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フイールドでは風が多少は強めだったから玄関先も強い風があったかもしれぬ。それで落ちてひっくり返ったままだったのだろうと指に止まらせて拾い上げたら左の後ろ翅が折れたたまれたままになっている。既に翅は展開して硬化しているから修復は不可能で初飛行も出来ずあたら命を失うだけの誕生になったのだ。
末期の水ならぬ末期の糖水でもと蜂蜜を湯で溶いて綿棒で口のあたりに持っていっても嫌がるだけで無駄だった。このチョウがまだ蛹だった2月のある日、生協の宅配で上側の支持糸が切れて逆さまになってしまったのを接着しておいたのだった。思い返してみれば恵まれない個体だったのだ。
ウマノスズクサは伸張しているものの葉の展開は無く隠れ場所も無い。翅の状態を観れば片側だけでなく両側とも変形があるし羽ばたきもお蚕様の蛾のような羽ばたきしかできなかったし、小生に出来る事は近くのフジバカマの中に止まらせる事だけだった。
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