トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

「ごど」と「しょうゆの実」比較してみた

2022-11-25 | 何よりの楽しみ
 まずは「ごど」を試作したのが9月でその風味で遠い記憶がよみがえり「しょうゆの実」を試作するに至った。「ごど」はともかく「しょうゆの実」は少年期までは食していた郷土食である。今回、熟成期間を終えた「しょうゆの実」と冷蔵庫で比較の機会を待っていた「ごど」とを食べ比べてみる。
 「ごど」は冷蔵庫で低温熟成約一カ月間で「しょうゆの実」は28℃の恒温発酵だから発酵条件は異なるけれど公の比較では無いし、あくまで小生個人の口に入れるだけの食品であるから全く問題は無い。よくある不正報告を行わなければならない動機すらないのだ。

 写真右が「ごど」で左が「しょうゆの実」である。とりあえず「ごど」から口に入れてみる。真っ先に酸味がきて塩味が後からくる。期待していたほどの旨味は感じられなかった。
 「しょうゆの実」は郷里で食していた記憶の色合いとは異なりベージュ色である。郷里の記憶は溜まりの様なこげ茶だったように思えるのだが大豆を炒った色が反映されたのか塩の代わりに醤油を入れたのか今となっては分からないし義姉も姉たちも作ってはいなかったはずだから尋ねてはいない。小生の試作は塩ベースである。
 口にすれば酸味は「ごど」より圧倒的に弱いし郷土食の親近感もあるだろうから食べやすく感じた。特に大豆の食感が異なり「ごど」では納豆をそのまま使ったけれど「納豆感」は消えて大豆の食感だ。一方「しょうゆの実」の大豆は半割にした結果も影響しているのかどうか軟らかい納豆の質感が出ている。これは意外であった。

 軍配を上げるつもりも無いので「好み」という結論にしたけれど作るなら「しょうゆの実」が容易に思えた。そんな事から「ごど」を容易に味わう為にはひと工夫し納豆に糀と塩はベースだけれど即製させるために豆乳ヨーグルトの植物性乳酸菌、それに数種ある酵母や乳酸菌製剤錠やビール酵母などを最初に混入すれば出来上がりが早く安定した性質になりそうな気がする。
 もともと「ごど」の製造過程は食品としては稀有な複合菌発酵で糀菌・乳酸菌・納豆菌のハイブリッド食品だ。これは「えひめAI」と同様な過程であって、最初から菌材を投入すれば「手間なし」が小生の見解。

 タナゴの産卵期に池に入れた二枚貝への給餌にミドリムシ粉末を加えたこれらの錠剤混合粉末が冷蔵庫にあるからこれを添加して作れば出来そうだ。一旦ビビビッと来ると「待てない性格」なので作ってみるしかないなあ。
 尾籠な話で恐縮だけれど時折両者を大匙一杯ほどつまみ食いしていたのだが翌朝の通じが良い様に感じている。もちろんエビデンスのある結果ではないが個人的には「そうだろう」感がある。

        

 実物を眺めても写真を眺めていても思う事はたったひとつ「今時の食生活では腐敗物に見える食品ではあえて口に入れたい人など少数派で、言わば食品マイノリティになっているに違いない」と言う事だ。それは別として塩分を少なくすれば冷蔵庫もある環境下なので手軽にお惣菜発酵食品を用意出来る「優れ物」が小生の結論。伝統食は侮れない。