釣りで海辺にはしょっちゅう行くが、海水浴とはもう30年以上ご無沙汰だ。
戦後まもなく生まれた我々の年代は、ほとんどの学校にプールがなく、水泳は海が中心だった。
夏休みになると、臨海学校や水泳教室が近隣の小学校と合同で開かれ、白砂青松の海岸には100人近い小学生が集まり、楽しいイベントに大歓声をあげていたことをまだ覚えている。
また、浜辺にテントを張って1泊2日のキャンプをしたりして、海との接点が多くあった。
ところが、義務教育が終了する頃だったと思うのだが、小中学校にプールが完備され、学校から海水浴に行くことはほとんどなくなってしまった。
それ以降、ほとんどがプールだったのだが、息子と娘が小さい頃、『海、海』とねだるものだから、仕方なく当時で言う国民宿舎海の家へ一泊したことがあった。
潮の香りが漂う国民宿舎は、海からの風が気持ちよく、海に入って子供たちと戯れたが、しょっぱい水を全身に浴びて何とも言えない夏のひと時を満喫した。
日本の高度成長期には遠浅の海岸がほとんど埋め立てられ、日本特有の海岸が少なくなってしまって、古くからの海水浴場がどんどん姿を消した。
プールの数も増えた。だが、そこでは海の良さを味わうことはできない。
いま、海の富栄養化対策が叫ばれている。いつまでも美しい海を保つために、海水浴場で一人一人がごみの投棄などをしないよう、お願いしたいものだ。