四つの船はや帰り来としらか付け朕が裳の裾に斎ひて待たむ 孝謙天皇
黄泉の船もし還り来ば白飯つけ我が喪の父祖地斎ひて待たむ いちる
今日よりは顧みなくて大君の醜の御楯と出で立つ我は 防人
今日よりは顧みなくて大災に四方の御楯で生き経つ我は 断涙
世間は数なきものか春花の散りのまがいに死ぬべき思へば 大伴家持
世間は数亡き者が春花と散るを紛うて死ぬ辺来重い場 亡膳
なでしこが花見るごとにをとめらが笑まひのにほひ思ほゆるかも 大伴家持
撫でし子に花挿すごとに乙女らの笑まいのにおい頬緩むかも 鼻下爺さん