村上春樹の小説は読んだことがなかったのだが、何故か、読んでみたくなり、処女作の「風の歌を聴け」を手にとった。
ミステリー好きなのだが、連続殺人鬼に食傷気味になっていたのかも知れない。
風の歌を聴けの印象としては、透明で、新鮮な作品だった。
学生の時に読んだサリンジャーのナイン・ストーリーに通じるものがあり、嫌いではなかった。
風の歌を聴け」の中に登場する人物で、主人公が最も影響を受けた作家というのが、
デレク・ハートフィールドだった。
彼は、米国の小説家で、日曜日の朝、右手にヒトラーの肖像画を抱え、左手に傘をさしたまま
エンパイア・ステートビルの屋上から飛び降り、蛙のようにペシャンコになって死んだ。とされるのだが...
実は、デレク・ハートフィールドは、村上春樹が作った架空の人物というから面白い。
図書館には、この小説家の作品を探しにくる人がいるという。
ちなみには、エンパイア・ステート・ビルは、1930年に出来てから、30人以上が飛び降り自殺しているらしい。
また、エッフェル塔からも毎年のように飛び降りているらしいが、東京タワーは過去1人だけという。
連続殺人鬼は出てこないが、人間の死と謎はつきもののようだ。
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