自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

バカバッドギータとヨガ

2013年03月29日 | 健康と”悟り”・スピリチュアリズム

ヨガの科学  平成25年3月29日

**************************

The Ganges

筆者は 今 インドのガンジス川の流域にいる。


たぶん、これが発表されるころは、そこで、しばしの

エネルギーの補充を試みているだろう。

ヨガというのは、その言葉の知名度に反比例して、

そのものの意義を知る人少ないかもしれない。


本来のヨガの目的は、いろいろな言い方があるとは思うが、

簡単にいえば、新陳代謝を高めて、老廃物を体外に排出する

とともに、生命エネルギーを新鮮な酸素から蓄え、脳や

脊髄中枢に活力を与える。

呼吸法と 深く関連しているのは、このためである。

 

バカヴァッド・ギータ4章23節で クリシュナ神は、

ヨガについて述べる:

“吸う息を吐く息に提供し、吐く息を吸う息に、提供すること

によって、ヨギはこれら二者、吐く息と吸う息を調和させる。 

こうして、人は、心臓からプラーナを解放し、生命力を自己の

支配下に置く

 

プラーナはlife force と英語で訳され、生命を保持するための

エネルギーを指す。

吸う息と 吐く息の中和、もしくは 調和 とは どういうことか?


なかなか、紙面では説明できがたい。

筆者もまだ修行中の身なので、詳細はお伝えできない。

言えることは、呼吸の静止法と深く連動しているということだ。

といっても、むやにに苦しくなるまで、肺に 息をためる事でもない。

 

 

もう一つのクリシュナ神のヨガに対する言明は、5章 27~28節の

言葉に見られる。

“至高の目標を求めつつ、視線を内なる眉間の一点に固定し、

鼻孔と肺の内を流れるプラーナとアパ―ナの均衡した交互の流れを 

抑止せよ。

それによって、下界の刺激を断ち、感覚と理知の働きを制し、

我欲と恐怖と怒りを 追放せる瞑想の達人は、永遠の解放

を得るだろう“

 

ギータの中で 引き続いて引用すると、次の言葉がある。

このヨガの方法は、クリシュナ神から後継者に伝えられていく・、

その一人が、マヌ法典を記した立法者 マヌで、マヌは、

イクシュワクという日系武家王朝の始祖に教えたという。

(4章1~2節)

 

ヨガのサンスクリット語の本来の意味は神との合一である。

肉体感覚とその感覚に支配されている外的世界をたちきり、

自分の中にある実存と一体になることで、この目的が果たされる。

 

最初の神と一体化している状態が サビカルパ・サマーディといわれ、

意識は宇宙霊の中に入る。 

 

ヨギによっては、肉体から生命力が去ったようになるので、

硬直化したりするが、肉体の意識がなくなるわけではないという。

次の段階は、ニルピカルバ・サマーディと言われる段階で、

この段階に至ると、肉体の硬直はなく、神との交流ができるように

なるといわれている。

日常生活の妨げもなく、外からみていては、その人がその状態に

はいっているのか否かは見分けがつかないという。

 

 プラーナ、生命エネルギーは、
 
ヨギたちの意思の力によって、身体中に循環させられる。

その方法は、脊髄の中枢である6つの神経叢延髄、脛骨、胸骨、

腰椎、仙骨、尾骨に沿って行われる。 

アートマセラピーでも、この順序で 調整が行われるのは、

その理由からだ。

 

これらの中枢は、霊的な促進と非常な密接な関係を持ち、

脊髄の周囲に、30秒間のエネルギー(プラーナ)の蓄積は、

何もしないときと比べ、はるかな霊的進化をもたらすという。

 

話がそれるが、占星術の12星座と人の身体の関連性を考えると、

アガスティアの葉で預言されたような、天体の運行が人の内外

[真体と霊体]に及ぼす影響も無縁でない。

 

1年も12の月にわけられ、12年という歳月は、自然進化の周期

と一致するという。

干支も12あるし、還暦も12年が5回繰り返され、2度目の再生

といわれる所以がここにある。

 

話を本題に戻す。

呼吸とヨガ法との密接な関連性はクリシュナ神の

言葉によっても明らかだが、修行が深まるとともに、呼吸自体、

肉体のサバイヴのための、必要不可欠という観方から解放される。

 

つまり、夢の中で活躍する自分の意識には

呼吸の意識が無いのと同様、肉体の肺が行う

呼吸もある意味、心の働きによる、呼吸 へと切り替わる。

呼吸は精神修養の手段としてコントロールされるべきものへ

と変わる。

 

以前 内田医師の生命医療現場のご紹介をしたときにも、

呼吸法を利用されて、患者の心と身体に効果を上げている

実例があった。

恐怖、怒り、情欲で興奮する人の呼吸は荒くなるし、

集中力が高まり 何か、緻密な行動にとりかかる寸前の人

呼吸は、きわめて遅くなる。

 

 

 

人間の寿命と呼吸の数と関係があると言われて久しい。

たしかに、ウミガメのような寿命のある動物と比べると、

前者が1分間に平均4回であるのに対し、人は、18回程度

といわれる。

猿は32回といわれ、その動作が常に落ち着きのないことは

みてのとおりだ。

 

呼吸して酸素をとりいれ、ヨガで、それをプラーナに還る。

睡眠中人は、無意識にこれを行っている。

身体と心がリラックスして、余分なストレスや身体の運動

がないため、プラーナは脊髄中枢に補給されていく。

こうして、寝ることによって、人は活力を取り戻している。

 

聖者は寝ることはない と、インドでよく聴く話だ。

自分の師がベッドで寝ているのをみたことが無いと、

知人から聞いた。

それは、寝る必要がないからだ。

寝なくても、十分にプラーナを蓄える術を、ヨガ術を

心得ているからだ。

筆者のような凡人はガンジス川のプラーナに充ちた領域で

瞑想をしなければ、こうしたプラーナを無意識に、ヨギのように、

巧みに脊髄中枢にためていくことは困難だろう。


とは言っても、ただ、黙って目をとじているだけでは、

心は感覚器官に引っ張られるだけだ。

瞑想中、揺れ動く想念に乱されることがないようになるためには、

ヨギの技法が必要となるだろう。

 

インドのヒマラヤに人知れず、存在するヨギたちは、そうしたヨギ

の技法をマスターして、想念や意思、感情を 肉体的レベル

から解き放ち、心を常に脊髄中枢の超意識レベルにおいて

いるという。 

彼らは、過去のカルマに影響を受けず、新たなカルマを創る

こともない。

 

ギータ6章46節に、クリシュナ神はこれらの ヨギたちを賞賛

して次のようにいう。

“ヨギは肉体を解放する苦行僧よりまさり、

哲学の悟りの道や戒行の道を歩む修行者よりまさっている。 

されば、アルジュナよ、汝もヨギになれ”

The Ganges in Varanasi

  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする