(2011年)
『東京家族』(2013年)
『ジャッジ!』(2014年)
『小さいおうち』(2014年)
など、挙げたらキリがないほど。
今年は、今後も、
『渇き。』(2014年6月27日公開予定)
『舞妓はレディ』(2014年9月13日公開予定)
『バンクーバーの朝日』(2014年12月公開予定)
が控えており、2014年は妻夫木聡の年になりそうな気配。
これからも妻夫木聡から目が離せない。

大学生の次男を演じた池松壮亮も良かった。

1990年7月9日、福岡県福岡市生まれ。
2001年、10歳の時にミュージカル『ライオン・キング』のヤングシンバ役でデビュー。
2003年、ハリウッド映画『ラストサムライ』で、主人公・オールグレン(トム・クルーズ)と心を通わす少年の役で映画初出演。
2005年、映画『鉄人28号』で主人公・金田正太郎役を演じ、映画初主演。
2007年、大河ドラマ『風林火山』では武田勝千代(信玄の少年期)及び、その息子である武田勝頼の二役を演じた。
2009年3月に、福岡県内の高校を卒業して、大学進学を機に東京へ移る。
大学時代は映画学科で監督コースを専攻していたが、
2013年3月に大学を卒業してからは役者の道一本で、
意欲的に多彩なジャンルの作品に出演している。
映画では、私が過去に見た
(タイトルをクリックするとレビューが読めます)
『半分の月がのぼる空』(2010年)
『信さん・炭坑町のセレナーデ』(2010年)
『横道世之介』(2013年)
などに出演していたが、
6月14日から公開されている映画『春を背負って』にも出演していたし、
同じく6月14日から公開されている榮倉奈々主演の『わたしのハワイの歩きかた』にも出演している。
つい最近では、
TBSのTVドラマ『MOZU』(2014年4月10日~6月12日)での、
百舌と名乗るプロの殺し屋の役が秀逸であった。
池松壮亮という男は、
演技が飛躍的に上手くなっている気がする。
『ぼくたちの家族』のおいても、彼の存在感は抜群であった。
今年は、今後も、
『海を感じる時』(2014年9月13日公開予定)
『紙の月』(2014年11月公開予定)
『バンクーバーの朝日』(2014年12月公開予定)
と出演作が控えており、楽しみ。

ちなみに、
妻夫木聡、池松壮亮ともに出演する、
今年(2014年)12月公開予定の映画『バンクーバーの朝日』は、
戦前のカナダ・バンクーバーに実在した日系人野球チーム「バンクーバー朝日」を描いた作品。
『ぼくたちの家族』同様、石井裕也が監督し、主演は妻夫木聡。
亀梨和也、勝地涼、上地雄輔、池松壮亮など、
実際に野球経験のある俳優を起用する他、
女優では、高畑充希、宮あおい、貫地谷しほりも出演する。
この映画は、今から心待ちにしている作品で、必ず見に行くつもり。
原田美枝子も素晴らしかった。

ある日突然、脳腫瘍と診断される母・玲子の役であったが、
脳腫瘍の兆候が出て、記憶障害を起こしている冒頭のシーンから、
脳腫瘍を宣告されて絶叫するシーン、
入院中の家族との可笑しな会話など、
難しい役どころであったにもかかわらず、
実に上手く演技していた。
ここ数年、(タイトルをクリックするとレビューが読めます)
『ヘルタースケルター』(2012年)
『あなたへ』(2012年)
『奇跡のリンゴ』(2013年)
などでの好演が記憶に残っているが、
本作での演技が特に素晴らしかったと思う。

若菜家の父・克明役の長塚京三。

バブル期に購入した一軒家のローン、
早期退職をして独立した会社の借金などで借金まみれなのに、
強がりばかり言って、まったく頼りない父親を、好演していた。
映画『あなたへ』でも原田美枝子と夫婦役を演じていたが、
彼女とのコンビネーションも良かった。
1945年7月6日生まれだから、もう68歳。(2014年6月25日現在)
TVドラマ主体で、映画への出演は少ないが、
個人的には、『恋と花火と観覧車』(1997年)が好きだった。
男やもめの中年男(長塚京三)と、年下の女性(松嶋菜々子)の恋愛模様を描いたロマンティック・コメディであったが、
男盛りでモテ期だった長塚京三と、
最も美しかった頃の松嶋菜々子が、
実に好い演技をしている。
若く見える男優であるし、まだ枯れる年でもないので、
これからはもっと映画にも出演してもらいたいと思う。

この他、
長男・浩介(妻夫木聡)の妻を演じた黒川芽以、

医師を演じた板谷由夏と、

鶴見辰吾が、実に好い演技をしていた。

原作は、早見和真の小説『ぼくたちの家族』で、
作者自身の母親が平成20年に突然脳腫瘍を発症し、
5年にわたる闘病生活を支えた実体験を踏まえたもの。
実話から生まれた、希望と感動の物語。
あなたも、ぜひ……
福岡「ユナイテッド・シネマキャナルシティ」上映中~6/27迄
福岡「イオンシネマ大野城」上映中~7/3迄
佐賀「イオンシネマ佐賀大和」上映中~6/27迄
長崎「ユナイテッド・シネマ長崎」6/28より
熊本「シネプレックス熊本」6/28より
大分「TOHOシネマズ大分わさだ」7/12より
大分「日田シネマテーク・リベルテ」7/19より
宮崎「宮崎キネマ館」8月予定
鹿児島「TOHOシネマズ与次郎」7/12より
沖縄「桜坂劇場」上映中~6/27迄