過労死予備群の「食から笑顔になる生活」

夜討ち朝駆けで仕事する日々。忙しくとも自分なりの手間をかけて、美味しく笑顔になる生活を志します。

ダ・ピント3:生ポルチーニの香りだけで魚を喰らう(笑)

2014-10-01 19:13:59 | 旅日記
■Fillet Sea Bass(イタリア語でBranzino)の生ポルチーニ焼き
同行者が注文したセコントです。
テーブルに届く前から、ポルチーニの香りが、豊かにふくよかに漂っていました。
旨みよりも、食味の良さがわかるSea Bassを選んで、ポルチーニのすべてを着せ掛ける。贅沢に追求した料理だと、見惚れました。
ポルチーニだけのソティを食した時よりも、ずっと長く、食べて居続けられる料理方法に、イタリアの面白さを感じたのでした。

こちらのオステリアは、経験を積んだタフな中年スタッフがテーブルを仕切り、若手のスタッフが走りつつサーブするという組み立てでした。
ベネチアも他民族からなるサービス業の空間でしたが、この日は珍しいことに、ヨーロッパ圏の生まれではないとわかるアクセント、それも中国系でもないスタッフが、テーブル・サービスにつきました。
美味しくて、値ごろ感のあるプロセッコをのんびり楽しむ(笑)機嫌のいい私たちに、プロセッコを継ぎながら、「自分はシンガポール人だ」と話しかけてきました。

「本当は尋ねられていない、自分のことを話してはいけないのだけれど、私にとって嬉しくて、誰かに聞いてほしいことがあるのです。今月末には、ついに家族を呼び寄せて、一緒にくらせるのです。いつかは私の妻も、シニョーラのようにレストランでワインを注文して、乾杯できるようになりたいのです。
アジアの女性でも、昼にレストランで自分がホストとして、ワインをふるまうことができる。それを見て、私と私の妻には、次の目標ができました。ありがとうございます。」

重い告白、だけど、言いたかった気持ちは伝わります。シンガポールから来て、この国で就労とレジデントとしての権利を得るまで、大変だったでしょう。家族を呼び寄せられるというのは、彼が認められた証拠であるから!
尊大ではなく、丁寧に、されど、きちんとした立場で。笑顔でありがとうと伝えて。
そういう形でふるまうアジアの女性に、彼がそれまで会うことがなかったのなら、とても残念なことだと思いました。ですが、それを伝えた彼の言葉に、私自身も自省する機会をもらったように感じました。
一緒にがんばろう! アジアの同胞たち!!


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ダ・ピント2:新旧のお気に入り(笑)

2014-10-01 18:52:01 | 旅日記
■Tagiliatelle Scampi & Zuccini (手長海老とズッキーニのタリアッテレ)
こちらは私の注文したパスタです。
ベネチアの最後に、魚介とポモドーロ(=トマト)を食そうと、思ったからです。
手長海老は私の古くからのお気に入り、そして、ベネチアで美味しさをはっきりと理解したズッキーニを合わせる試みに、ワクワクと注文したのです。

いい香り、そして、きれいにまとまるパスタ。。。やわやわなのに、ちゃんとアルデンテ(笑)。
去年の真夜中のVeronaの食卓では、ここまで一つづつを考える余裕はありませんでした。今回ははっきりと自分の食す位置が定まったように感じました。一つの総合芸術のようなパスタ。目標ができた嬉しい時間だったのです。


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ダ・ピント1:Fantasiaと名乗るスタータ

2014-10-01 18:44:33 | 旅日記
☆こんばんは! 久しぶりの更新になってしまいました。
書きかけの記事のまま掲載していたために、ご心配をおかけして、失礼しました。
大丈夫! 生きています!(笑)

海外への出張、帰国後の会議の連続、その結果に基づいて、札幌出張、そして
年度半ばでのスタッフの移動、等々。
悲喜こもごも、走り続けて(笑)、9月は過ごしたように思います。
ちょっと疲労も感じつつ...通常の生活に軟着陸したいと思っています。

記事にしたいこと、8月後半から、たくさんたまっています(笑)。
旅の食記事もまだ途上なれど。
少し整理のための時間をとりつつ、日々の暮らしの中にblog発信のある日常へ、
復帰したいと思います。
どうぞ、また、お付き合いくださいませ。
(過労死予備群・拝 2014/10/01記)☆


さて。2014年9月、ベネチアの食記事の最後の一軒です。
メルカート(魚市場)の内陸側の広場、Campo di Baroattaに面して、お土産のお店、リストランテやオステリアが軒を並べています。
もちろん、魚介料理がお得意の店でしょう!(笑)
外にでている看板やお店のたたずまいを観察しながら、街を歩いているときに、不思議なことに気づきました。
広場に面する店でも、メルカート側に近いオステリアは、テントや椅子を広げていないのです。
されど...12時の鐘がなるやいなや、一気にテントが張り拡げられました。

ああ、そうか! メルカートからの搬出経路を確保するために、広場の利用は時間制限が施されているのだ!と。
いいな!皆が共存しようとする街って!
嬉しくなって、そんな一軒からベネチア最後の昼食を選びました。

■Da Pinto (ダ・ピント):新鮮な魚介を気軽に楽しんで!と提示されたお店の外側には、国連公用語の6か国語のメニューと、日本語、トルコ語のメニューが並んでいました。そこに書いてあるのが、微妙に違うのが面白くて(笑)。こちらを選びました、天邪鬼です(大笑)。

もちろん、英語とイタリア語の併記メニューを選びます。だんだん、イタリア語のメニューをみて、意味が解り、美味しそうと思うようになってきたのです。慣れって、効くのです、うふふ。

■魚介料理の盛り合わせ、Antipasto di Mare, Misto
うちのは大皿盛りだから、お二人でどうぞ!と、ちゃんと教えてくれるのが嬉しい一皿です。
海老やイカのエンペラや胴体部分をフルーツ・ソースに絡ませてから、フリットにしたのが、実に美味しい!面白い!

そして、驚嘆したのが、写真中央部にみえる「イカの網焼き」と思った物体(苦笑、失礼)です。
松かさ焼きと呼ぶには、大胆で(笑)、グリル・スキレットで焼いたのだと、私は思ったのです。
一口齧って、びっくり! え、さらっと柔らかめ、弾力性はない! イカじゃない!
これは何だろう?と尋ねました。
答えは「ポレンタ」でした。えーっ?! まさかの白ポレンタ(=とうもろこし粉を練り上げた郷土料理、白が魚介料理に合うとHarry's Barで教わりました)!!
ポレンタは拡げて、粗熱を取ると固まるので、切り分けてから焼く。それも食感が違って、魚介、特にフリットにあうのです、という答えに、またニッコリしました。

写真・左後方。白いもしゃもしゃしたお料理は、ベネチアの郷土料理、干だらのミルク煮です。白いものだけで、色味を追求しようとしない...見た目のために飾らず、じんわり素朴な風味を愛するお料理です。味に勝るものはない、という頑固な気持ちも、一緒にお皿を盛り上げているように感じたのでした。
今回のベネチアの食の収穫は、この考え方です。イタリア料理の中の頑固な部分に、私は拍手を惜しみません。

ふふ。そしてこの一皿は「Fantasia」という名前で、レシートには記載されていました。なんともお茶目な楽しいお店だったのです。
■Vini da Pinto, Sestiere San Polo 367, 30100 Venice, Italy


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