ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

日本の領土問題(東郷和彦、保坂正康)

2012年08月26日 | 雑記

日本の領土問題が過熱している。自分にできることは
韓国製品の不買くらいだろうか。

少し、勉強したくなって本書を読んでみた。なかなか
勉強になった。

領土交渉の基本は主権の主張だが、3原則を提案している。

1.現状を変更しようとする国は、力によって行動をしては
ならない。
(韓国は、敗戦で自衛隊もないなかで、竹島を1953年
軍事不法占領したが..)
2.実効支配している国は相手国との話し合いに応じるべき。
3.両国は知恵を出して衝突にならないメカニズムを考える。

しかし、本書が現状の問題解決に踏み込めたかというと若干疑問である。

著者の東郷氏が外務省で、北方領土返還に従事していた方なので、
北方領土が中心になっていた感が強い。また、日本人の関心も、
当時は北方領土が中心で、今ほで、尖閣や竹島ではなかったのだろう。

だが、外交官僚ではなく、すべてを把握した上での、強力なリーダーシップ
を発揮できるものが双方にいないと交渉は難しいと感じた。

IJCへの委託もひとつの選択だろうが、解決への道筋ではないように
思える。

1905年に竹島を日本領土と決めたが、1910年に韓国併合の先駆け
になったとの論理から、独島憧憬主義に陥っており、その後のおそらく
教育やプロパガンダによる韓国のナショナリズム高揚が問題を難しくして
いると感じた。

しかし、1953年の軍事不法占領を日本が看過できないという声が
激増すれば、更に危険な状態になるかも知れない。

 

 


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