森アーツセンターギャラリーで開催中の、「おいしい浮世絵展 ~北斎、広重、国芳たちが描いた江戸の味わい~」の鑑賞券を必要とする(笑)食のいくつかを、これからご案内します。(ニッコリ)
■おいしい浮世絵展 御膳
○握りずし
○ふわふわの卵とじ丼
○豆腐田楽
○海老の天ぷら
○水菓子・すいか
大人のお箸と並べると、この物体(!)の大きさが伝わるでしょうか?(笑)
今の「握り」のご先祖は、女性の片手に余る、グワシッと手掴みしないと、持てない、表記どおりの「握りずし」だったのです。
鮪の赤身、厚切りを二枚、重ねて握った、ほの温かい酢飯なのです!
寿司の始まりは、ファストフード。働く人の小腹を満たす、立食いであったとは聞いていましたが。よもや、温かさの残る酢飯の、たわら状で片手にもてるおむすびタイプとは思いませんでした。
そして、この形を見て、手にすると、食べやすくするためにも、鮪の漬け、は生れたと、分かります。味がしっかりして、堅さを増したほうが、食べやすいから!
面白い! 体験が知恵を加速します(ニッコリ)。
握りずしは、欄熟した町人文化が花開いた、文政年間(1818-1831)に生れたと伝えられています。シーボルトのスパイ疑惑があり、異国船打ち払い令がでた、鎖国から扉が開かれようとした時代。町民が豊かな力をもって、時代の変革に向かおうとした時代です。
沢山の人をもてなすために、作りおいて出せるフィンガー・フードは重宝だったことでしょう。
卵とじ丼:ふわふわの、汁だくのかき玉を、白飯にかけた物でした。塩気が気持ちよく、さらっとイケる、強飯を喜ぶ下町の昼餉だったかな?と想像しました。
豆腐田楽:塩っぽい味噌を溶き延ばして、木綿豆腐にぬって、火鉢で炙ったかと思う、素朴な品。桜の頃の屋台に同じ味でした。
海老の天ぷら:今のパリッと衣ではなく、昭和に近い、しっとり衣です。
すいか:これは懐かしい。水物と呼んだ、薄い砂糖水に、角切りにしたスイカを浸け置いた品。
ちびの頃、井戸水で冷やした硝子鉢にいけてあって。氷みかん、白玉が一緒に入っていて、「逗子のおばちゃまの昔フルーツポンチ」と呼んで喜んだ、思い出が、甦ってきました(ニッコリ)。
展示会とのコラボ食という、こだわり。
これらの食が、実は同じ形で、浮世絵の中にあるのです。(ニッコリ)
浮世絵の中の江戸の食が、現在に繋がる食なのです。
■Cafe THE SUN、六本木ヒルズ森タワー52F
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